あらゆるものが安全につながるコネクテッドな世界。その基盤となる富士通の「Hybrid IT」

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富士通は、誰もが夢に向かって前進できるサステナブルな社会の実現に向け、事業ブランド「Fujitsu Uvance」を策定しました。フジトラニュースでは、Fujitsu Uvanceを構成する7つの重点注力分野について連載でご紹介します。

第7回の今回が最終回となります。ヒト・モノ・コトを安全につなげ、新たな価値創出と社会課題解決を促進する「Hybrid IT」について、富士通 執行役員常務の古賀 一司より紹介します。(Fujitsu ActivateNow2021 Key Focus Area Sessionsより)

目次
  1. 急速なデジタル技術の進展により、社会はどう変わる?
  2. 社会を支えていく基盤として新たな価値を生み出す「Hybrid IT」
  3. 海外での「Hybrid IT」活用事例
  4. セキュリティ・コネクテッド領域におけるコアテクノロジー技術
  5. 安全につながるコネクテッドな世界を目指して

急速なデジタル技術の進展により、社会はどう変わる?

デジタル技術の進化はさらに加速し、2030年にはCPUの演算能力やネットワークの速度は現在の100倍に、またネットワークにつながる機器は250億台を超えると予測されています。つまりITが世界の隅々まで拡がり、今以上に社会の基盤として重要になっていきます。

それに伴い、社会の環境や価値観も変化していきます。持続可能な社会への取り組みはさらに加速し、2030年には、SDGs関連への投資は120兆ドルに達すると言われています。また、データやセキュリティの重要性が高まり、データからの価値創造やセキュリティリスクの抑え込みは、企業のみならず社会全体にとって非常に重要な課題となります。

社会を支えていく基盤として新たな価値を生み出す「Hybrid IT」

富士通の「Hybrid IT」は、社会を支えていく基盤として様々なデジタルインフラを統合・マネジメントし、新たな価値を生み出す役割を担います。リアルとデジタルを融合し、新たな価値創出と社会課題の解決を実現する、それがHybrid ITです。次にHybrid ITを支える4つの柱を紹介します。

レジリエント
システム障害を迅速に修復するという従来のアプローチから、障害の予兆を検知し、未然に防ぐのはもちろん、やむなく障害となっても自動的に退避するなど、影響を回避する仕組みを、AI等の先端技術を活用し、追求しています。

コンピューティング
新たな価値を創造するにあたり、様々な分野において莫大なデータを高速に処理することが求められています。世界No.1の富岳をはじめ、GPUなど様々なハイパフォーマンスコンピューティングの技術を組み合わせたサービスを提供することで、科学技術計算のような特定分野だけでなくあらゆる領域での活用を実現します。

セキュリティ
全社員13万人、20万デバイスをすでにゼロトラストの考え方で運用管理しています。また、富士通研究所において強固なセキュリティを実現するための技術開発を行っています。社内実践やR&Dによるセキュリティ技術、ノウハウをいち早くサービス化するとともに、様々なセキュリティファンクションを“as a Service”として多様な製品に組み込み、サービス提供していきます。

コネクテッド
今後、世界に点在する250億のデバイスがつながり、企業間、人とモノ、データがブロックチェーン等の技術により連携していきます。データの真正性やトレーサビリティを保ちつつ、そのデータを活用したサービスまで包括して管理するプラットフォームが重要になるのです。Hybrid ITはこうしたコネクテッドな世界を支える基盤を提供します。

海外での「Hybrid IT」活用事例

富士通は、Hybrid ITを活用した取り組みを、すでにグローバルで実践しており、この分野において世界をリードしています。その一例を紹介します。

わずか72時間で立ち上げた、医療を支えるセキュアでレジリエントな基盤
(Center for Telecommunications and Information Technology《CTTI》の例)
2020年、コロナ禍によりCTTIは4万人余りの医療従事者にリモートシステムを提供する必要性に迫られましたが、わずか72時間でその環境を整えることに成功。富士通はアプリケーションや機密性の高いデータを守る、セキュアな基盤を提供し、個人情報の保護にも努めることで、リモート環境における信頼性も維持しました。それにより医療従事者が、リモートで医療データを入手することが可能になりました。このようなセキュアでレジリエントなパブリッククラウドサービスの提供の結果、医療従事者がより多くの時間を患者に費やすことをかなえ、医療ケアのレベルが向上しました。

運用コストを70%削減するデジタル基盤の構築
(International Personal Finance《IPF社》の例)
国際的な信販会社であるIPF社において、デジタル基盤の構築などにより、運用コストを70%以上削減することに成功。また、グローバルに連携することを目指していたIPF社に対し、クラウド移行と積極的なデータ活用でエンドユーザーへの新たな価値創造の支援をしました。さらに、革新的なテクノロジーを取り入れてビジネスの価値を高めることを継続支援しています。

情報流出に際した対策と、継続的なセキュリティ強化
(Scottish Water社の例)
250万世帯の家庭に飲料水を供給する公共サービス企業のScottish Water社が、セキュリティ侵害により情報流出の危機に見舞われた際、早急な復旧と将来的なリスク回避に向けて対策を講じました。セキュリティの熟成度を高めるために、継続的に、リテーナー型でゼロトラストの活用とOT(Operational Technology)領域でのセキュリティ向上に取り組んでいます。

セキュリティ・コネクテッド領域におけるコアテクノロジー技術

境界を作り社内を守る従来の考え方から、ゼロトラストへと大きな転換期を迎えているセキュリティ領域に関して、ゼロトラストセキュリティの考え方をさらにクロスインダストリーに広げる研究開発に注力しています。それが「Trust as a Service(TaaS)」 と「Chain Data Lineage(CDL)」であり、Hybrid ITのセキュリティおよび、コネクテッド領域におけるコアテクノロジーです。

Trust as a Service(TaaS)
あらゆるものが一気にリモートに変わりつつあるコロナ禍の現代において、ビジネスメール詐欺のような攻撃が世界的に増加しています。このような脅威に対し、異なるクラウドの間でデータの真正性を保証することができる技術が、2020年に発表した「Trust as a Service」です。これにより業務でやりとりするデータの真正性を常に容易に確認し、安全なビジネスコラボレーションを可能にしています。

Chain Data Lineage(CDL)
「Chain Data Lineage」は、異なる組織で作られたデータの来歴を管理し、データの出元の正しさを常に確認することができる技術です。他にも富士通研究所は、2020年、アクセンチュア社と協同でブロックチェーンにより複数のシステムをトラストにつなげる技術を「Hyperledger Cactus」としてOSSに標準化しました。

安全につながるコネクテッドな世界を目指して

当社のパーパスである「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を追求し、Hybrid ITは、安全にリアルとデジタルを融合させる基盤の提供を通じて、お客様、社会の発展に少しでも貢献していきたいと考えています。Hybrid ITの入り口はクラウドへのリフト&シフト、ゼロトラスト等のセキュアな環境の確保と考えています。まずはここを目標に、既存の業務システムをお客様にとって最適なHybrid ITへ段階的に強化していき、あらゆるものが安全につながるコネクテッドな世界の実現に貢献していきます。

富士通株式会社 執行役員常務
グローバルソリューション部門デジタルインフラサービスビジネスグループ長兼DPO(サービス管理担当)
古賀 一司
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