創業時より手がける精密時計部品
自動車部品製造を主要事業とする小松精機工作所は、グローバルに部品を供給するサプライヤーとして、有事の際、すぐにシステム復旧できるよう、データ保護を万全とすることが課題でした。富士通のパートナーであるソレキアは、小松精機工作所の要件を検討し、バックアップアプライアンス「ETERNUS BE50」を提案。従来は部署や社員で個別に実施していたバックアップを統合管理し、運用を自動化。さらに、重複排除・圧縮機能を活用した遠隔レプリケーションにより、効率的にデータ保護が行える点を評価し、社内とデータセンターに1台ずつ導入しました。
[ 2014年9月30日掲載 ]
導入事例 株式会社小松精機工作所様 (899 KB)(A4・2ページ)
国名 | 日本 |
---|---|
業種 | 製造 |
ハードウェア | FUJITSU Storage ETERNUS BE50 バックアップアプライアンス
FUJITSU Storage ETERNUS DX80 S2 ディスクストレージシステム FUJITSU Storage ETERNUS SN200 ファイバチャネルスイッチ FUJITSU Server PRIMERGY RX100 S7 PCサーバ FUJITSU Server PRIMERGY RX300 S7 PCサーバ |
「サーバ仮想化環境のデータ・アプリケーションの一括バックアップ、重複排除・圧縮機能を活用した効率的な遠隔レプリケーションなど、要件を満たすストレージ製品であることに加え、富士通・ソレキアによるサポートの安心感が採用の決め手になりました」
導入前の課題 | 導入による効果 |
---|---|
|
|
|
|
自動車は今や私たちの生活には欠かせません。小松精機工作所は、創業当時の腕時計部品製造における技術や経験を活かし、自動車部品製造事業を国内外に展開して大きく成長してきました。特に、ガソリンエンジン燃料噴射装置の先端に使われるオリフィスプレートについては、劇的に燃費を効率化させるプレス加工技術により、世界で30%以上のシェアを獲得しています。
ガソリンエンジン燃料噴射装置の先端に使われる「オリフィスプレート」
オリフィスプレートにされる微細斜め孔加工は、難易度が高い斜めにプレスで孔を開ける技術
「現状を甘受せず、積極的に外部と連携して新しいことに取り組んでいます」と、常務取締役 小松隆史氏。大学や研究機関との連携による新しい材料や加工技術の開発をはじめ、諏訪市や長野県との連携による地元の活性化、東北の県との連携による被災地への復興支援など、その活動は多岐にわたります。今の事業が未来永劫続くわけではない、地元が元気でないと会社も元気になれないなどがその理由です。
小松精機工作所は、1985年頃からICTシステムを業務に活用してきました。生産管理のためのPOP(Point of Production)システムにはじまり、品質管理、外部とのコミュニケーションなど、そのときどきのニーズに応じたシステムを導入しています。情報システム課は、一部をソレキアなど外部に依頼することはあるものの、社内システムの構築や運用を一手に担っています。
小松 隆史 氏
株式会社小松精機工作所
常務取締役
山田 修 氏
株式会社小松精機工作所
研究開発部 情報システム課
副主任
小松精機工作所では、これまで部署や社員ごとに個別にバックアップを行っている状態でした。「データを効率的にバックアップしたい」「有事の際にすぐにシステムを復旧したい」。そのためには、バックアップを統合管理すると共に、遠隔地にも保管する必要がありました。 研究開発部 情報システム課 副主任 山田修氏は、ETERNUS BE50の選定ポイントとして、「サーバ仮想化環境のデータ・アプリケーションを丸ごとバックアップできることが大きい」と話しています。その他にも、増え続ける大量のデータを重複排除・圧縮機能によりコンパクトにして格納、遠隔地に転送するためのレプリケーション機能を備えていること、導入や設定が簡単であるオールインワン装置であることなどを挙げています。
本システムの遠隔地バックアップ先は、コスト、機能、歴史的および地質的に安全な場所などを理由に、浅間山麓にある長野県パトロールデータセンターのハウジングサービスに決定。ETERNUS BE50は社内とデータセンターに1台ずつ設置し、ベストエフォート型回線で接続されています。社内のETERNUS BE50にバックアップした後、データセンターに重複排除・圧縮済みのデータが送られます。
