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Fujitsu

Japan

事務職員約1,600名が使う仮想デスクトップ環境にETERNUS TR seriesを導入
安定したパフォーマンス、ボトルネック特定の迅速化により大学運営を支える

国立大学法人東北大学様 導入事例


世界最高水準の研究・教育を創造する東北大学。同大学は事務職員用の端末の更新を機にICTガバナンスの強化、運用管理の効率化を目指し仮想デスクトップを導入しました。事務職員約1,600人が利用する仮想デスクトップ環境に、富士通の仮想化環境専用ストレージ ETERNUS TR seriesを採用し、チューニングレスで常に安定したパフォーマンスを実現。また仮想マシン単位でのパフォーマンスの可視化によりボトルネックの特定の迅速化を図っています。今回、合わせて業務システムの仮想化基盤も構築し、共有ストレージとしてETERNUS TR seriesを利用することで投資対効果と信頼性の向上を図っています。

[ 2017年2月13日掲載 ]

導入事例 国立大学法人東北大学様 (853 KB)(A4・2ページ)


【導入事例概要】
国名 日本
業種 文教
ハードウェア FUJITSU Storage ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージ
FUJITSU Storage ETERNUS NR series ネットワークディスクアレイ
FUJITSU Server PRIMERGY PCサーバ
Brocade VDX コンバージドスイッチ
ソフトウェア サーバ仮想化 VMware vSphere
クライアント仮想化 Citrix XenDesktop
アプリケーション仮想化 Citrix XenApp

「ETERNUS TR seriesの管理画面ではストレージと合わせてサーバやネットワークの性能を把握できるため、運用の効率化とともに性能低下時の要因特定の迅速化が図れます。どこでどの程度の遅延が発生しているかが一目瞭然のため問い合わせにも速やかに対応できます。いままでI/Oの負荷による性能低下は一度も起きていません。仮想マシンの稼働状況に合わせて性能チューニングを行う自動QoS(Quality of Service)が効いていると認識しています」

【課題と効果】
導入前の課題 導入による効果
  • 事務職員約1,600人が利用する仮想デスクトップ環境の安定稼働を実現したい
  • フラッシュヒット率99%の高いパフォーマンスでI/O性能を強化し始業時も職員は快適に利用。レイテンシーも常時1ミリ秒以下を維持。また自動QoSによりチューニングレスで常に安定したパフォーマンスを実現
  • 性能が低下したときにボトルネックを迅速に特定したい
  • 仮想マシン単位でパフォーマンスを可視化できるためボトルネックの迅速な特定が可能に。ユーザーからの性能に関する問い合わせにも速やかに対応
  • 増加するデータを効率的に管理しコストを抑制したい
  • 圧縮機能により約30%のデータを削減しコストを抑制。またSSDとHDDのハイブリッド構成によりコストを抑えながら高いパフォーマンスを実現

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導入の背景

事務部門の様々な課題を解決するべく仮想デスクトップを導入

藤本 一之氏近影
藤本 一之 氏
国立大学法人東北大学
情報部情報推進課
事務情報係
係長

1907年、日本で3番目の帝国大学として創設された歴史ある東北大学。建学以来、同大学は優れた研究に裏打ちされた教育を目指す総合大学として指導的人材を輩出し、時代に先駆けた多くの研究成果を世に送り出してきました。10の学部、16の大学院、3の専門職大学院、6の附置研究所を持つ世界最高水準の研究・教育機関となった現在も「研究第一」、「門戸開放」、「実学尊重」の建学の理念は脈々と受け継がれています。同大学は建学の理念のもと、研究・教育の国際化の推進や東北復興に向けた先導的支援にも積極的に取り組んでいます。

時代が大きく変化する中、1世紀以上にわたる知を継承し、さらに未来へ向けて新たな知を創造していくために大学運営の基盤強化は不可欠です。「従来、本学の事務部門は執務用と共有の業務用端末の2種類を利用していたことから、共有端末のある場所までの移動や他の職員が利用していた場合の待ち時間など多くの無駄が生じていました。また、各部局が独自に購入したPCもあるなどPCの台数が増え続けていました。既存端末の更新を機に、業務の効率化、端末台数の最適化、セキュリティ強化を目的に仮想デスクトップの導入検討を開始しました」と情報部情報推進課 事務情報係 係長 藤本一之氏は話します。

同大学の事務職員約1,600名が利用する仮想デスクトップの導入において重要なポイントとなったのが、ストレージのI/O性能でした。

導入のポイント

仮想デスクトップの安定稼働のためにストレージの性能や機能を重視

同大学では、朝8時半頃の始業時に事務職員が一斉に仮想デスクトップを起動するため、同時に大量のI/Oが生成されます。また特定の仮想デスクトップのI/Oが急激に増えたときに他の仮想デスクトップへの影響も不安材料でした。さらに仮想化環境ではボトルネックの特定が難しい点も課題でした。

同大学は安定性や運用性に優れた仮想化基盤を構築するために、ストレージについて様々な観点から検討を重ね、仕様に以下の要件を盛り込みました。

  • 仮想デスクトップ1台あたり30IOPS
  • 実効容量40TB以上(但し、インライン重複排除や圧縮機能を利用する場合はサイジング指針を示すことで30TB以上でも可能)
  • サーバ、ストレージ、ネットワークなどからボトルネックを特定できること
  • 職員1人に1つの仮想デスクトップ環境の提供

「今回、ストレージの要件はかなりハードルの高いものだったと思います。ここまでストレージの性能や機能を重視して仕様書を作成したことはこれまでありませんでした。また安定したパフォーマンスを維持するために、仮想化基盤としてサーバの負荷状況に応じてリソースを割り当てられることも重視しました。本学が提示した様々な要件に価格を加えて総合的に評価し、富士通の仮想化環境専用ストレージETERNUS TR seriesと、PCサーバPRIMERGYをベースとする事務系の全学仮想化基盤の導入が決定されました」(藤本氏)。

