ニューノーマル時代の「新たな働き方」の実現に向けた富士通のIT部門の取り組み

新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの社会生活、働き方は一変した。これからのニューノーマルに適した働き方に求められるものは何だろうか? 2020年10月にオンラインで開催した「Fujitsu ActivateNow」のBreakout Session「8万人のワークスタイルを変えた社内実践」では、富士通のシニアエバンジェリスト 松本 国一が、ニューノーマル時代の働き方改革に向けた富士通の社内実践とその成果について紹介した。新しい日常に適した働き方とは。そのヒントを探る。

2010年から10年間、社内実践を継続
富士通が取り組んできた働き方改革

富士通株式会社
シニアエバンジェリスト
松本 国一

ある調査では従業員1000人を超える企業の約9割がなんらかのかたちで働き方改革に取り組んでいるという。しかし、従業員が働く現場からは「いまだに残業が減っていない」「休みが取りにくい」「無駄な仕事・会議が減っていない」といった声がなくならない。働き方改革の効果を感じられない現状が伝わってくる。

そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大で、従業員の出勤や出張など移動が制限され、多くの企業がニューノーマル、新たな日常に適した働き方を模索しはじめている。

富士通は、2010年からすでに「働き方を変えよう」という取り組みに着手し、10年以上も継続して働き方改革に取り組んできた。最初に取り組んだのはコミュニケーション基盤の大改革である。当時、国内外16万人いた従業員のコミュニケーション手段をすべてパソコンやスマートフォンに統合した。内線電話を廃止し、パソコンやスマートフォンを使用することで、コミュニケーションの高度化を実現した。

この改革で、「コミュニケーションの質が変わりました。音声の会話だけではなく、文字や画像、映像、各種資料の活用が進み、コミュニケーションがさらに活性化されたのです。コミュニケーションの量も増え、2018年時点で社内のオンライン会議の利用率は98%に達し、年間で200万回もの会議がオンラインで開催されています」(松本)という。

続いて実践したのは、2017年からのテレワーク勤務制度だ。この制度の導入でわかったことは、テレワークの導入が成功するか失敗するかのポイントは、ICTツールでもネットワーク環境でもなく、「自律的・計画的に働ける社員かどうか」であるということだ。「指示待ちタイプの社員がテレワークを始めてもなかなか業務が進みません。自ら自律的・計画的に働ける社員がでないと、テレワークで成果を上げることが難しくなってくるのです」(松本)

時間外労働のルールも重要だった。社内ルールとしては、「テレワークでは残業をしない」という方針としたが、実際には上司の目が届かないと際限なく仕事をしてしまう可能性もある。適切な労働時間を管理できる仕組みが必要だった。

「これらの観点を制度の中に落とし込みながら、富士通はテレワークを推進しました。その結果、2018年時点で1万2000人がテレワーク制度を利用するようになりました。育児中の女性がテレワークを選択するといったケースが増え、71%が在宅勤務を利用して働くなど、従業員満足度(ES)も0.5ポイント向上するという成果につながりました」(松本)

コロナ禍でテレワーク利用者急増VPNへのアクセスが8倍に

働き方改革の歩みを順調に進めてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が大きく変わった。2020年4月7日に緊急事態宣言が発令され、7週間にわたって人々の行動が大幅に制限された。政府はオフィスへの出社を7割ほど減らそうと呼びかけ、テレワークへの切り替えを推進した。「富士通でも制度を変更し、出社人数は最小限に留めるために、特定の部門、職種と限定せず、在宅でのテレワーク勤務を基本としました。そして社給パソコン、およびシンクライアントパソコンでの仮想デスクトップの利用を義務づけました。結果として、非常に多くの従業員がオフィス外から社内のネットワークにアクセスするようになったのです」(松本)

この急激な変化に、既存のシステム構成を大きく変える必要に迫られた。以前は富士通も、多くの企業と同じく、イントラネット環境下で社員が業務を行うのが一般的だった。そのため在宅でテレワークを利用する際にも、外部からVPNなどを使ってイントラネットにリモートアクセスしていた。それがコロナ禍でアクセスが殺到。「約8000人程度だったのが、一気に約6万人にまで拡大しました。この急増したアクセスに、システムは対応しきれなくなったのです」(松本)

オンライン会議の利用者数の増加によるネットワーク使用量も増大に オンライン会議の利用者数の増加によるネットワーク使用量も増大に

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ニューノーマル時代の「新たな働き方」の実現に向けた富士通のIT部門の取り組み

概要

  • 2010年から10年間、社内実践を継続富士通が取り組んできた働き方改革
  • コロナ禍でテレワーク利用者急増VPNへのアクセスが8倍に
  • 混乱から見えてきた新しい働き方を実現するヒント
  • 仕事はオフィスで行うとは限らない時代必要なのは「ゼロトラスト」というアプローチ
  • データレスFATパソコンで自由度とセキュリティの両立を
  • 世界中の従業員に同じUXを「Work Life Shift」で実現する

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