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Fujitsu

Japan

イギリス貿易産業省(DTI)様 導入事例

Eメールのデータを鮮度に応じて最適管理
サービス性、運用性を向上したETERNUSアーカイブ・ソリューション

業種:官公庁
ソリューション:Eメール・アーカイブ・ソリューション
ハードウェア :ETERNUSディスクアレイファイバチャネルスイッチ、PRIMERGY TX300
ソフトウェア :Symantec Enterprise Vault


掲載日:2006年8月8日


導入前の課題   導入後の効果
  • 増大し続けるEメールの管理に悩まされていた。
  • データは異なる環境に異なる方法で保存・管理され、運用性に課題がある。
  • 利用者から保存データの迅速なアクセス要求、トラブルの際のサービスへの影響も不安。
 
  • 拡張性に優れるディスクアレイの導入と、保存ポリシーにもとづくデータの自動アーカイブにより解消。
  • SAN対応ディスクアレイへの統合管理により運用性を向上。
  • システムの可用性を高めたことで、サービス性と生産性を向上。

「SANによるEメール・アーカイブ・ソリューションは付加価値の高いサービスの最も良い例といえます。富士通は問題を明確にし、我々のビジネスニーズに合った最適なソリューションを提案してくれました。」

― イギリス貿易産業省(DTI: Department of Trade and Industry) (以下、敬称略)
情報通信技術担当(ICT: Information-Communication Technology) ディレクター ポール・レイノルズ氏

導入の背景


データ量の急増への対応、サービス向上にむけて新システムを検討


DTIはビジネスのサポート、公正な市場の保証、そして先端の科学と革新を推進することによって現代イギリスの安定した成長と生産性を実現するイギリスの政府機関です。

DTIは1998年に富士通と10年間の契約を結び、以降2014年まで延長されています。その契約のもと富士通はDTIのIT資産と関連サービスの所有権を保有し、オペレーションの最適化を担当しています。

DTIの情報通信技術担当ディレクターであるポール・レイノルズ氏は次のように語ります。「他の多くの企業や組織と同じように私たちも増え続けるEメールに悩まされており、ついには3テラバイト以上にまでなっていました。
DTIでは業務上、機関外の人と連携することが多く、Eメールの情報が非常に重要であるため、全てのスタッフに全ての情報をアクセス可能にする情報公開(FOI: Freedom of Information)の必要がありましたが、実際は異なる環境に異なる方法で保存されていたため、迅速にアクセスしたいというニーズがありました。また、一括管理されていないということは、業務に悪影響を及ぼす危険性が高いため、いかなる理由からサーバ不良や電源異常がおきて、サービスが停止してもおかしくないという不安も抱えていました。」

導入のポイント


豊富な実績からシステムの短期構築、コスト削減が実証されていた


これらの要求に応える為、DTIは新たにEメールのアーカイブと削除ポリシーを強化し、情報の検索性とデータ保存コストを改善してくれる数多くのソリューションを検討しました。
そして富士通の提案により、ストレージエリアネットワーク(SAN)とSymantecのソフトウェアEnterprise Vaultを使用したアーカイブ・ソリューションの導入を決めました。

「初めてEnterprise Vaultを試した時、そのトレーニング量の多さに不安を感じました。しかし富士通には 『これは難しいので他の方法を試そう』と言うだけの柔軟性がありました。Enterprise Vaultの知識から、富士通は特にスキルを必要としないユーザーインターフェースを迅速に提案し、DTIのExchange Eメールシステムに統合したのです。」(ポール・レイノルズ氏)

ストレージの選択は市場での評価の結果、最もコストパフォーマンスが高いという理由からSAN対応のETERNUS ディスクアレイを選びました。
富士通のTRIOLEを構成する要素であるETERNUSは豊富な導入実績とその検証からシステムに必要な機器(雛形)が体系化されており、構築期間の短縮とコストの大幅な削減が実証されていることもポイントでした。
そして、富士通は北部と南部のデータセンターにわずか6週間でSANを構築しました。

「SANの構築、データの移行は迅速に行われました。技術的なことは全く目にしませんでしたが、何百万ものEメールが私たちスタッフに影響を与えることなく同期化、変換、照合されて2つのデータセンターに一度に移行されるなんて、本当にすばらしいと思いました。これは本当に有効なデータ移行技術です。」(ポール・レイノルズ氏)

システム概要


情報の鮮度やポリシーにもとづき、保存データを自動アーカイブ


DTIの計画したEメール・マネジメント・ポリシーは、90日間はEメールをMicrosoft Exchangeサーバに残し、その後はユーザーがEnterprise Vaultシステムに保存するというものでした。
そして1年が経過すると、EメールはDTIの現行のElectronic Document Records Management(EDRM)システムに長期保存されます。これら3つの保管場所に保存されなかったEメールは自動的に削除されます。

