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ストレージ運用管理性を大幅に強化した
VVOL対応ストレージ ETERNUS DX S3 series
~サーバ仮想化環境におけるストレージ運用課題を解決

富士通株式会社 第一プラットフォームソフトウェア事業部 第二開発部 日比野 哲也 / ストレージシステム事業部 システムソフトウェア開発部 香曽我部 仁志

ETERNUS DX seriesがVMware vSphere Virtual Volumes (以下、VVOL)に対応した。VVOLはVMware vSphere 6.0 注1に搭載されたストレージ管理技術で、仮想マシン単位のストレージ管理を実現する。多くのストレージベンダーがVVOL対応を図るなか、富士通は他社に先駆けてVVOLへの対応をいち早く表明、お客様向けにセミナーを早期に開催するなど積極的にVVOLの周知活動を実施してきた。ETERNUS DX seriesのVVOL対応の開発に参加したメンバーに富士通としての取り組みを聞いた。


VVOLは仮想マシン単位のストレージ管理を実現

(注1) VMware vSphere 6.0:VMwareの仮想化プラットフォームの最新版。VMware Virtual SAN 6やVMware vSphere Virtual Volumes、VMware Integrated OpenStackなど多くの仮想化製品を含みクラウドサービスとの連携強化を実現するパッケージ

ETERNUS DX seriesのVVOL対応、それぞれの役割は?

 日比野

日比野:ストレージの能力を存分に引き出していきたいストレージの様々な機能を実現するミドルウェアの開発を担当しています。具体的には、今はETERNUS DX seriesのSAN管理のソフトウェアの開発を担っており、今回のVVOL対応もその一部です。それ以前はバックアップ関連の開発を担当していました。

ETERNUS DX seriesはETERNUSのなかでもラインナップも豊富で利用範囲の広いストレージです。実際、仮想化環境の利用では400VM以下での利用が多く、半数のユーザーは200VM以下で利用されています。ETERNUS DX seriesであれば、仮想マシン(VM)の利用数により複数のモデルから最適なストレージに集約が可能です。

 香曽我部

香曽我部:ご要望をできる限り吸い上げていきたいETERNUS DX seriesのコントローラーファームウェアの開発をしています。ストレージ製品は装置部分と基本制御を行うコントローラーファームウェアで構成されているのですが、このファームウェアにVVOL対応の要素を付け加える作業を担当しました。

VVOLとはどのようなものですが? 登場背景とともにお聞かせください。

 日比野

これまで仮想サーバでストレージを使用するためには仮想マシンの設定とは別に、ストレージ設計が事前に必要であり、構成を決めてからストレージ管理ソフトウェアでストレージの設定を行わなくてはなりませんでした。物理装置のみを管理していた以前とは違い、現在では、サーバの仮想化が当たり前になっています。市場ニーズの変化に伴い、仮想環境の構築や管理の簡易化が求められているため、これまでストレージ管理者が専門の知識に基づいて設定・管理を行っていた手間を、仮想マシン管理者でも簡単に設定できるようにと登場したのがVVOLです。

 香曽我部

もともと、ストレージと仮想マシンでは管理者が分かれていて、別々のノウハウやスキルが必要でしたが、仮想化の普及によってストレージ管理者が不足する状況が生まれて、サーバ管理者が兼任するようになったのです。このため、ストレージに関する最新技術を追うのは難しくなり、最善の状態でストレージを構築・運用するのが困難なケースが増加したのです。

VVOLの登場でvCenterからストレージをコントロールできるようになりました。VVOLの一番の特長はポリシーベースでの構築と運用です。これによって、vSphere Web Clientのコンソール画面だけで設定などの作業を終わらせることができます。vSphere Web Client上で要件に合うパフォーマンスを実現できるメニューを選んでいくだけでいいのです。5ステップほどの操作で仮想マシンストレージポリシー(以下、ポリシー)の作成が可能で、ここで、スナップショットとクローンのバックアップの頻度も設定できます。

 日比野

ポリシーを作成した後も、必要なストレージのパフォーマンスに応じた仮想マシンが容易に作成できます。まず、仮想マシンを新規作成します。この際に、利用したいポリシーを指定するだけで、ポリシーを満たすVVOLデータストアが表示され、その中から選択後、確認のクリックを数回するだけです。ポリシーは仮想マシン管理者が一度作っておけば、次からはそのポリシーを選択するだけで、同じポリシーを満たす仮想マシンを仮想マシン利用者でも簡単に作成できます。

VVOL対応にはいつごろから、どのように取り組まれたのですか?

 日比野

ソフトウェアとハードウェアの検討委員会を2年前に立ち上げて、共同で開発に取り組みました。VVOLならではのProtocol Endpointなどをお客様が意識しなくてもよいために、どのように開発するか、仕様で要求されるインターフェースをどう開発するかなど、ベース部分の検討を開始しました。ベース部分の検討が固まった後、ポリシーの設計にとりかかりました。

 香曽我部

VVOLについては発表前に、構想を耳にしていました。VMware社から一緒にやらないかと声がかかり2012年夏には開発をスタートさせました。ポリシー項目はVMware社がデフォルトで規定しているものとは別にベンダーが工夫して独自の機能を加えていく部分があります。ソフトウェア側でこれをやりたいという機能が動くようにファームウェアで対応しました。

VVOLでは、スナップショットとクローンバックアップは、サーバサイドの負担を減らすためにストレージにオフロードされるので、それをファームウェアでどのように実現していくかと言うところから最初の検討を開始しました。ETERNUSには類似のアドバンスド・コピーの機能がもともとあったのですが、そのままVMwareの要求するコピー機能を実現できるものではなかったので開発が必要でした。

 日比野

ETERNUS SFは仮想マシンのスナップショットと同時にクローンを生成し、自動でバックアップを行います。アドバンスト・コピーによる仮想マシンのバックアップ機能を他社にはない付加価値にしようと考え、スナップショットのファイル単位のリストア実装を考えました。こうして開発したシングルアイテムリストアは、富士通独自の機能です。

 香曽我部

ETERNUS SFでは要求と処理完了の順番が決まっているのですが、VVOLはインターフェースの考え方が違い、一度にリクエストが送られてくるため、コマンドの受け渡し部分は従来の作りとかなり変わりました。開発についてはVMware社からAPIの仕様書をもらい、Q&Aのやりとりなどを行いながら進めました。レスポンスがよく大変助かりました。

VVOLはどのようなメリットをもたらすのですか?
また、富士通独自の機能はどのような点でしょうか?