バックアップの頻度は1日1回、明け方から開始し、午前中にはデータセンターへの転送が完了します。小松氏は、「おそらく現場のスタッフはバックアップに気づいていないでしょう。ユーザーに意識させずに自動で行われ、有事にはデータを復旧できる。バックアップ環境として理想的と言えます」と業務には影響が及ばないことを評価します。 2013年10月の本格稼働後、トラブルは発生していません。自動バックアップなので、情報システム課への作業負荷はほとんどありません。ソレキアの担当SEとは連絡を密にし、十分なサポートを受けています。「『近くにいること』のメリットは大きいです。距離が近いと安心感もあります。外部の業者はその点も考慮して選定します」と、山田氏は言います。
「本来の目的とは異なりますが、稼働後何回かユーザーが間違えて削除したり上書きしたりしたデータを復旧しました。1週間以上前のデータでもバックアップの履歴から簡単に復旧が可能です。その経験から、いざというときもすぐに復旧できるだろうと考えていますが、このシステムが真価を発揮するような災害は起こってほしくないですね」(山田氏)。
サーバ仮想化環境 システム概要図
事業をグローバル展開している小松精機工作所はタイにも工場を構えています。小松氏は、今後の展望として海外拠点との連携と品質トレーサビリティの実現を挙げます。 「将来的に、タイ工場での作業を急遽日本に移行することやその逆もあるかもしれません。タイ工場へのクレームが日本に回ってくることもあります。そのような問題に対応するためにタイ工場と連携してデータを共有する必要性を感じています」(小松氏)。
品質トレーサビリティは、製造業界で近年注目を集めています。製品を製造する機械は設定値やプログラムを日々変更します。製品の品質を確保するには、何月何日に、どの機械で、どのような設定値やプログラムで製造した製品かを追跡できなければなりません。クレームの原因を探るときも同様です。
「品質トレーサビリティを実現するには、設定値やプログラムの変更履歴を記録し、管理する必要があります。そうなると、ビッグデータ並みの膨大な量のデータを保持しなければなりません。しかし、品質トレーサビリティはいずれ必須になると考えられており、いち早く実現することが競争力にも営業力にもつながります。現在は、エリアを限定して取り組み始めていますが、全社的に実現できるか検討を続けていきます」(小松氏)。
より良い製品およびビジネス環境を実現するべく、積極的に課題に取り組み、改善を進めていく小松精機工作所。ソレキアおよび富士通は、長年の経験で培った技術力とサポート力をもって、その取り組みを全面的に支援していきます。
(手前左から)株式会社小松精機工作所 山田 修 氏、小松 隆史 氏
(後列左から)ソレキア株式会社 藤森 祥登、山崎 晃、小泉 大輔、山岸 淳
株式会社小松精機工作所様とは30年来のお付き合いです。
主にインフラ周りのシステム構築をお手伝いさせていただいています。
今回は、ETERNUS BE50により、効率的にデータをバックアップし、災害時には簡単かつ短時間で復旧できるシステムを提案し、採用していただきました。
BCPの観点からは、回線やネットワークでのトラブル対応や復旧の短縮化という課題もあるかと思います。そちらを踏まえた「本当に止まらないシステム」、そして海外拠点との連携および品質トレーサビリティの実現に関して、今後もご一緒に考えていければ幸いです。
手間のかからないバックアップシステムの構築および運用のサポートに関して評価していただき、誠に光栄です。また、小松精機工作所様の近くですぐに対応できると「安心感が得られる」との言葉は本当に嬉しく感じました。
BCP対策の強化に関しては、まずは通信サーバ、ファイルサーバ、データベースサーバなど重要なサーバを優先的に復旧できるように対応することが可能かと思います。その他の課題についてもさらなる提案をさせていただきたいです。
所在地(本社) | 〒392-0012 長野県諏訪市大字四賀桑原942-2 |
---|---|
代表取締役社長 | 小松 誠 |
創立 | 1953(昭和28)年6月1日 |
資本金 | 9,750万円 |
従業員数 | 230名(2014年8月現在) |
事業内容 | 精密プレス部品一貫製造、各種精密機械部品製造、難削材の切削・研削加工 |
ホームページ | ![]() http://www.komatsuseiki.co.jp/ ![]() |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。なお、社名敬称は省略させていただいております。
ETERNUS BE50 バックアップアプライアンス
バックアップ要件に特化したオールインワンスタイルのストレージ