ポリシー設定は2005年11月に行われる予定になっていたため、DTIは2005年6月からユーザーを教育し、不要なEメールの削除とEDRMへの移動を始めました。

「まずは大容量を使用するユーザーを対象に、使用制限を厳しくすることなく、重要度の低い情報から始めました。また、古いグループとユーザーを削除することで5,000ほどのアカウントと関連データを処分することができました。その後徐々に使用制限を厳しくし、情報を整理しました。EDRMシステムの使用が急激に増えたことから、この教育がうまくいったということが分かりました。
このような検証からほとんど問題がないと判断でき、全体移行に踏み切りました。その間、私たちはほとんど不具合などの連絡を受けませんでしたし、問題があっても大きなものではなく素早く解決することができました。」(ポール・レイノルズ氏)

導入効果


付加価値の高いサービスと、コストと効率の点で多くの利益をもたらす


このプロジェクトはDTIとの契約上富士通が費用を負担していますが、コスト、効率の点で多くの利益をDTIに提供してくれました。

  • データマネジメントの効率化:データとユーザーアカウントの増加を積極的に制御し、企業の価値ある情報とノウハウを一括管理。
  • 生産性の向上:現在、過去における全てのデータへの迅速なアクセス。
  • リスクの削減:サーバ、ストレージが独立したことで負荷が軽減され、故障の際の素早いリカバリーが可能に。
    データはオフサイトでの確実な管理により安全性、業務の継続性が向上し、災害への対応も万全。
  • 法規制への対応:新しいプロセスで情報公開とデータ保護の規制対応を強化。
  • ビジネスイメージの向上:先端技術の使用でDTIのリーダーとしての役割を強化。

「富士通が開発したSAN環境でのEメール・アーカイブ・ソリューションは、付加価値の高いサービスの最も良い例の一つだと思います。富士通はEメールの増加を管理する契約にはなっていませんでしたので、管理上の対策をとらず、システム不良が起きても何もせずにいることもできました。
しかし富士通は問題を明確にし、解決策を見つけてそれを私たちのビジネスニーズに合わせた形で提供してくれました。その結果、今ではEメールのデータを上手く管理し、情報公開の要求にもスムーズに応えることができるようになりました。」(ポール・レイノルズ氏)

今後の展望


多くのことが、より簡単に行えるようにする


富士通は30年以上に渡りお客様のニーズにお応えし、コスト削減、生産性と顧客サービスの向上、高い投資対効果を実現する複合システムとマネジメントサービスの提供に確かな実績があります。

「SANソリューションの開発は、ビジネス上の問題点を明確にし、適切で有効なソリューションを見出すことを我々が共同して行ってはじめて成功するものだと思います。富士通は私たちの業務を理解し、私たちは富士通の技術を理解しました。そして強い団結力とプロジェクトマネジメントでこのソリューションを成功させたのです」(ポール・レイノルズ氏)

現在DTIの総スタッフ5,500人がSANによるEメール・アーカイブ・ソリューションを使用しており、DTIはMicrosoft Exchangeサーバに保管されているデータ量をさらに削減することを検討しています。

「データへのアクセスはいまやすばらしく、ほぼ瞬間的にアクセスできるようになりました。そして現在私たちはExchangeサーバでのEメールの保存期間を30日まで短縮したいと考えています。そうすることによりシステムのコストはさらに削減され、リカバリータイムも短縮し、多くのことがより簡単に行えるようになると思います。
富士通がはじめにSANの使用を提案してきた時、私たちには懸念もありました。SAN導入に関わる失敗談をいくつか耳にしたからです。しかし様々な条件や時間的制約にもかかわらず富士通はSANを提案し、それが有効であることを示しました。とてもシンプルで分かり易く、今では私はSANの支持者になりました。他の企業や組織、部門でも導入すべきだと思います。
このようにシームレスに統合されたSANストレージのEメール・アーカイブ・ソリューションの導入は政府では今回が初めてですが、他の政府部門もこのソリューションを検討していると思います。」(ポール・レイノルズ氏)

お客様概要


イギリス貿易産業省


事業概要(任務): 貿易、ビジネス、雇用、消費、科学とエネルギーを担当する政府機関。グローバル化を推進し、助成金や情報などの提供による事業支援を通じてビジネスの生産性と競争力の向上、雇用の拡大、新しいアイデアの育成を行い、イギリス経済の成長をサポートしています。



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