パチンコ・パチスロ業界をリードするサミー。同社は基幹システムのリプレースに伴い、「より良いもの」を導入するべく事前にベンチマークテストを実施。各社がミッドレンジクラスのストレージだったにも関わらず、エントリークラスのETERNUS DX100 S3 がトップという検証結果が出ました。同社は検証に裏付けられた高性能に加え、ユーザビリティやコストパフォーマンスを高く評価しETERNUSをベースとする富士通プロダクトを採用。今回、拡張性を考慮しミッドレンジクラスのETERNUS DX500 S3 を導入し大容量キャッシュを搭載。新基幹システムはキャッシュヒット率99.8%以上、レスポンスタイム1ミリ秒以下を実現し業務効率の向上に貢献しています。
[ 2015年12月2日掲載 ]
導入事例 サミー株式会社様 (871 KB)(A4・2ページ)
国名 | 日本 |
---|---|
業種 | パチンコ機・パチスロ機の開発・製造・販売 |
ハードウェア | FUJITSU Storage ETERNUS DX500 S3 ディスクストレージシステム
FUJITSU Server PRIMERGY RX200 S8 PCサーバ |
ソフトウェア | FUJITSU Storage ETERNUS SF Storage Cruiser ストレージシステム統合管理ソフトウェア
仮想化ソフトウェア VMware vSphere |
「大容量キャッシュの搭載でライトのキャッシュヒット率99.8%以上を実現しレスポンスタイムは平均1ミリ秒以下となっています。Oracle Databaseは多くの社員が日々の業務でアクセスするシステムですから、健全性をキープし業務のスピードアップに貢献できているのは大きなメリットとなります」
導入前の課題 | 導入による効果 |
---|---|
|
|
|
|
|
|
独自性の高いパチンコ機、パチスロ機の開発でエンタテインメントの可能性を広げているサミーの社是は「積極進取」です。「積極進取」は新しいアイデアを具現化することに積極的に取り組む姿勢を表しており1975年創業以来、同社の不変の遺伝子となっています。
社会構造の変化や技術革新、業界再編など大きく変化するエンタテインメント分野において、同社は「新しいものはいつもサミーから」を開発ビジョンに多彩な遊技性とコンテンツの世界観、シナリオを絶妙にコラボレートさせた先駆的な試みで市場をリードしています。またセガサミーグループの一員としてグループのシナジーを活かし、夢と感動あふれる新しいエンタテインメントの提供を通じて豊かな社会の実現と文化の創造に貢献しています。
サミーの革新の遺伝子は同社のICTを担う情報企画部も受け継いでいます。「当社は基本的に社内システムの開発、運用、保守を自社内で行っています。社内システムに関してはセキュリティや信頼性に重点を置きながら、レガシーな技術だけでなく新しい技術にチャレンジしより良いものを導入して業務効率の向上を図っていくことが求められています」と、コーポレート本部 情報企画部 システムサービスグループ 堤友輔氏は話します。
2013年12月にスタートした基幹システムの老朽化に伴うリプレースのプロジェクトにおいて情報企画部は自ら進んで物事を行う進取の精神のもと、「より良いもの」を導入するために5社のストレージでベンチマークテストを実施しました。
今回、リプレース対象となった基幹システムは会計データ、工場系データ、営業の受注データなど同社の事業活動の根幹を担っています。従来システムの課題について堤氏は「老朽化していたこともあり、パフォーマンスの改善を求める声がユーザーから挙がっていました。今回RFP(提案依頼書)に対しご提案のあった各社さんにハードウェアを用意していただき事前にパフォーマンスの検証を行いました」と話します。
同社は物理サーバがほとんどなく基幹システムも仮想環境で動いています。パフォーマンスの検証では課題となっていた生産系の処理時間の短縮と仮想サーバの処理能力のチェックを目的としました。「仮想サーバの処理能力ではベンチマークソフトウェアを使用し10回以上繰り返し計測を重ねて平均値をとりました。その結果は驚くべきものでした」と堤氏は振り返ります。
堤 友輔 氏
サミー株式会社
コーポレート本部
情報企画部
システムサービスグループ
「各社はミッドレンジクラスのストレージで、富士通のストレージはエントリークラスのETERNUS DX100 S3でした。ミッドレンジが優位と考えるのが通常ですが、蓋を開けてみたらETERNUS DX100 S3 が五つの項目のうち四つでトップでした。公平な立場から検証して得たデータですから確信を持って上司に報告しました」。
堤氏がETERNUSを高く評価したのは性能だけではありませんでした。「当社はストレージを操作するのが社内のスタッフになります。ストレージに不慣れなスタッフもいますからユーザビリティは重要です。GUIで直感的に操作が行えるETERNUSのわかりやすいインターフェースは業務の平準化を図るうえでも有効です」。
2014年3月、同社はベンチマークテストに裏付けられた高性能にユーザビリティやコストパフォーマンスの観点も加え、ETERNUSを中核とする富士通の提案を選択しました。実際の導入では将来的な拡張性を考慮しミッドレンジクラスのETERNUS DX500 S3を採用。主要コンポーネントを冗長化しているETERNUS DX500 S3の高信頼性をベースに、 PCサーバPRIMERGY RX200 S8を4台構成でVMware vSphere HAにより、可用性の向上を図っています。
