「サーバやストレージの標準化・プール化により新システム構築の要求に即応でき、攻めのコンテンツサービスで他社に先行。さらにSAN環境の統合で、運用効率・安全性も飛躍的に向上しました」
2007年4月20日掲載/ 印刷用 PDF版ダウンロード (1.40 MB )
導入事例概要 | |
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業種: | インターネットサービス事業者 |
ソリューション: | ストレージソリューション |
製品: | ETERNUS6000 ディスクアレイ
ETERNUS SN200 モデル540, モデル480 ファイバチャネルスイッチ Softek Storage Cruiser (現ETERNUS SF Storage Cruiser) |
いま、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に求められるのは何よりも「スピード」。ユーザのアクセス・利用回数増のためには、人気コンテンツを先取りし、その使い勝手の良サービスを、次々と展開するパワーが不可欠です。「@nifty」で広く知られ、音楽配信「MOOCS」や「ココログ」など高い人気のサービスで業界の先頭集団を走るニフティ株式会社は、急速なデータ増大に対応、データ保持における安定性を備え、さらにシンプルな運用とコンパクトなデータセンターを両立させるストレージ、富士通ETERNUS(エターナス)シリーズを導入。業界が注目するスピーディーかつ、安全で安定なサービスを提供しています。
導入前の課題 | 導入による効果 | |
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新規サービス展開のためのシステム設計・構築に約1ヵ月かかっていた。 | ![]() |
標準化とプール化により、システム構築要求に対して1週間で対応可能になった。 |
サービスごとに設置するサーバ群それぞれにストレージリソースを必要とし運用が非効率だった。 | ![]() |
どのサーバからでも統合したストレージにアクセスが可能となり、ストレージリソースの割り当てが効率的になった。 |
サーバとストレージの群ごとに個々に行われる煩雑なバックアップ作業を効率化し、お客様のデータバックアップをより安全に行いたい。 | ![]() |
ETERNUSの高速コピー機能とバックアップ一元化で作業の効率と安全性が大幅に向上した。 |
お客様のライフパートナーでありたいという思いを「With Us, You Can.」というキャッチフレーズに込められ、より付加価値の高いさまざまなサービスの提供に力を入れている同社。ISPとしてさらに飛躍し、競争に勝ち残っていくためには、求められるコンテンツメニューをスピーディーに提供していかなければなりません。サイトを訪れたユーザのニーズにいち早く応え、使い勝手の良いコンテンツを取り揃えたISPがお客様利用回数を増やし、課金収益、広告収益を上げていくのです。
とりわけお客様利用回数が増加するのはコミュニティーサイト系、動画配信系です。同社センター部部長 蔵原寛氏は次のように語ります。「私どもセンター部の役割は、各コンテンツの制作担当エンジニアが求める新規サービス展開用システムの設計・構築。以前はオーダーから3ヵ月を要していましたが、最近では遅くとも1ヵ月、早いときには1週間で新システムを構築するスピードを求められています」。
同社は業績目標の一つとして「アクセス数(ページビュー)にして現在の10倍」(蔵原氏)を掲げています。多様なコンテンツの展開で、年に1千台強ものサーバを導入しているのです。蔵原氏は次のようにも語っています。「かつてお客様の快適の基準はクリックしてから画面が出始めるまでが3秒でしたが、ニフティとしては今や1秒をルールと決め、更なる高速化に取り組んでおります」。もちろん、これら質の高いサービスが安全、安心の上に成り立つことはいうまでもありません。
2004年から、同社と富士通はスピーディーで安心・安全なサーバシステムの設計と構築作業に取りかかりました。
第1のステージでは、急速な勢いで増大するデータに対応するため、安全かつ迅速にSAN環境の統合が図られました。バラバラのSAN環境ではデータ容量増大に伴いサーバ数が右上がりに増えてしまいコスト増になり、システムも複雑化してしまうからです。
つづく第2ステージでは、システムの標準化とプール化、そしてこれらに対応したストレージの統合化でした。つまりコンテンツごとに少しずつ異なる要求スペックに対して柔軟に対応するようシステムを標準化し、あらかじめ用意(プール)しておこうとの考え方によって設計が始まったのです。
