2017年10月31日
株式会社昌新
情報システム営業部
第2課
岩瀬 健氏
クラウド、ビッグデータ、モバイル、IoT(Internet of things)など、ビジネス環境が急速に変化している中、それらの変化に対応すべく、日々、IT環境の整備、見直しも必要となってきています。
企業のITシステムにおいては、ビジネス変化に迅速かつ柔軟に対応していくため、自社で運用しているIT環境のデータセンター移行も増えている一方で、自社サーバルームやオフィス、倉庫などで運用されているお客様もまだまだ多くいらっしゃいます。
このような中、オフィスや倉庫など、人と共存するスペースにIT機器を設置する場合に特に気になるのが、IT機器から発するファンの音などの騒音ではないでしょうか。
離れた場所にIT機器を設置したいが、業務やシステム管理など操作の都合上、近くに設置しなければならない場合も多々あると思います。
今回、海外サプライヤーと国内のお客様をつなぐコーディネーターとして、数多くの実績と確かな信頼、最適な製品とサービスを提供している、株式会社 昌新(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:福井 利之、以下、昌新)の岩瀬 健氏に、IPネットワークを活用した遠隔地操作にて製品選定する際のポイントについて、お話しを伺いました。
既存のビジネス機能を活かし、投資コストを抑えながら、最適なIT環境を整備していくソリューションについてご紹介いただきます。
人とIT機器の共存
自社サーバルームやオフィス、倉庫などにIT機器を設置する場合、電源や温度、騒音などの様々な問題があります。特に人とIT機器が日々、共存するオフィスや倉庫などの設置環境で、一番気になるのは騒音です。
また、ショールームなどでは効果的な展示をする為に、サーバから離れた位置にディスプレイを設置しなければならない場合もあります。その際の操作も展示環境への人の出入りに制約があり、思う通りに対応出来ない場合もあります。
このような問題・課題を解決するため、今回、IPネットワークを活用した遠隔操作・延長ソリューションを2つ、ご紹介します。
始めにご紹介するのは、「Rextron社KVMエクステンダ」です。
このKVMエクステンダは、キーボードやディスプレイなどの配置場所とサーバとの距離を延長することで、サーバの騒音問題やセキュリティ問題、ショールームなどの展示環境上の問題などを解決する製品です。
次にご紹介するのは、「ThinkLogical社コンソールサーバ」です。
このコンソールサーバは、業界でもっとも高い拡張性とセキュリティを誇り、リモート環境から安全にサーバやルータなどのシリアルコンソールポートへアクセスし、設定や変更を行うことができます。さらに、シリアル機器のリモート制御・監視も可能となります。
KVMエクステンダの特徴
KVMエクステンダは、キーボードやディスプレイ、マウスのようなユーザインターフェースの配置場所とサーバとの距離を延長するために設計された延長機器で、基本はサーバ1台に対しKVMエクステンダ1組の1対1で使用します。
以下が主な特長です。
【図1】は、KVMエクステンダ設置のBEFORE/AFTERのイメージです。
オフィスにサーバを設置した場合、ファンの音が気になります。
KVMエクステンダを使用することで、サーバとディスプレイ、キーボード、マウスを最大100m延長することができますので、サーバを離れた場所(別室など)に設置でき、ファンの音も気にならなくなり、快適な環境にすることができます。
【図1】KVMエクステンダ設置のBEFORE / AFTERイメージ
【図2】は、KVMエクステンダを富士通UNIXサーバ「SPARC M12-1」の接続イメージです。
SPARC M12-1にグラフィックカード/USBカードを搭載することで、遠隔地から操作することが可能です。
【図2】KVMエクスエンダ~SPARC M12-1接続イメージ
本製品の検証結果の詳しい内容は、「富士通サーバISV/IHV技術情報」サイトをご覧ください。
【検証事例】
富士通サーバ ISV/IHV技術情報
Rextron社 CAT5 KVMエクステンダ(DVIモデル)、SIIG社 USBインターフェースカード(DP 4-Port USB 3.0 PCIe i/e)、Tech Source社 グラフィックカード(GFX 550e)と富士通UNIXサーバ SPARC M12-1との接続検証結果報告
サーバ導入時の課題
システムエンジニア(SE)がネットワーク環境を構築する際、はじめはサーバのコンソールポートを利用して、IPアドレスなど基本設定を行わなければなりません。
そのため、サーバルームのように複数のサーバがある場合、1台ずつコンソールポートを利用しての設定作業が必要になります。
遠隔シリアル監視・制御
業界でもっとも高い拡張性とセキュリティを誇る、ThinkLogical社のコンソールサーバは、サーバのシリアルコンソールポートを利用し、遠隔地からの切り替えや設定変更が可能です。
1台のコンソールサーバで、複数のサーバを同時に管理・監視することができます(ThinkLogical社「センチネル32J」は最大32台まで接続可能)。
フルディストリビューションLinuxを搭載しており、Linuxサーバの感覚で設定など操作が可能です。
IPv4/IPv6デュアルスタックにも対応しています。
遠隔地からネットワーク経由で複数のサーバ1台ずつのコンソールにアクセスができ、効率的に作業が進められます(【図3】)。
メンテナンスや障害時対応にも、コンソールサーバが活用いただけます。
また、富士通UNIXサーバのほか、シリアルコンソールを持つ富士通の全てのIT機器の管理に利用可能です(【図4】)。
【図3】コンソールサーバ設置のBEFORE / AFTERイメージ
【図4】コンソールサーバ ~ SPARC M10-1接続イメージ
本製品の検証結果の詳しい内容は、「富士通サーバISV/IHV技術情報」サイトをご覧ください。
【検証事例】
富士通サーバ ISV/IHV技術情報
Logical Solutions社のシリアルコンソールサーバ『センチネル32J』とSPARC M10-1(Oracle Solaris11.2)との接続検証結果
※Logical Solutions社は、現在「ThinkLogical LCC」と社名変更されています。
今回は、IPネットワークを活用した遠隔操作・延長ソリューションについてお話ししました。
多種多様化するIT機器の設置環境では、信頼性、安全性の高さが要求され、ビジネス環境の変化に合わせて柔軟かつ確実に対応可能なソリューションの提供が必須となっています。
昌新は、これからも多くのお客様に、高信頼、高性能な富士通IT機器を最適にご利用いただけるよう、KVMエクステンダやコンソールサーバによる遠隔操作・延長ソリューションを提供していきます。
株式会社昌新
情報システム営業部 第2課 岩瀬 健
03-3270-5926
メールでのお問い合わせ:IS@shoshin.co.jp
Webサイト:http://www.shoshin.co.jp/