JA共済連の事業をICTで支える中央コンピュータシステム。同社は、社内はもとよりグループ会社への展開も視野にETERNUS DX seriesとVMware vSphere Virtual Volumes (以下、VVOL)をベースとするプライベートクラウド基盤を構築しました。高信頼性、高性能の共有ストレージとしてETERNUS DX seriesを採用するとともに、VVOLを利用することで仮想マシンの配置設計の簡素化、仮想マシン単位のストレージ運用を実現。仮想化環境の運用改善を図り、ストレージ専任の管理者が不在でもプライベートクラウドの本格運用を可能にしています。
[ 2016年9月28日掲載 ]
導入事例 株式会社中央コンピュータシステム様 (953 KB)(A4・2ページ)
国名 | 日本 |
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業種 | 情報処理 |
ハードウェア | FUJITSU Storage ETERNUS DX100 S3 ディスクストレージシステム |
ソフトウェア | ストレージシステム統合管理ソフトウェア FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage Cruiser
高速バックアップ・レプリケーションソフトウェア FUJITSU Storage ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 仮想化ソフトウェア VMware vSphere 6、VMware vCenter Server 6 |
「性能やバックアップなどストレージのサービスレベルは、vCenter画面でポリシーとして簡単に設定できるようになりました。仮想マシンの作成時もポリシーを適用するだけで、仮想マシンの要件にあったデータストアを簡単に割り当てることが可能です。また『使い慣れたvCenter画面で仮想マシンとストレージを一元管理できることで運用業務がとても容易になった』と運用担当は話しています」
導入前の課題 | 導入による効果 |
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諸星 昭廣 氏
株式会社中央コンピュータシステム
システムソリューション部
部長
長期共済保有契約高280兆円以上、多くの人々の人生を守るJA共済連(全国共済農業協同組合連合会)をICTで支えているのが中央コンピュータシステム(C-COM)です。世界有数の金融システムとして長期共済3,000万件以上の保有契約データの処理を行う大規模システムの開発と構築、運用で培った技術やノウハウ、高度な共済・保険の業務知識が同社の強みです。50年を超える実績のもと、JA共済連グループはもとよりグループ外のビジネスにおいても「共済・保険ならC-COM」という評価を確立し、お客様視点を大切に様々なサービスを提供しています。
JA共済連グループの情報戦略を担う同社は、先進技術をいち早く導入し社内実践で蓄積したノウハウをグループへ展開していく役割も果たしています。
「2011年にVMwareを採用した仮想化基盤を導入し社内システムの集約を進めました。コスト削減や変化への迅速な対応を可能にするメリットの一方で、運用面で課題が見えてきました。2015年にプライベートクラウド基盤へとステップアップするためにシステムを刷新する際、課題の解決と最新技術の導入は重要なテーマとなりました」とシステムソリューション部 部長 諸星昭廣氏は話します。 同社のプライベートクラウド基盤は、社内はもとよりJA共済連グループ会社へのサービス提供も視野に入れています。高性能・高信頼性はもとより最新技術による運用面の課題解決で鍵となったのがストレージでした。
正木 直久 氏
株式会社中央コンピュータシステム
システムソリューション部
システム基盤グループ
課長
同社は社内システムの運用を少人数で行っており、ストレージ専任の管理者も不在です。そのため仮想化によりシステムを集約するのに伴い、複雑化するストレージの運用が大きな課題となっていました。
「仮想化環境における従来のストレージ運用では、1つのボリュームに複数のVMDK(仮想ディスク)を配置するため、仮想マシンのリソース配分やバックアップ要件などを考慮しながら複雑なボリュームの配置設計や運用が必要でした。『バックアップ処理に時間がかかる』『ストレージ性能の監視が難しい』『仮想マシンとストレージの関係性の把握が困難』など、運用の現場から仮想マシンのバックアップとストレージ管理に対して様々な課題があがっていました」とシステムソリューション部 システム基盤グループ 課長 正木直久氏は振り返ります。
運用面の課題を解決しプライベートクラウド導入を成功に導くために、富士通はETERNUS DX seriesとVVOLの組み合わせを提案しました。ETERNUS DX seriesは既存の仮想化基盤で導入実績があり、その高信頼性は高く評価されていました。またETERNUS DX seriesは他社に先駆けていち早くVVOLに対応しており、富士通グループで導入を支援する体制も整っていました。今回、構築を担当した富士通エフサスの瀬戸口隆仁はVVOL導入のメリットについてこう話します。
「VVOLを利用することでVMDKとボリュームが1対1となるため、仮想マシンの配置設計がシンプルになるとともに仮想マシン単位の運用を実現できます。ストレージ専任の管理者不在でも仮想マシン単位での性能管理やバックアップなどの運用が容易に行えます」。
瀬戸口 隆仁
株式会社富士通エフサス
首都圏本部
第一情報サービス統括部
第一サービス部
水田 豊
株式会社富士通エフサス
サービスビジネス本部
セキュリティインテグレーション統括部
