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情報ライフサイクル管理(ILM)への取り組み

ストレージ管理者は増え続ける企業データへの対応に苦慮しているが、データの価値は一様ではない。時間の経過とともにデータの価値は減少し、反比例して容量は大きくなる。情報のライフサイクルにおいて変化する価値や容量に応じて、データを最適なストレージに配置・運用しようという情報ライフサイクル管理(ILM)が注目を集めている。情報ライフサイクル管理(ILM)を実現する階層型ストレージの効果および導入状況を考察し、今後どのように普及していくかを予測する。

情報ライフサイクル管理(ILM)とは

データは新規に作成された後、活用され、参照され、保存され、最終的には削除される。このライフサイクルの中で変化する価値と容量に応じてデータを管理しようという考え方が情報ライフサイクル管理(ILM)である。
情報ライフサイクル管理を実現する方法の1つに階層型ストレージの構築が挙げられる。たとえば、活用段階で価値が高く、アクセス頻度も高いが、容量はそれほど大きくないデータは、ハードディスクで管理する。一方、時間とともにアクセス頻度が低くなっても、一定期間保存しなければならないデータは容量がどんどん増えていくため、容量単価が低いテープライブラリなどに保存する。このように価値や容量に応じて異なるストレージを適用することで、ストレージ容量の利用効率が向上し、コスト削減につながる。また仮想化技術により、ストレージの違いを意識せずシームレスにデータの保存や移動、ユーザーからのデータへのアクセスを実行できれば、データ管理の効率の向上も可能である。

IDCによる「階層型ストレージの導入目的」という調査では、「システムコストの削減」と回答した企業が6割近くを占めている。次いで、「データの価値に応じたストレージコストの最適化」「ストレージ容量の利用率向上」との回答が多い。この結果から、企業がコスト削減、利用効率や管理効率の向上といった効果を期待していることがわかる。

階層型ストレージの導入状況と導入後の評価

では、実際には企業は階層型ストレージの導入にどのように取り組んでいるのだろうか。
IDCでは、「ストレージ新技術の導入状況」という調査を行っているが、「導入済み」が7.1%、「2年以内に導入予定」が9%、「検討しているが時期未定」が9%という結果が出ている。すなわち、約4社に1社は、すでに導入しているか、導入を検討していることが伺える。

また、導入済みの企業に対する導入後の評価の調査では、階層型ストレージに対して、「期待通り」と回答した企業が65.3%、「期待を上回った」が18.7%、「期待を大きく上回った」が6.7%を占めている。この結果から、階層型ストレージの導入がコスト削減や管理効率の向上に効果的であることがわかる。

情報ライフサイクル管理(ILM)の今後の動向予測

情報ライフサイクル管理(ILM)を導入するにあたっての課題として、階層型ストレージ構築に多額の初期導入コストがかかることが挙げられる。「階層型ストレージの導入時に重視する項目」という調査でも、6割近くが「導入コスト」という回答をしている。

しかし、企業データの増加傾向は今後もとどまるところを知らず、その内容もファイルデータが多くを占めるようになると予測される。ファイルデータの増加はストレージ管理の複雑化、手間やコストの増大化を招き、中長期的に見ると初期導入コストを大きく上回る管理コストが企業を圧迫することになる。
そこで、ICTシステムインフラの見直しと再構築により、管理コスト削減を図ろうという企業が増えている。具体的には、仮想化技術によりサーバやストレージを統合し、これらのリソースの利用効率を上げ、ハードウェアの導入・管理コストを低減しようという取り組みが行われている。

階層型ストレージ構築には仮想化技術が切っても切り離せない。特に階層ごとのストレージの違いを意識せずにシームレスにデータを管理・運用するには、複数のストレージを統合して大きな論理ストレージプールを構成するファイル仮想化が重要なポイントとなる。 IDCによる「ファイル仮想化 (グローバルネームスペース) の導入目的」という調査では、16.5%の企業が「ファイルデータ管理の階層化によるコストやパフォーマンス最適化」と回答している。
外部ストレージ仮想化の導入目的」という調査でも9.3%の企業が「階層型ストレージの構築」と回答している。今後はサーバ仮想化に続いてストレージ仮想化が進むと考えられるが、同時に階層型ストレージによる情報ライフサイクル管理(ILM)の普及を後押しすることになるだろう。

富士通のストレージソリューション

情報ライフサイクル管理(ILM)は、ストレージ管理の効率利用および全体的なコスト削減に有効です。富士通は、情報の特性(利用頻度や価値)に応じてデータの保管場所を分類するストレージ階層管理ソリューションにより、投資の最適化を実現します。

SAN環境では、ETERNUS DX80 S2, DX90 S2, DX410 S2, DX440 S2とソフトウェア「ETERNUS SF Storage Cruiser 15」との連携により、データのアクセス頻度を検出し、ストレージ内のデータを最適なドライブに自動的に再配置します。たとえば、アクセス頻度が高いデータはSSDに、アクセス頻度が低いデータは大容量で安価なニアラインディスクに配置することで、保管コストの最適化および運用の自動化による管理コストの低減が可能です。再配置ポリシーは要件に応じて柔軟に設定できます。

また、Symantec社Veritas Storage Foundation Enterprise(UNIX版、Linux版)のDynamic Storage Tiering機能とETERNUSのディスクアレイを連携させることで、ファイルの重要度やアクセス頻度に合わせて保存先ストレージを使い分け、ストレージのTCOの低減とデータの利用効率の最適化を図ることができます。

NAS環境では、ファイルの利用頻度や種類・サイズなどの任意の項目により、最適な階層に移行を行うなどのストレージ階層管理機能を持つF5 ARX® シリーズと、オンラインディスクとニアラインディスクを搭載したETERNUS NR1000F seriesを連携させることで、重要度に応じてファイルの最適な保存先を自動選択でき、ストレージシステムの利用率向上、バックアップの最適化などTCOの削減を図ることができます。

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掲載日:2011年7月5日


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