自社レディスファッションブランドを展開するハニーズ。同社は、レスポンスの向上、業務継続性の強化を目的に、富士通のストレージETERNUS+サーバ仮想化で基幹システムの基盤を刷新しました。2014年9月に本稼働後、ETERNUSの優れたディスク性能などによりレスポンスが最大10倍向上。在庫や販売などのデータ活用の迅速化を実現し、お客様対応やデータ分析のスピードアップを図っています。またETERNUSのOPC機能により高速バックアップとシステムトラブル時の迅速な復旧を実現。業務スピードの向上と業務継続性の強化で同社のさらなる成長を支えています。
(注)記載の店舗数は 2014年11月時点のものです。
[ 2015年6月17日掲載 ]
導入事例 株式会社ハニーズ様 (880 KB)(A4・2ページ)
国名 | 日本 |
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業種 | アパレル |
ハードウェア | FUJITSU Storage ETERNUS DX200 S3
FUJITSU Storage ETERNUS LT20 S2 FUJITSU Server PRIMERGY RX300 S8 |
「富士通のストレージは他システムでも利用しており、その信頼性の高さを評価していました。また富士通さんと富士テレコムさんの緊密な連携による迅速かつきめ細かいサポートは、基幹システムの安定稼働に大きな安心をもたらします」
導入前の課題 | 導入による効果 |
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佐藤 智宏 氏
株式会社ハニーズ
システム管理室
室長
流行に左右されるファッションビジネスは時間との闘いでもあります。GLACIER(グラシア)、CINEMA CLUB(シネマクラブ)、COLZA(コルザ)を核に自社レディスファッションブランドを展開するハニーズは、企画から販売までわずか40日の短納期生産を実現しています。驚異のリードタイムを可能にしているのは1978年の設立以来、培ってきた製造技術や企画ノウハウ、効率的な物流システム、海外生産拠点の拡大など独自のバリューチェーンです。
「高感度、高品質、リーズナブルプライス」をキーコンセプトとして掲げる同社は、現在、日本全国に853店舗、中国にも583店舗を展開中です。同社の成長にICTは欠かせません。
「消費税増税などにより厳しい経営環境が続く現在、情報システム部門にもICTを活用し売り上げに貢献することが求められています。迅速な情報提供により店舗での販売や商品企画を支援したり、売り場のスタッフが販売に集中できるように業務の効率化を図ったり、様々な取り組みを行っています」と、システム管理室 室長 佐藤智宏氏は話します。
同社において「経営に貢献するICT」のベースとなっているのが、2014年9月に稼働した新基幹システムです。発注から仕入れ、販売、在庫まで同社の事業を支える同システムの基盤の構築では「業務のスピードと質を高める」レスポンスの向上に加え、「業務を止めないシステム」の実現が重要なテーマとなりました。
近年、同社では店舗拡大に伴いデータ量が急増し、老朽化した他社製の既存基幹システムの基盤では対応が難しいというのが現状でした。「週末の売り上げなどのデータを各部署に提供する際の帳票の出力や、在庫照会などでアクセスが集中したときのレスポンスが遅い、アクセスしづらいといった声があがってきました。またサーバ台数の増加により運用負荷やコストの増大も課題となっていました」と、システム開発室 室長 江尻博信氏は振り返ります。
2013年末、既存基幹システムの基盤更新プロジェクトがスタート。同社は運用管理の効率化やTCO削減、高可用性を実現するために仮想化の活用という方向性を明確にしました。ベンダーの選定では性能、信頼性、サポートなど総合的な観点で、慎重に検討を重ねた結果、複数社の提案の中から富士通を選択しました。
採用理由について「各ベンダーに対し実績に基づくデータ量から算出したレスポンスなどの数値の提出を依頼し比較したところ、最も高い性能を実現していたのが富士通さんでした。富士通製のサーバやストレージは他のシステムでも利用しており、その信頼性の高さを評価していました。またシステムの導入や運用を支援していただいている富士テレコムさんと富士通さんの緊密な連携による迅速かつきめ細かいサポートは、基幹システムの安定稼働に大きな安心をもたらします」と佐藤氏は話します。
