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Fujitsu

Japan

富士通サーバ ISV/IHV技術情報
データセンターのパフォーマンスを最適化するDCIMソリューション[第1回 データセンター運用の課題と見える化]


シュナイダーエレクトリック株式会社 様

2018年4月3日

Green IT

はじめに


シュナイダーエレクトリック株式会社
IT Business 事業開発本部
プロダクトマネージャー
立野 玄氏

データセンターのIT資産管理は、企業のサーバルームと異なり、機器の入れ替え頻度や資産の管理項目も非常に多くなっています。
機器の入れ替えにおいても、同じラックの空きスペースに単純に搭載すれば良いという訳にはいかず、電力容量、発熱量、床やラックの耐荷重など、様々な考慮が必要となります。
これらは一例ですが、データセンター内のIT機器や空調設備などの管理、運用にあたっては、多くの課題があります。
その中でも特に、電力やサーバなどのリソースの利用効率をいかにして向上させるかが大きな課題としてあげられます。
また、電力/エネルギー消費の効率化もデータセンターの運用にあたって、多くあげられる課題の一つです。

仮想化、クラウドの普及が機器のリソースの有効利用のデマンドを高めており、データセンターの機器を効率的に監視、運用していくことが求められます。

今回は、これらの課題を解決する、DCIM(Data Center Infrastructure Management)ソリューションを提供する、シュナイダーエレクトリック株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:白幡晶彦、以下、シュナイダーエレクトリック)立野 玄氏に、データセンターのパフォーマンス最適化を実現する、DCIMについてお話しを伺いました。

第1回は「データセンター運用の課題と見える化」についてです。

第2回 StruxureWare Data Center Operationの導入ポイント」も合わせてご覧ください。

ソリューション提案

データセンター運用の課題

データセンターが抱える様々な課題

データセンターでは、この10年間、刷新や拡張の一途をたどってきた中で、様々な問題や課題が生まれております。データセンター事業者にとってこれらの課題を解決することがデータセンターの効率化及びビジネス改善のための重要な要素になります(【図1】)。

データセンターの監視・運用をサポートするDCIMソリューション

DCIMとは?

DCIMとは「Data Center Infrastructure Management」の略でデータセンター内の機器、設備などのアセット、リソース利用状況、運用状況に関する情報を収集・管理を行うことです(【図2】)。
これらの収集した情報を発信、統合、分析することによりデータセンターのパフォーマンスを最適化することができます。

DCIMソリューション 「StruxureWare Data Center Operation

StruxureWare Data Centerは、シュナイダーエレクトリックが提供するDCIMソリューションです。統合モニタリングを行える「StruxureWare Data Center Expert」、運用・管理をサポートする「StruxureWare Data Center Operation」の製品コンポーネントで構成され、モジュール形式で必要な機能だけを追加していくことができます(【図3】)。

「StruxureWare Data Center Operation」は、データセンターの運用・管理をスムーズに行えるよう、実際のサーバールームやデータセンターのレイアウトにあわせた画面で、センサーやデバイスのステータスを監視できるほか、デバイスのインベントリーやロケーション別の機器ステータスも管理でき、日々の運用効率の向上を実現します(【図4】)。

「StruxureWare Data Center Operation」は、IT機器以外の設備機器(UPS、空調機器、ジェネレーターなど)も監視、管理の対象としてサポートします。
以前からIT機器のみを対象とした管理ツールは数多くありますが、IT機器のみではデータセンターが抱える課題をカバーすることはできません。
特にデータセンター設備で重要なUPS(無停電電源装置)やクーリング(空調機器、冷却装置等)も監視・管理対象とすることで、電力不足、電力断などの非常事態への対処や、フロアの温度状況を把握し、ホットスポット、およびオーバークーリングを未然に防ぐことができます。

データセンターの運用課題を解決

はじめにデータセンターが抱える様々な課題をあげましたが(【図1】)、ここでは、各課題(①~④)を解決するStruxureWare Data Center Operation製品についてご紹介します。

