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仮想化スペシャリストBlog
志賀真之の「来たれ!仮想化道場」
第3回 オールインワンの仮想化サーバが安心でお得です

SPARC M12は、様々な仮想化機能、運用機能がオールインワンで入っていて、サーバとOSの保守契約だけでサポートされます。いろいろなソフトを購入して、それぞれ保守契約をして、製品の組み合わせで苦労することもありません。トータルで考えるとずいぶんコストパフォーマンスが良いのです。今回は、SPARC M12のOS標準機能で、どんなことができるか、簡単に紹介します。

[ 2019年1月31日掲載 ]

オールインワンのUNIXサーバ

PCサーバの場合には、サーバ/ OS/バックアップソフト/VMなど、いろいろ考える事が多いです。たとえば、組み合わせでの優劣や、運用を考えながら機能を比較してインフラを設計します。それはそれで楽しい部分もあり、いろいろな製品の特長を活用できるのは良いですが、それぞれ製品ごとの保守契約や、製品の組み合わせでちょっと機能が足りてなかったりして、面倒な部分もありますね。
SPARC M12では、サーバを購入するとインフラに必要な機能の多くが標準で付いています。それらの機能は、コンテナの数に関係なく、費用を追加せずに使用できます。だから、エンジニアのみなさんが、工夫をすると、どんどんコスト効果を向上させることができるのです。
今回は、私の気に入っている、代表的な3つの機能を紹介します。

  1. VM機能
    Oracle VM Server for SPARC
    ハードウェアに組み込まれたパーティション技術でセキュリティの高いVM機能
  2. コンテナ機能
    Oracle Solaris ゾーン
    2005年から提供されているコンテナ型の仮想化機能。開発用途だけでなく、基幹システムでも数千の単位で導入実績があります。
  3. 高機能ファイルシステム
    Oracle Solaris ZFS
    オンラインバックアップ/圧縮/重複除外/クローン/マイグレーション/vSAN機能もできるファイルシステム

VM機能「Oracle VM Server for SPARC」

図1:Oracle VM Server for SPARC

図1:Oracle VM Server for SPARC

特徴的なのは、信頼性とセキュリティの高さです。最近は、仮想環境におけるCPU脆弱性なども話題になっていますが、「Oracle VM Server for SPARC」はファームウェアでハードウェアを物理アドレスで分割していますので、脆弱性の問題も起こらず安心です。「Oracle VM Server for SPARC」は、安心して使えるVMを提供しています。

また、I/Oデバイスもハード分割によるDirect I/Oができますので、大規模なシステムやレスポンス重視のシステムも、業界最高のレスポンスでVMに統合できます。

もちろん、仮想ディスク、仮想スイッチ、仮想コンソール、SR-IOV、vHBAなどの機能も充実しています。ちょっと体験してみますか?

ご参考

活用事例

コンテナ機能「Oracle Solarisゾーン」

図2:Oracle Solaris ゾーンの概要

図2:Oracle Solaris ゾーンの概要

Dockerなどのコンテナ型でアプリ空間を作るのが浸透して来ましたが、Solarisは2005年からコンテナ型の仮想空間をサポートしています。
初期のSolaris ゾーンは、運用機能などが整っていませんでしたが、私たちはバックアップや、移行機能を開発し、Solarisの開発チームにフィードバックして、どんどん機能強化してもらいましたので、とても便利になっています。

また、Solarisですから、コンテナ型でも開発環境だけでなく、基幹DBでもたくさん活用されています。
特に、Oracleのミドルウェアでは、Solaris ゾーンでCPUコアを固定(注1)して使用する場合には、割り当てたコアの数しかライセンス課金されないメリットがあります。

また、Solaris ゾーンを活用すると、一旦構築したシステムを、そのまま新しいサーバへ移行できます。
それは、構築済みのSolaris ゾーンをコマンドひとつでアーカイブファイルにして、ftpなどで新しいサーバに持って行って、アーカイブを展開するだけです。
私も、最近久しぶりにお客様の基幹システムで、移行作業をやってきました。データ量が少なければ30分で移行できます。
この仕組みを活用して、業務システムのアプリ改修を大幅に減らして、サーバ更改だけで効率的に運用している事例が沢山あります。

ご参考

活用事例

(注1)Solaris ゾーンをハードウェアパーティションとして設定し、OracleミドルウェアのライセンスをSolaris ゾーンに割り当てたコア分だけにすることが可能です。設定方法は具体的にOracle社のドキュメントを参照してください。

高機能ファイルシステム「Oracle Solaris ZFS」

ZFSは専用ストレージと同等の機能を持ったボリューム管理とファイルシステムの機能で、Solaris10の途中から提供開始されています。Solaris11からは、OSのファイルシステムに採用され、OSのパッチ適用と連想するなど、運用性が強化されています。

  • 複数のディスクをまとめたミラーやRAID、ホットスペア機能
  • オンラインでの定時/随時バックアップとクローン機能
  • 外部へのデータバックアップ、差分バックアップ機能
  • Flashデバイスを活用した高速化機能

VM環境もコンテナ環境も、OSの機能でバックアップ、差分バックアップ、クローニング、マイグレーションなどができますので、バックアップソフトは不要です。
実際に、私が最近サンプルで作ったSolaris ゾーンのバックアップスクリプトのイメージは、こんな感じです。

Solaris ゾーンのバックアップスクリプトのイメージ

  1. アプリを停止
  2. OSを停止
  3. DISKのsnapshot取得
  4. ゲストOS起動
    (OS起動スクリプトでアプリを起動)

テストでは、OSのみの停止/バックアップ/起動をやりましたが、1分以下でバックアップとシステム再起動まで完了しました。

便利なZFSですが、ストレージ同等の高度な機能をOS内部で実行しているので、従来のUFSよりも処理はちょっと重いので、注意してください。 特にDBのデータ領域に使う場合には、事前に性能評価をしてから使用してください。

ご参考

まとめ

SPARC M12は仮想インフラとして必要な機能をサーバとOSの保守契約だけで実現できます。バックアップソフトやVM、ゲストOSを別途購入する必要もなく、それぞれの機能がひとつのインフラとして連携していますので、システムを作ってみると、とても便利で安価なのがわかります。

余談ですが…
私は実際に、工場の実験室に設置した開発/検証用サーバをOS機能と自作スクリプトだけで自動運用しています。年に4回パッチ適用のために、週末自宅からOS再起動する以外は、ほとんどメンテナンスは不要です。
毎日3回のオンラインバックアップと、夜間に隣のサーバに差分バックアップデータを転送するのもOSの機能+スクリプト数行で実現しています。
日常の監視も、OSコマンド+自作ツールで予兆検出し、課題検出時だけmail通報するようにしており、ここ何年も問題なく稼動しています。
そんなサーバなので、年に1回の電源の絶縁試験の時以外は、実験室に行く必要もないのですが、時々サーバの音が聞きたくなって実験室に立ち寄っています。私には、一番落ち着く場所です。

著者紹介


システムプラットフォーム技術本部 志賀 真之

ハードウェア設計、アプリケーション開発、UNIXサーバ製品企画、ネットワーク・サーバインフラの設計/運用など幅広い業務経験と旺盛な好奇心で 、不定期的に情報発信します。

  • サーバ製品の性能ベンチマークでは、国内外で数多くのチューニングを経験し、ハードウェア・ドライバ・ミドルウェア・アプリケーションまで原理を理解してチューニングするスキルを習得。
  • 「富士通の製品と活用技術で、お客様の事業に貢献する」をテーマに製品開発、ソリューション開発、サービスまで幅広く係わる。

本文中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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