ヨーロッパ、中東、アフリカ、インドの主要市場で事業展開している富士通テクノロジー・ソリューションズは、Microsoft Exchangeのメールデータや1万3000人以上の従業員が利用するSAPデータに対するデータ保護をはじめ、事業継続を意識した盤石なICT基盤を必要としていました。投資の最適化を促すETERNUS DX440 S2の社内実践導入により、大幅な保守費用削減を実現しました。
2012年7月31日掲載
国名 | ![]() |
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業種 | ITインフラストラクチャー・プロバイダー |
ハードウェア | ETERNUS DX440 S2 ディスクアレイ
Net App社Vシリーズ(ETERNUS NR1000V series NASゲートウェイ) |
「コスト効率と拡張性に優れたETERNUS DX440 S2は高可用性を重視する自社データセンター内の中枢を担っています。事業継続の観点からもデータ保護に最適なストレージシステムです」。
富士通テクノロジー・ソリューションズ(ドイツ) CIO ベンノ・ツォルナー (Benno Zollner)
富士通テクノロジー・ソリューションズ(以下、FTS)のアウクスブルクは、開発、生産、物流の拠点として、最高の冗長性と99.999パーセントの高可用性を達成するために作られました。そのため、この課題に対応できる高性能・高信頼なストレージシステムを必要としていました。
導入前の課題 | 導入による効果 | |
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富士通グローバルグループ傘下でありドイツ・アウクスブルクを拠点とするFTSは、1万3000人以上の従業員を擁し、ヨーロッパ、中東、アフリカ、インドといった主要市場に法人向けサービスやSAPといったアプリケーションを提供しています。
例えば、FTSでは2万個のMicrosoft Exchangeのメールボックスを扱っています。これまで、顧客、パートナー企業、従業員とのやり取りには主にEメールが使用され、従業員によって1日に40万件以上のメールが送受信されています。そのため、Microsoft Exchangeメールデータと全従業員が利用するSAPデータへの高速アクセスとデータ保護の連携が必要性に迫られていたのです。
「我々にとってExchangeのデータを安全に保護することは、法令順守の観点からだけではなく、事業継続の意味でも必要なことだったのです」とCIOであるベンノ・ツォルナーは語ります。
「メールデータやSAPデータを取り扱うには、拡張性に優れた高信頼なストレージシステムが必要です」と富士通のITガバナンスとITインフラストラクチャーの責任者であるロバート・マイヤー(Robert Mayer)もCIOと同意見でした。
「ETERNUS DX ディスクアレイは、冗長化されたコンポーネント、RAIDによるデータ保護、RAIDの冗長性を維持したまま予防交換が可能なリダンダント・コピーといった機能で、このようなニーズにも的確に対応します」。リダンダント・コピーは恒久的にエラーしきい値を監視することで、自動的にディスク予防保守を行う機能です。さらに、ETERNUS DX ディスクアレイに内蔵された「データ・ブロックガード」機能は、すべてのデータブロックにチェックコードを付与し、データ伝送路にある複数のポイントでデータの整合性を確認・保証する機能です。
「このようにストレージシステム自体がデータ保護能力を備えていることで、当社のITチームに安心感をあたえるだけでなく、管理工数も軽減されました」とマイヤーは語ります。
「全体的に見て、データ保護は明らかに強化されました」とマイヤーは語ります。「システムを数分で複製できるようになり、SAP環境下での運用性が向上しました。さらに、目標復旧時間(RTO: Recover Time Objective)、つまり、業務中断後に業務プロセスが復旧するまでの時間が以前よりも3倍速くなりました」。
いくつものデータ保護機能や予防保守機能を備えるETERNUS DX440 S2の導入により、高額な保守費用が削減され、データセンターにおける経費は全体で年27万ユーロ削減されました。「当社の投資収益率はすでに初年度で達成しました。ただ、計算上ではこの予測に電力の削減は含まれていないので、設備稼働率はさらに良くなると思います」とマイヤーは評価します。これはETERNUS DX440 S2が高効率PSU(Power Supply Unit:電源ユニット)と2.5インチSASディスクドライブの採用の結果によるものです。また、ETERNUS DX440 S2は高い拡張性も備えているため、増え続けるストレージ需要にも柔軟に対応できます。
現在、それぞれのETERNUS DX440 S2にSAPデータ用として約85TBのストレージ容量が使用され、その他にMicrosoft Exchangeデータ用として140TBが必要とされています。今のところ624本のSASディスクドライブを搭載したディスクアレイに225TBの容量が割り当てられています。ETERNUS DX440 S2は2.5インチのハードディスクドライブを960本まで拡張でき、業務を中断することなく容易にドライブ追加が可能です。「結果として、我々のシステムはよりフレキシブルになりました」。
「ETERNUS DXと、NetApp社のVシリーズ(注1)は、ストレージ仮想化を担い、かつ継続的な可用性を実現するソフトウェアMetroClusterに不可欠な製品です。また、Data ONTAP®(注2)の各種機能により一連のコスト削減が可能になりました」とITアーキテクトの一人で、このプロジェクトプランニングの責任者ダニエル・グル(Daniel Gull)は説明します。
ソリューションの例をいくつか挙げると、最小限のストレージ容量でデータを保護することができるSnapshot、災害復旧を低コストで実現するSnapMirror®、データの増殖を制御する重複排除機能などです。必要に応じて、複数のストレージシステムに接続し、容量を一つの仮想ストレージプールにまとめることもできます。「NetApp社のVシリーズはNFS/CIFSプロトコル経由でデータを取り扱い、そのデータをETERNUS DX上に格納できるので、フレキシブルなデータアクセスが可能です。つまり全データを最適な形で一つのシステムに統合できるのです」とグルは強調します。
このように、NetApp社と富士通の強力なコラボレーションで最適なソリューションを提供し、お客様のシステムを支えています。
(注1)国内ではETERNUS NR1000V series(NetApp社VシリーズのOEM製品)として提供しています
(注2)柔軟な管理と高い可用性を実現するためにファイルサーバに特化した専用OS
ETERNUS DX ディスクアレイのミッドレンジおよびエンタープライズモデルは他社の同クラスの中でもエネルギー消費効率が高い製品です。その効率の良さとともに富士通は真のグリーンIT製品を生み出しました。それがETERNUS DXがサポートする「エコモード」です。エコモードとは、アクセスされる時間が限られているディスクに対し、一定期間ディスク回転を停止させ、消費電力を削減する機能です。このように、ETERNUS DX440 S2はグリーンにおいてもIT基盤に不可欠な製品なのです。
「私たちはグリーンデータセンターというビジョンに向けて、大変な努力をしました。空調技術に関しても、効率的かつ最先端のシステムだけを導入し、グリーン ITの基本理念に最も適した形で個々の製品を統合できるようにしました」とメイヤーは思いを語ります。
FTSの工場施設はデモデータセンターとして、サーバプールから、バックアッププールまで盤石な基盤を確立しています。
所在地 | Mies-van-der-Rohe-Strase 8
Munchen Germany 80807 |
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URL | http://www.fujitsu.com/fts/![]() |
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