江尻氏は「富士通の採用理由の中で重要なポイントとなった機能があります。それは高速バックアップを実現するOPC (One Point Copy)です」と付け加えます。
江尻 博信 氏
株式会社ハニーズ
システム開発室
室長
同社では日本全国853店舗の1日の売り上げデータだけでも10万件程あるため、業務に影響を与えることなくバックアップをとることが重要な課題でした。OPCは、業務を停止させることなく、ある時点の業務ボリュームの全データを高速に複製ボリュームにコピーできます。新基幹システムの稼働後、OPCの導入効果を実感する出来事がありました。
「OSのパッチを適用したところ仮想のWebサーバが立ち上がらなくなったのですが、朝OPCでとっていた複製データを使って迅速に復旧できました。従来のようにテープに記録したバックアップのデータを使う場合、運搬やリストア(復元)、OSの再インストールなど1日は必要とする作業です。またOPCによりシステムトラブルのリスクを伴う計画停電やアップデートも安心して行えるようになりました」(佐藤氏)。
2014年3月、富士通の採用を決定し構築を開始。店舗に商品を送る物流センターが動いていない同年9月の3連休にシステムの移行を行いました。「仮想環境を使って様々なテストを実施し、その中でデータを移行するシミュレーションも行い、移行時間などを把握できたことは非常に有効でした」(江尻氏)。
新基幹システムは、仮想化ホストサーバに富士通のPCサーバPRIMERGY RX 300 S8を2台、仮想化ソフトウェアにVMwareを導入しSAN (Storage Area Network)により高性能、高信頼ストレージETERNUS DX200 S3を共有ディスクとして利用しています。OPCで1次バックアップをとり、富士通のETERNUS LT20 S2 テープライブラリを使って離れた場所でテープを保管し業務継続性を実現。またVMware HAを利用し物理サーバ故障時の可用性も高めています。
2014年9月に本稼働後、新基幹システムは安定稼働を続けています。またレスポンスの向上はユーザーの間で好評です。売り上げ分析や在庫確認などのためにデータベースにアクセスし必要な情報を得るのにこれまで3分かかっていたのが30秒になったという声も寄せられています。
「データベースのレスポンスはストレージのディスク性能が重要なポイントとなることから、ETERNUSの高性能の効果が大きいと考えています。店舗での迅速な情報活用はお客様サービスの向上に貢献し、データ分析のスピードアップは分析精度を高めるとともに従来、多くの時間を要することであきらめていた複雑なデータ分析も可能にします。またバッチ処理時間も2/3に短縮できました」(佐藤氏)。
運用管理面での効果について「11台の物理サーバを3台に集約できたことで運用業務の負荷が軽減され、他の業務を行う時間を創出できました。またハードウェアの保守費用や消費電力量の削減、ラック1本半分の省スペース化も図れました」と江尻氏は話します。
今後について「ETERNUS DX200 S3にはまだサーバ1台増設可能な共有ディスクポートが残っており、今後、既存物理サーバや新規システムの統合も進めていきます。今回、仮想化の導入は初めてでしたが、富士通さん、富士テレコムさんには設計段階からしっかりサポートしていただき、スムーズに仮想化を導入することができました。現在、オムニチャネル化を検討していますが、今後はサポートに加え、先進技術を活用した提案もお願いいたします」と佐藤氏は話します。
「お客様の声に真摯に応える」小売業の原点を大切に成長を続けるハニーズ。同社の歩みを富士通と富士テレコムはこれからも先進技術とサポート力を駆使し支援していきます。
(前方左から)株式会社ハニーズ 佐藤 智宏 氏、江尻 博信 氏
(後方左から)富士テレコム株式会社 鈴木 太、松崎 元
本社所在地 | 〒971-8141 福島県いわき市鹿島町走熊字七本松27-1 |
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代表取締役社長 | 江尻 義久 |
設立 | 1978(昭和53)年6月 |
資本金 | 35億66百万円 |
売上高 | 600億86百万円(2014年5月期連結実績) |
従業員数 | 6,049名(男子194名・女子5,855名)(2014年11月時点) |
事業内容 | 婦人服、身装小物、雑貨などの販売ならびに企画開発 |
ホームページ |
http://www.honeys.co.jp/ |
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