同社センター部 上野貴也氏は次のように語ります。「標準化したうえでプールしたストレージを用意できれば、新規システム構築の要求に即対応でき、他社サービスに先行できます。同時にストレージを統合的に運用することによりコスト効率もよく、さらに安定、安全なシステムとして運用できることがわかりました」。
「富士通に決めた最大の理由は、将来の成長やリスクを見据えた提案をいただいたこと、そして万全のサポート体制です」。蔵原氏は富士通ETERNUSシリーズ導入の理由をこのように語っています。
稼働するほとんどのサーバがETERNUS6000に接続され、ETERNUS SN200 モデル540、モデル480 ファイバチャネルスイッチ および 統合管理ソフトウェア Softek Storage Cruiserにより、バラバラだったSAN環境を統合。また拡張の規模に応じてアクセス性能の最適化を図るため、ETERNUS6000 モデル700を選定した。2006年1月にはすべての統合作業を完了し、運用が開始されました。
従来はSAN環境ごとに行われていたバックアップ運用を統合・一元化。効率的なバックアップのために、Disk to Tape方式のバックアップをDisk to Disk to Tape方式に置き換えています。さらにETERNUSの持つ高速コピー機能OPCを導入し、一次バックアップ先に大容量で安価なニアラインFCディスクドライブを採用し、コストバランスを図っています。
システム導入に際してはお客様への影響がないよう、事前に徹底した性能検証を実施。さらに富士通の検証センターを活用しリハーサルを繰り返すなど万全の態勢を組んでシステム移行に取り組みました。
ETERNUS6000を中心としたシリーズを導入し、標準化とプール化態勢を整えることにより、新システム増設期間は、1ヵ月から1週間に大幅短縮。また、ストレージ環境の統合で、どのサーバからでもストレージリソースを迅速に割り当てられるようになり、効率的なストレージ運用が実現しました。上野氏は次のように語っています。「従来は、個々のサービス用サーバ群ごとにストレージリソースを必要としていましたが、統合化によりサーバやストレージを機能的に構築できるため、高機能でコンパクトなデータセンター構築の構想も生まれてきました」。
また、ストレージの統合化は運用面のシンプル化ももたらしました。保守・運用面を担当する同社センター部 遠藤秀平氏はこう語ります。「お客様からのアクセスが増えるにしたがって、ストレージのキャパシティが気になっていましたが、ETERNUS6000は設定箇所が集約され、運用の標準化が行えました。それによる迅速化と確実性の向上が実現できました」。
同社は第3ステージへの準備も着々と進めています。例えば、今回SAN統合させたインフラを遠隔地のデータセンターに接続して災害対策環境を構築する計画もその一つです。インフラを統合的に活用、ETERNUSのリモートコピー機能と併せることで、これまでの災害対策と比べ管理効率は飛躍的に高まります。さらに、ストレージ環境をさらに大きなスケールから統合し、効率運用を可能にする仮想スイッチ「VS900」の導入計画も進んでいます。「仮想化スイッチによりシステム増設時間は1日に短縮化するでしょう。キラーコンテンツを矢継ぎ早に繰り出し、先行できます」(蔵原氏)。
富士通ETERNUSシリーズは、ISP企業の基礎である安全・安心をベースから支え、よりスピーディーなコンテンツ提供を実現するかなめの技術として高く評価されています。
本社 | 〒140-8544 東京都品川区南大井6-26-1 大森ベルポートA館 |
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資本金 | 37億4677万9000円(2006年12月7日現在) |
従業員数 | 569名(2007年3月31日現在) |
事業概要 | 個人向事業としてインターネットプロバイダーサービス、インターネット広告、コンテンツの企画、製作、販売。法人向事業として、インターネット接続、ホスティング、各種アウトソーシング、広告サービス。
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URL | http://www.nifty.com/ |
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