導入のプロセス

実機を使った体験型の説明会用に200台の仮想デスクトップを迅速に作成

尾形 浩平氏近影
尾形 浩平 氏
国立大学法人東北大学
情報部情報推進課
事務情報係

事務系の全学仮想化基盤は、仮想デスクトップ基盤と業務システム仮想化基盤が共存する構成となっており、共有ストレージとしてETERNUS TR seriesを利用します。「今回、ICTインフラの最適化や運用管理の効率化を図るべく、学内に散在していた人事給与、財務会計、勤怠管理など業務システムの仮想化統合も一気に進めました。投資対効果や信頼性を高める狙いもありました」(藤本氏)。

2016年1月に導入が決定され構築を開始。2016年7月から仮想デスクトップを順次展開し同年8月の本稼働を迎えました。仮想デスクトップのサービス開始当初、ユーザーの間では現在自分が利用しているのが実機か仮想かの区別がつかず、とまどいもあったと情報部情報推進課 事務情報係 尾形浩平氏は振り返ります。

「実機を使った体験型の説明会を開催するなど、少しでも慣れてもらうことから始めて、いまはユーザーのとまどいも解消されてきています。富士通さんには説明会用の仮想デスクトップ200台をすぐに準備していただきました。ETERNUS TR seriesのインライン重複排除とフラッシュベースのアーキテクチャーにより、1台の仮想デスクトップを作成するだけなら約30秒でできると聞いてとても驚きました」。

導入の効果と将来の展望

フラッシュヒット率99%、圧縮機能により約30%のデータを削減

仮想デスクトップのサービス開始以来、ETERNUS TR seriesが支える事務系の全学仮想化基盤は安定稼働を続けています。「始業時などのピーク時もユーザーから遅いといった声はありません。ETERNUS TR seriesはSSDとHDDのハイブリッド構成でコストを抑えながら高いパフォーマンスを実現している点も魅力です。フラッシュヒット率99%によりレイテンシーは1ミリ秒以下です。また圧縮機能により約30%のデータ削減を図っています」と情報部情報推進課 情報セキュリティ係 主任 小野﨑伸久氏は話します。

運用面ではブラウザベースの管理画面を使って、仮想マシン単位でホスト・ネットワーク・ストレージレベルのパフォーマンス管理を行えるメリットは大きいと尾形氏は話します。「ETERNUS TR seriesの管理画面ではストレージと合わせてサーバやネットワークの性能を把握できるため、運用の効率化とともに性能低下時の要因特定の迅速化が図れます。どこでどの程度の遅延が発生しているかが一目瞭然のため問い合わせにも速やかに対応できます。いままでI/Oの負荷による性能低下は一度も起きていません。仮想マシンの稼働状況に合わせて性能チューニングを行う自動QoS(Quality of Service)が効いていると認識しています」。

仮想マシン単位でのパフォーマンスの可視化は投資の最適化にも貢献しています。「従来、業務システムの増強を図りたいというニーズに根拠もなく応えていました。いまは管理画面を見ることで数字的な裏付けをもとに判断し、無駄な投資をすることなく必要なところに必要な手立てを講じることができるようになりました」(藤本氏)。

約3,000人の事務・技術職員が利用しても安定したパフォーマンスを実現

小野﨑 伸久氏近影
小野﨑 伸久 氏
国立大学法人東北大学
情報部情報推進課
情報セキュリティ係
主任

仮想デスクトップの導入により集中管理を実現することでICTガバナンスの強化が図れました。「各職員が高い意識で行っていた情報漏えいやウイルス感染の防止に関してシステム側で一元的に行えるようになり、職員の負荷軽減とセキュリティの強化を実現しています。また職員は人事異動に伴うデータ移行作業の手間からも解放されました。運用の観点では端末の管理や故障対応の業務負荷が大幅に軽減できました」(小野﨑氏)。

今後の展望について藤本氏はこう話します。「業務システムは、事務職員だけでなく技術職員も含めて約3,000人が利用していますが、それでもストレージのパフォーマンスに一切問題は発生していません。今後は業務システムの統合をさらに進めるとともに、システム連携も推進していきたいと考えています。富士通さんには安定稼働の支援はもとより本学の課題を解決に導く先進的な提案もお願いいたします」。

人類社会の発展に貢献する世界リーディング・ユニバーシティを目指す東北大学。富士通はこれからも総合力と先進技術を駆使し同大学の取り組みを支援していきます。

集合写真

(前列左から)小野﨑 伸久 氏、藤本 一之 氏、尾形 浩平 氏
(後列左から)齋藤 信 氏、佐藤 充 氏、岩森 俊 氏

【国立大学法人東北大学様 概要】
創立 1907年
総長 里見 進
所在地 本部事務機構総務企画部
〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平二丁目1-1
学生数 17,885人、内留学生数1,455人(平成28年5月1日現在)
教員数/事務・技術職員数 教員数:3,193人(平成28年5月1日現在) 事務・技術職員数:3,274人(平成28年5月1日現在)
概要 文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、農学部の10学部、16大学院、3専門職大学院、6附置研究所
ホームページ 東北大学 ロゴ
http://www.tohoku.ac.jp/新規ウィンドウが開きます

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

製品情報

ETERNUS TR820 製品図

FUJITSU Storage ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージ
大規模なサーバ仮想化環境や仮想デスクトップ環境で安定した高い処理性能とシンプルな運用を実現

ソリューション

  • 事業継続・災害対策
    業務システムおよびデータの要求する保護レベルに応じ、ICT事業継続・災害対策の選択肢を豊富に提供