 日比野

お客様のビジネスでのメリットはずばり「管理が簡単になること」です。ポリシーによって、ETERNUS上のボリュームと仮想マシンの1対1の対応付けが可能になります。バックアップ運用では、バックアップポリシーを設定することで、スナップショットをとる際、同時にクローンも自動生成されるように設定できるため、万が一の物理故障時も迅速な復旧、データ保全が可能になります。また、スナップショットやクローンがストレージにオフロードされることで、スナップショット世代数による仮想マシンの性能などが改善され、かなり使いやすくなります。


VVOLによって、バックアップなどの運用管理が簡単になる

 香曽我部

VMwareのスナップショットは理論的には32世代取れるのですが、世代数が増えるとIOPSなどのESXiサーバの性能が劣化してくるので、これまでは2~3世代での運用を推奨してきました。しかし、ストレージへのオフロードでこうした性能劣化が無くなりました。スナップショットはデイリーの運用による変化の差分、オペレーションミスでのファイルの回復などに利用します。クローンは管理情報も含めたフルバックアップのデータなので、VVOLが収納されているボリュームのハードウェア障害への備えとして利用します。

従来のボリューム(VMFS)単位のバックアップでは、仮想マシン単位のリストア要求があった場合でも、ボリュームに複数の仮想マシンが格納されているケースが多く、ボリューム(VMFS)全体を戻さざるを得ませんでした。一方、VVOLは仮想マシンとボリュームが一対一の関係のため、目的の仮想マシンだけを個別にリストアできるようになります。


仮想マシンごとに要件をあわせた様々なリストアを実現可能

 日比野

ポリシーの基本の設定項目はVMware社から指定があるのですが、それに加えてベンダーごとに異なるため固有のポリシーの設定項目も加えることができます。このベンダー固有のポリシーの設定項目では、ETERNUS DX seriesの機能およびETERNUS SF の機能をベースに考えました。例えば、「ストレージ自動階層制御」を利用する、「QoS自動化」を利用するなどの指定をすることもできます。富士通ではこれからもソフトウェアとファームウェアの連携により、独自色を出していきたいと考えています。

富士通のVVOLの注目ポイントは?

 日比野

日比野 近影一番苦労したポリシー設計です。性能要件でクラス分けしメニュー化していくのですが、ユーザーごとに望むパフォーマンスの程度は異なるため、販売担当者にヒアリングするなどして、IOPSやスループットの帯域などの選択肢をいかに適切に区分けするかを考えるのに苦労しました。結果、より快適に使用いただけるように、仕上がったと思います。

 香曽我部

香曽我部 近影VVOLのスナップショット機能はETERNUSのアドバンスト・コピー機能と似た面があるため、これをベースに開発したのですが、どちらに寄せるかでバランスを取るのか、検討に検討を重ねました。また、VVOLはストレージに対し大量の要求をひとまとめにして送るため、SANなどと併用している場合、VVOLの負荷でVVOL以外の性能が落ちる場合がありましたが、ETERNUSではそこを落とさないための工夫をしています。

これまではボリュームやRAIDグループの構成は人手に頼っていたため、構成変更要求はめったに届きませんでしたが、VVOLではストレージ管理者にわざわざ依頼しなくても仮想マシン管理者が手元でポリシーにより操作できるため、変更要求の頻度が上がるのではと考えています。このように使われ方が変化していくということを大変興味深く捉えています。

今後の目標は?

 日比野

ポリシーの採用により、お客様が仮想化環境を考えなくてもストレージの能力を十分に使えるようになります。VVOLでポリシー概念を簡単に扱えるようになったことで、今後ETERNUS DX seriesにも仮想化対応に向けた新しい切り口が見えてくると考えています。富士通のミドルウェアやソフトウェアの色を打ち出し、VVOL以外の管理にもポリシー概念を実装していきたいと考えています。今後の開発でのVVOL機能の拡張では、これまでETERNUS DX seriesの機能およびETERNUS SFの機能としてよく使われていたもの、かつVVOLではサポートしていない機能について吟味し追加開発することを考えています。

 香曽我部

VVOL連携はストレージベンダー各社が取り組んでいます。富士通のETERNUSが一番と言われるように開発を進めていきたいと思っています。特に、ETERNUS DX seriesは柔軟な対応を得意とし、容量の選択肢も豊富なので、お客様のニーズにあわせてカスタマイズしてご使用いただける点が強みだと考えています。

現在、ハードウェアボリューム数はETERNUS DX100 S3なら約2,000ボリューム作成可能です。1つの仮想マシンあたり最低3つのボリュームを使用するため、仮想マシンの上限は約600ですが、たくさんほしいというユーザーの声にお応えできるよう、ファームウェアの作りこみで対応していきたいと考えています。


(注) 取材日:2015年3月16日
本稿記載の肩書きや、固有名詞等は取材日、または公開日時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

掲載日:2015年5月12日

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