富士通社員が観た!WEC第5戦 富士6時間レポート

2022年9月11日、FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間の決勝レースが富士スピードウェイで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のハイパーカー GR010 HYBRID 2台が見事1-2フィニッシュを飾りました。富士での開催は2019年以来3年ぶり。富士通で「モータースポーツ盛り上げ隊」と呼ばれている私、松永も、今回は現地で力のかぎり応援してきました。そのレース結果を、私なりにレポートします。

この記事を書いたのは

富士通株式会社
Mobility事業本部
松永 章市 (まつなが・しょういち)

目次
  1. おかえり!3年ぶりの「ホーム」富士
  2. TGR2台のハイパーカーが見事1-2フィニッシュ!
  3. 松永が見た、テクノロジーの可能性

おかえり!3年ぶりの「ホーム」富士

2019年以来、3年ぶりの開催となったWEC富士ラウンド。TGRのハイパーカーGR010 HYBRIDにとって初めてのレースであり、ル・マン24時間での優勝から臨む凱旋レースです。開催地である富士スピードウェイはトヨタ自動車株式会社(トヨタ)傘下のサーキットであり、ファン、チーム、ドライバーそれぞれの想いが詰まった待望のレースであったと思います。
TGRハイパーカーの心臓部であるハイブリッド・パワートレイン※1は、トヨタさんの東富士研究所で開発・製造されており、ピット内にはそこに携わられた多くのスタッフの皆様の寄せ書きが。一緒にレースに挑んでいるんだと感動しました。

  • ※1
    ハイブリッド・パワートレイン:エンジン燃焼室の吸気・排気バルブを作動させるシステム。

富士開始前(第4戦終了時点)でのTGRは、マニュファクチャラー選手権ランキングでは1位であるものの、ドライバー選手権ではアルピーヌに次いで2位。マニュファクチャラーとドライバーのダブルで世界チャンピオンを獲得するには、今回の富士はたいへん重要なレースであり、必勝態勢で臨むTGRの姿に、応援の熱も高まります。

TGR2台のハイパーカーが見事1-2フィニッシュ!

2022年9月10日、予選。10分間という短い予選時間内で、LMP2クラスも混走する中、ハイパーカークラスの3チーム(TGR、アルピーヌ、プジョー)がそれぞれエースドライバーを起用し競います。結果は小林可夢偉選手が駆るTGR7号車が見事ポールポジションを獲得。そしてブレンドン・ハートレー選手のTGR8号車はトップと僅か0.020秒差で2位を獲得、TGRはフロントロー(1-2位)を独占しました。3位のアルピーヌ、4-5位のプジョーも1秒内のゴールであり、決勝レースでは接戦が予想されます。

そしていよいよ11日、決勝当日。朝から雲ひとつ無い快晴に恵まれ、グランドスタンドの熱狂的なファンに見守られる中、TGRは7号車の小林可夢偉選手、8号車のセバスチャン・ブエミ選手のドライブで6時間の長きレースがスタート。序盤はこの2台が僅かな差を保ったまま周回を重ねていきましたが、1時間が経過し1回目のピットインの後まもなく、ペースの勝る8号車が7号車をかわし、2台の順位が入れ替わることに。その後は順位変動やトラブルもなく、2台のGR010 HYBRIDが1-2位を維持したまま周回を重ねます。一度もセーフティカーやフルコースイエローも出ず、終始安定した走りで魅せてくれました。最後のスティントで8号車は平川亮選手にスイッチ。3位以下とは1周以上のリードを保ち、TGRは見事1-2フィニッシュを達成しました。

松永が見た、テクノロジーの可能性

モンツァに続き、こちらも私見となりますが、当社の持つデジタルアニーラデータドリブン、AI等のテクノロジーを活用することにより、モータースポーツを通じたサステナブルな世界の実現への貢献に自信を深めました。3つ例をご紹介します。

  • テレメトリーデータを活用したトラブル事前予測
  • 過去データを活用したシミュレーションによるレース戦略
  • SNSよりファン層が求めるニーズを分析し、求める情報発信、サービス提供によるファンの囲い込み

今回、レースの現場では当社技術者とTGRのチームメンバーとテクノロジーの可能性について様々なディスカッションが行われました。引き続き、当社もチームの一員として、極限状態での挑戦を続けていきたいと思います。

次戦バーレーン8時間耐久は、いよいよ今シーズン最終戦です。マニュファクチャラーズ、ドライバーズのどちらも、世界チャンピオンは次戦の決勝(11月12日)で決まります。ぜひ栄光を勝ち取っていただきたいですね。

富士通では、モータースポーツをはじめとした新たな分野でのチャレンジを通じ、カーボンニュートラルなどのサステナブルな世界の実現をはじめ、社会が抱えている課題の解決に取り組んでまいります。

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