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Fujitsu

Japan

三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所様 導入事例

部門ファイルサーバのデータをETERNUSに統合
災害復旧を考慮した確実なデータ保全と管理コストの削減を実現

業種:機械業
ソリューション:ストレージ統合システム
ハードウェア :ETERNUS NR1000 F520,ETERNUS NR1000 R200
ソフトウェア :Softek Storage Manager(現:ETERNUS SF Disk Space Monitor)

掲載日:2005年2月8日 (取材日:2004年11月30日)

印刷対応版 (104 KB)


導入前の課題   導入後の効果
  • 増大する業務データを確実に格納できる環境を、適切なコストで構築すること
  • システム障害や災害から業務データを守り、万一の場合には迅速に復旧すること
  • 事業所全体での情報漏洩対策のため、データへのアクセス制限を強化すること
 
  • 表計算やプレゼンテーション・ファイルなど部門ファイルサーバのオフィス業務データをNASに集約し、運用が容易になり管理コストも削減
  • Snapshot機能により消失データを短時間で復旧
  • SnapVault機能により、災害復旧を考慮した遠隔地バックアップ環境を低コストに実現
  • NASへのデータ集約とシステム部門によるアクセス制限の集中管理で、セキュリティホールの発生を防止

「散在するファイルサーバをETERNUS NR1000に統合し、ファイルサーバの利便性向上とともに災害復旧を考慮したデータ保全環境を実現できました」

三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所様(以下、敬称略)では、加速度的に増加する業務データの効率的な管理が課題となっていました。従来は各部門のファイルサーバでデータを保存していたため、バックアップなどの運用業務が部門サーバ管理者の負担になっていました。また、障害に備えたデータ保護などセキュリティ対策を強化したいと考えていました。

そこで、同製作所では、富士通のストレージシステムETERNUS NR1000 F520, ETERNUS NR1000 R200を導入。データ量急増に対応すると同時に、運用業務効率化・確実なデータ保全・情報漏洩防止などを実現しています。

導入の背景


データ量の急増に伴いストレージ統合に着手


三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所は、航空機や宇宙機器の製作を行う事業部門です。1920年の設立以来、長年培ってきた高度な技術力が同製作所の大きな強みとなっています。近年の航空機開発では、国内外の先端企業とのグローバルな共同作業が求められます。また、コストやスピードに対する要求も、年を追う毎に厳しさを増しています。

同製作所 情報・技術管理部長 榎本 清志氏は「こうしたニーズに応えていくためには、先進的な業務環境が不可欠です。我々IT部門としても、より効率的に業務を行えるよう、全力で支援していきます」と語ります。


同製作所がITインフラの整備を進めていく上では、様々な課題がありました。同製作所 情報・技術管理部 管理システム課長 渡辺 光浩氏は「業務のIT化が進むにつれて、所内のデータ量が急増してきました。また、従来は各部門のファイルサーバにデータを蓄積していたため、データのバックアップが現場任せになっており、データ保全の面で問題がありました。また、事業所全体での情報漏洩対策としてデータの一元管理や集中管理などセキュリティ強化も考えていました」と説明します。

このような課題を解決すべく、同製作所ではSAN [注1] によるストレージ統合を実施したのですが、その後もデータ量の増大が続いたため、ストレージ環境をさらに強化する必要に迫られました。「容量増設だけでなく、まだSANに統合されていない部門ファイルサーバをSANに統合するのが製作所全体として効果的かという検討課題もあり、新たにNAS [注2] の導入を考えたわけです」と渡辺氏は語ります。

[注1] SAN:Storage Area Networkの略。サーバとストレージ間で高速にデータ伝送を行うネットワーク

[注2] NAS:Network Attached Storageの略。ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ専用機

導入のポイント


適用業務に合わせてSANとNASを使い分ける


渡辺氏はNAS導入を検討した経緯について、「表計算やプレゼンテーション・ファイルなどを、SAN上に保存する必要があるのか。こうしたオフィス業務のデータはNASに蓄積した方が、コスト面でも容量追加への対応の面でも有利なはずです」と説明します。

同製作所 情報・技術管理部 管理システム課 主任チーム統括 松広 誠氏も「SANを導入した当時は適当なNAS製品がなかったこともあり、アプリケーションサーバとファイルサーバでSANを共用する形を取りました。ところが、現在ではNAS製品の高機能化と低価格化が進んでいます。そこで、アプリケーションサーバからアクセスするデータはアクセス頻度が高いのでSANに統合し、ファイルサーバはNASという具合に、適用業務によって使い分けるのがベストだろうと考えたのです」と続けます。