同社は高性能・高信頼性、運用の課題解決の観点から2015年9月にETERNUS DX100とVVOLの採用を決定。2016年3月、プライベートクラウド基盤はスケジュール通りに本稼働を開始しました。「今回、システムソリューション部様との密なコミュニケーションのもと、構築を担当した富士通エフサスはもとより富士通、VMwareの3社が一体となってプロジェクトに取り組んだことで、VVOLという最新技術を使った共有ストレージの構築が着実かつスムーズに行えました」と富士通エフサス 水田豊は話します。
同社にとってVVOLの導入は新技術へのチャレンジの側面もありました。「既存システムの構築実績から富士通エフサスの技術力、当社の視点に立ったサポートや提案力を高く評価しておりVVOLも安心して導入できました。運用もきめ細かく支援していただいています」(正木氏)。
システム構成概要図
2016年3月に本稼働したプライベートクラウド基盤上では同社の業務を支えるOAシステムに加え、JA共済連グループ会社のOAシステムも含め、現在32台の仮想マシンが稼働しています。ETERNUS DX100とVVOLの導入により同社の仮想化環境におけるストレージ運用は大きく変わりました。
「性能やバックアップなどストレージのサービスレベルは、vCenter画面でポリシーとして簡単に設定できるようになりました。仮想マシンの作成時もポリシーを適用するだけで、仮想マシンの要件にあったデータストアを簡単に割り当てることが可能です。また仮想マシンごとのI/O性能のグラフ表示や閾値監視が行えるため性能問題を未然に防ぐこともできます。『使い慣れたvCenter画面で仮想マシンとストレージを一元管理できることで運用業務がとても容易になった』と運用担当は話しています」(正木氏)。
仮想化環境における柔軟なバックアップとリストアの実現により運用の効率化が図れました。「これまでのバックアップソフトウェアを用いてのバックアップでは、設定作業の煩わしさや、業務時間内で終わらず休日にバックアップを行うといったケースもありました。ストレージの高速コピー機能とVVOLを活用した現在のバックアップでは、仮想マシン作成と同じvCenter画面でバックアップポリシーを設定し運用を自動化することが可能となり、さらにバックアップが短時間で行えます」(正木氏)。
まだ運用開始して間もないことから、これから利用したい機能もあると正木氏。「リストアしたいファイルを選択してリストアできる富士通独自機能も期待しています。バックアップの選択肢が広がることは、運用担当だけでなくエンドユーザーにもメリットとなります。また優先業務のI/O帯域を確保できるQoS自動化やストレージ自動階層制御も、本格的に運用していく段階で役立つ機能だと思います」。
今後の展望について諸星氏は次のように話します。「今回、プライベートクラウドを安心かつ効率的に運用していく基盤を構築できました。今後、社内システムのさらなる集約はもとより、プライベートクラウドのサービスやVMwareをはじめとした技術ノウハウをJA共済連グループ会社にも展開を進めていきたいと考えています。技術でグループの成長に貢献していくために、富士通、富士通エフサスには安定稼働の支援はもとより最新技術を活用した提案も期待しています」。
社会的に重要度の高いJA共済連のシステムを担う中央コンピュータシステム。ICTを活用し日本全国の人々の「安心」と「満足」に貢献する同社の取り組みを、富士通と富士通エフサスは一体となって支援していきます。
前方左から
株式会社中央コンピュータシステム、正木 直久 氏、諸星 昭廣 氏
後方左から
株式会社富士通エフサス、山崎 誠治、堀之内 健介、瀬戸口 隆仁、水田 豊、植元 教太
ヴイエムウェア株式会社
ストラテジックアカウントビジネス本部
システムエンジニアリング統括部
パートナーSE部
岡山 厚太 氏
富士通エフサス様はヴイエムウェア技術者認定資格(VCP-DCV,VCAP-DCA/DCD)保有者数国内1位(注)となっており、高い技術力をもって今回のVVOLの様な最新技術を積極的に取り入れていただいております。
今後も富士通エフサス様と強いパートナーシップのもと、最新のテクノロジーを活かしたより良いソリューションをお客様に提供してまいります。
(注)2016年8月現在
株式会社富士通エフサス
首都圏本部
第一情報サービス統括部
第一サービス部
瀬戸口 隆仁
仮想化基盤へ集約・統合する傾向が高くなる中で、運用の更なる効率化を実現するため、富士通ストレージにVVOLという新技術を融合させたことで、リソース管理やバックアップ運用の手間を省き、お客様から運用効率化の面で高い評価をいただくことができました。
今後とも、お客様に寄り添い、共に考え、お客様の企業価値の向上に努めてまいります。
株式会社富士通エフサス
サービスビジネス本部
セキュリティインテグレーション統括部
水田 豊
富士通エフサスは、日本では他社を含め導入実績がほとんどない中、富士通/ヴイエムウェアと連携し、最先端技術であるVVOL導入を高度な仮想化技術力を駆使しシステム導入することができました。
今後とも、お客様の課題/ご要望に応えるだけでなく、お客様に付加価値を与えた顧客満足度向上に取り組んでまいります。
本社所在地 | 〒212-8564 神奈川県川崎市幸区堀川町66-2 興和川崎西口ビル |
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代表取締役社長 | 中村 純誠 |
設立 | 1961(昭和36)年6月23日 |
資本金 | 1億7,000万円 |
従業員数 | 総数 802名(男子617名 女子185名)
(2015年3月31日現在) |
事業概要 | JA共済を始めとする共済保険のシステムの設計・開発(上流工程~下流工程)から運用・保守まで/上記以外のシステム設計・開発から運用・保守まで/自社パッケージソフト「トリニテート」の開発・販売・保守 |
ホームページ |
http://www.c-com.co.jp/ |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。なお、社名敬称は省略させていただいております。
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