ディスク構成は、Oracle Databaseで利用するSSD、アプリケーションサーバなどで利用するSASディスク、ファイルサーバなどで利用するニアラインSASディスクと3階層を用意し用途別に分けています。SSDの採用はリプレースに合わせてOracle Database 10gからOracle Database 11gへアップグレードしたことによるデータベースの性能向上を活かすためです。
2014年4月から構築を開始し同年7月末に本稼働。「ハードウェアの保守終了が2014年8月でしたから短期間での構築となりました。当社のスタッフと一緒になって問題解決にあたっていただいた、富士通マーケティングさんの提案力や構築技術力は高く評価しています。納期を厳守できたのも富士通マーケティングさんのサポートがあればこそでした」(堤氏)。
ETERNUSをベースとする新基幹システムは本稼働後、1年以上が経過した現在まで故障も一切なく安定稼働を続けています。「ディスクも一切壊れていません。最初の一年は壊れやすい期間だと思いますが、ここまで継続して使用できているというのは私の経験ではほとんどないことです」と堤氏はETERNUSの品質を高く評価します。
レスポンスは大幅に向上し、懸案だった生産系のバッチ処理時間も大幅な短縮を実現。本稼働後、同社で導入している他社ストレージも含めてベンチマークテストを実施した結果、ETERNUS DX500 S3がトップでした。「今回、技術的なチャレンジとしてETERNUS DX500 S3のキャッシュ容量に関して最大の64GBを搭載しています。ディスクの書き込み読み込みをキャッシュメモリでカバーすることで、遅いディスクへのレスポンス性能向上を期待しました。検証を行った結果、仮想マシンからみたディスクの性能として、ニアラインSASディスクもSASディスクとほぼ同じ高い性能を実現していたことが特徴として挙げられます」。しかしもっと驚いたのは本番環境のOracle Databaseのパフォーマンス検証の結果でした。「大容量キャッシュの搭載でライトのキャッシュヒット率99.8%以上を実現(グラフ1)しレスポンスタイムは平均1ミリ秒以下(グラフ2)となっています。Oracle Databaseは多くの社員が日々の業務でアクセスするシステムですから、健全性をキープし業務のスピードアップに貢献できているのは大きなメリットとなります。バッチ処理時間も最終的に大幅な短縮が実現でき、ユーザーの待ち時間を減らすといった効率化も図れています」。
グラフ1.キャッシュヒット率
(本番環境のOracle Database:サーバー7台稼動中)
グラフ2.レスポンスタイム
(本番環境のOracle Database:サーバー7台稼動中)
運用面ではストレージシステム統合管理ソフトウェア ETERNUS SF Storage Cruiserにより、仮想マシンの作成工数が従来と比べて1/10以下になりました。「旧ストレージ管理ツールのユーザーインターフェースは複雑であり、作成時の手順や作成後のアクセス権付与などの作業手数が多かったことなどから、オペレーションミスにより大規模なシステム障害に繋がるリスクが多い環境でした。いまは安全かつ簡単に操作できるとスタッフから好評です」。
今回、1ラックの半分にすべて集約できたことでラック費用と電力使用量、保守費用の削減も図っています。
今後の展望について「新基幹システムの稼働当初は仮想マシンの数は70台程でしたが、仮想マシンの数は増え続けています。リソースは潤沢にあるため、さらなる仮想マシンの構築を検討しています。また性能アセスメントをすでに実施し、一層の安定稼働に向けた準備を進めています。富士通さん、富士通マーケティングさんには安定稼働の支援はもとより先進的な提案にも期待しています」と堤氏は話します。
世界中の人々に夢と感動あふれるエンタテインメントを提供するサミー。富士通はこれからも同社のチャレンジを先進技術と総合力で支援していきます。
左より
サミー株式会社 堤 友輔 氏
株式会社富士通マーケティング 相澤 壮、森本 均、佐々木 翔太郎
本社所在地 | 〒170-6029 東京都豊島区東池袋3丁目1番1号 |
---|---|
代表取締役社長 | 青木 茂 |
設立 | 1975年11月1日 |
資本金 | 18,221百万円 |
従業員数 | 1,336名(2015年4月1日現在) |
事業概要 | パチンコ遊技機、回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機の開発・製造・販売 |
ホームページ | ![]() http://www.sammy.co.jp/ ![]() |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。なお、社名敬称は省略させていただいております。
増え続ける様々なデータを、最適な投資で効率的に活用 お客様ビジネスのイノベーションを支える
ETERNUS DX series ハイブリッドストレージシステム