また、バックアップ業務を効率化し、データの保全性を向上させる必要もありました。これまでのようなテープ装置へのバックアップではなく、離れた場所に設置したディスクアレイ装置への自動バックアップを行うことで、これらの課題を一挙に解決することを狙ったのです。「テープへのバックアップには多くの工数と時間を要しますが、ディスクアレイ間での自動バックアップなら大幅に効率化できます。バックアップ用ディスクアレイを耐震性の高いデータセンターに設置すれば、重要な業務データを確実に保全することができ、万一の災害時にも容易に復旧できるので安心です」(渡辺氏)。

ここで選ばれたのが、富士通のストレージシステムETERNUSです。同製作所 情報・技術管理部 管理システム課 松野 寿栄氏は、ETERNUSを選択した理由を「約4,000名の利用者からのアクセス集中に対応できる高性能と、24時間連続稼働に耐えうる高信頼性、それに高速回線でなくてもリモートバックアップ環境が実現できるなどの点を評価しました。他社のNAS製品も比較検討しましたが、性能・信頼性の面で ETERNUSをしのぐものはありませんでした」と語ります。

システム概要


遠隔地への自動バックアップをコストの安い低速回線で実現


現在は同製作所の事業所内に「ETERNUS NR1000 F520」を、堅牢なファシリティを備えたデータセンターに「ETERNUS NR1000 R200」を設置。事業所とデータセンター間を専用回線で結んでいます。

「システム構築にあたって一番気がかりだったのが、事業所とデータセンター間の回線速度でした。大容量データのバックアップのためとはいえ、高価な高速回線では全体としてコスト増になるからです。ETERNUSでは1.5Mbit/sの低速回線で遠隔地バックアップ機能『SnapVault』を使用した事例もあり、安心して導入できました」と松野氏は振り返ります。

「事業所内でも『Snapshot』によりローカルバックアップを取っていますので、人為的なミスでデータを消去したり、障害が発生した場合も、すぐに復旧することができ、サービスレベルが向上しました」と、松広氏はETERNUSのメリットを紹介します。

各部門に対する容量割り当てでは、これまでの使用状況をベースに「Quota機能」により適切に配分。ストレージ管理ソフトウェアSoftek Storage Managerにより利用状況を把握して、容量アップのための計画を立てています。

ETERNUS NR1000 F520とETERNUS NR1000 R200を導入したことで、事業所全体のデータ保全が確実になってサービスレベルが向上し、部門サーバの管理者はバックアップ業務が不要になりました。しかも、ファイルサーバ統合によって実現したファイルアクセス制限の集中管理によって、ファイルへのアクセスが漏れなく管理できるようになり、 ETERNUS自体のセキュリティの高さとあわせて、セキュリティホール対策が強化されました。また、ETERNUS NR1000 F520ならば、将来、ディスク容量が不足したとしても、業務を停止せずに増設することができます。

「ETERNUS NR1000 seriesは運用が容易で、管理コストも削減できました。当初期待していた以上の機能と性能を持つストレージ環境が実現しました。富士通のサポートについても、満足しています」と渡辺氏は評価します。

今後の展望


他の業務への水平展開を今後も積極的に推進


導入当初は部門サーバのオフィス業務データが統合の対象でしたが、他の業務システムのデータもETERNUS NR1000 F520へ統合することを検討しています。松広氏は「事業所内には他にも、試験データやCADデータなど大容量データが散在しています。今後はこうした領域にも水平展開し、ストレージ統合の効果をさらに高めたい」と説明します。

今回のストレージ統合によって大容量データの蓄積が簡単にできるようになりましたが、容量の無駄遣いは避けたいところです。「そこで、『Softek Storage Manager』によって長期間利用されていないファイルを検索し、不要なファイルであれば削除するように呼びかけることも検討しています」と松野氏は語ります。

「航空機開発のグローバル化に対応できる、柔軟なITインフラを創り上げていきたい」と今後の意気込みを語る渡辺氏。榎本氏も「人・組織・システムが相互にレベルアップできるような、ポジティブなスパイラルを築いていきたいですね」と抱負を述べます。最先端の航空機開発業務を支える重要な役割を、ETERNUSが担っていきます。

お客様概要


三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所


所在地: 愛知県名古屋市港区大江町10(大江工場)
敷地面積: 大江工場 220,100平方メートル、小牧南工場 297,000平方メートル、飛島工場 155,200平方メートル
従業員数: 3,759名
事業概要:防衛庁向け航空機/ヘリコプターや、ロケットをはじめとする宇宙機器の開発事業、欧米の航空機会社が開発する旅客機の設計・製造事業を手がける。ボーイング社の最新鋭機「7E7」では民間機初となるカーボン複合材製主翼の製造を担当するなど、業界屈指の高度な技術力を有している。


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