(1)StruxureWare Data Center Operation:Energy Efficiency【PUEダッシュボード】 ・・・・・ 課題①を解決

データセンターは全世界のエネルギーの2%を消費していると言われています。HPC(High Performance Computing)で使用される高性能サーバの拡大に伴い、電力消費量はより増えていくことが予想されます。

また集約密度の高いサーバ(ブレードサーバ等)により気温を下げるためにかかるエネルギーもより増加していきます。
データセンターの運用ではエネルギー消費が一番の高コスト要素になります。
冷却と電力消費効率を上げ、エネルギー消費量を下げることが重要です。

DCIMではエネルギーの使用効率を数値で表す、PUE(Power Usage Effectiveness)を算出、表示します(【図5】)。
PUE値はスコアが1に近づくほど効率が高く、データセンターの平均値は1.5~2.0と言われています。
現在だと殆ど1に近いスコアを維持しているデータセンターも存在します。

(2) StruxureWare Data Center Operation:Capacity【空調効果シミュレーション】 ・・・・・ 課題②を解決

また一部のDCIMでは電力、冷却能力等の実測表示と計画に基づいたシミュレーションを行うことで最大効率で機器搭載をサポートします(【図6】)。
例えば増設するサーバをどのラックに搭載したら最適か様々な要素を加味して自動的に設置箇所を割り出すということも可能です。

(3)StruxureWare Data Center Operation:IT Optimize
【分析とレポーティング】 ・・・・・ 課題③を解決

エネルギーの消費効率以外にもIT機器の利用効率もデータセンターの運用では課題になります。
例えば殆どCPUリソースを使用していないサーバがあることに気付かずに新たにサーバを増設しているケースはよくあります。また管理台数が多くなると全く稼動していないサーバ(ゴーストサーバ)があることに気付かずに、無駄にサーバを増設しているケースもあります。
DCIMではITサーバの利用率をCPUと電力で表示し、増設の判断に役立てることができます(【図7】)。

(4)StruxureWare Data Center Operation:Change【データセンター全体の機器配置管理】 ・・・・・ 課題④を解決

データセンター内では頻繁に機器の増設、移設等の構成変更が発生します。
また仮想化等の要素により、機器の集約密度は上昇する一方です。
データセンターの面積当たりの管理台数が増えていると言えます。
密集された多数の機器を管理するための新しい管理手法が、リアルタイムでの機器情報の管理が必要です。
DCIMでは、設計時から作業項目を自動生成し、作業内容や進捗管理を行うことで現場作作業をスムーズに管理します(【図8】)。

データセンターを見える化

今回、「データセンター運用の課題と見える化」についてご紹介しました。
ご紹介した以外にもデータセンター運用にはまだ数多くの課題が存在します。

シュナイダーエレクトリックのDCIMソリューション「StruxureWare Data Center Operation」は、これらの課題の大部分を解決してくれるソリューションであると言えます。
「StruxureWare Data Center Operation」を利用することにより情報を可視化、分析しデータセンターをより効率的に運用することが可能になります。
機器増設または、データセンターそのものの増設が必要か否かの判断材料としても使え、より高密度な機器の搭載、エネルギー消費の効率化を目指すためのツールとしても利用できます。

海外のお客様で、企業の急成長に伴い機器増設が必要になりましたが、データセンターを新設する時間がありませんでした。
この時にもシュナイダーエレクトリックのDCIMソリューション「StruxureWare Data Center Operation」を利用し、効率化することにより既存のリソースのみで十分カバーできたという事例もあります。
結果として既存のデータセンターを3年間継続して利用することができ、新設に向けた検討に十分な時間を充てることができました。

次回は、DCIMソリューション「StruxureWare Data Center Operation」の導入ポイントについて、ケーススタディを交えてご紹介いたします。

お問い合わせ先

シュナイダーエレクトリック株式会社
icon-telephone 03-5931-7500
icon-mail jinfo@schneider-electric.com
Webサイト:http://www.apc.com/site/apc/index.cfmOpen a new window

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