富士通が創る働き方の未来! 具体的な施策を打つ前にやっておくべきこと
AIで働き方の「現状を可視化」する

労働人口の大幅な減少に向け、重要性が増している働き方改革。その取り組みは、多くの日本企業にとって避けて通れない経営課題だ。しかし具体的な施策立案・実施の前に、ぜひやっておくべきことがある。それは働き方の「現状を可視化」することだ。実際に従業員がどのような働き方をしているのかを把握しておかなければ、効果のある施策を打ち出すことは不可能だからである。それでは実際に、どのような方法で可視化を進めていけばよいのか。働き方の可視化に取り組んでいる富士通の事例を紹介する。

施策の立案・実施の前に必要となる働き方の現状把握

2010年の1億2806万人をピークに、減少し続けている日本の人口。内閣府の「平成29年版少子化社会対策白書」によれば、2060年の人口は8674万人にまで減少すると推計されている。そのうちの労働人口は4418万人。2010年の8173万人に対して、ほぼ半減すると予測されているのだ。その一方で日本の労働生産性は、先進7カ国(G7)のなかで最下位となっており、経済協力開発機構(OECD)に加盟する35カ国のなかでも20位となっている(日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2017 年版」)。

このような状況のなか、必要性が叫ばれているのが働き方改革である。その重要性はすでに多くの企業経営者が認識しているようだ。東京海上日動リスクコンサルティングが2017年に実施した、経営上のリスクに関するアンケート調査では、「労働・雇用問題」が第1位となっている。

実際に働き方改革への取り組みを始めている企業は増えている。モバイルやクラウドといった最新ICTの活用や、テレワークや時短勤務などの新制度の導入、人事評価制度の見直しなどを進めているケースも珍しくない。しかしそれらの取り組みは、本当に効果を上げているのだろうか。

実は具体的な施策を打つ前に、やっておくべきことがある。それは、従業員が実際にどのような働き方をしているのかを「可視化」することである。現状を正確に把握しなければ、適切な施策を立案することは不可能だ。また打った施策が十分な効果をもたらしているかどうかを判断するにも、可視化が欠かせない。

働き方を可視化するには、そのためのデータが必要だ。従業員にアンケート調査を行い、働き方に関するコメントを集めている企業も多いようだが、このような「定性的」な情報だけでは十分ではない。それ以上に重要なのが、どの業務にどれだけの時間を費やしているかなどの「定量的」なデータなのだ。

そのために富士通では、働き方に関するデータを収集・蓄積し、それをAIで分析する取り組みを進めている。

各種ログを収集・蓄積しAIで分析することで働き方を可視化

「従業員の働き方を定性的に把握している企業は少なくありませんが、その多くが定量化まで踏み込めておらず、これが悩みの種になっています」と語るのは、富士通 オファリング推進本部 ワークスタイル変革オファリング統括部でシニアディレクターを務める鈴木 寿。「『コア業務』と『非コア業務』の割合を把握し、『コア業務』の比率を上げていくことが重要です。例えば、営業部門の『コア業務』は顧客対応業務です。顧客対応時間が1つの状況把握になるはずです。1日のうちどれだけの時間を顧客対応に費やしているのか、そのほかの時間はどのように活動しているのかを継続的に計測することで、削っていくべき活動がどれなのか、いかにして効率化していくのかが見えていきます」。

もちろん20世紀初頭にフレデリック・テイラーが実施した「時間研究」のように、従業員の作業をストップウォッチで計測する、といった方法は現実的ではない。特にホワイトカラーワーカーの多くの業務は、物理的にはPCに向かってキーボードを打つ作業がほとんどであるため、外観だけで何をしているのか把握するのは困難だ。そこで鈴木が提唱するのが、ICTを活用した業務内容の“見える化”である(図1)。

「当社は、Office 365のデータやPC操作ログ、システムアクセスログを取得・蓄積するという社内実践を進めています。さらにAIを活用し、『作業』『対象』『テーマ』を軸に業務内容を分類、分析し、ダッシュボードで評価できるようにしています」(鈴木)。

図1:富士通が社内実践として取り組んでいる業務内容の可視化 可視化のための定量データとして各種ログを収集・蓄積し、それを3つの軸で分類したうえで、ダッシュボードで分析・評価できるようにしている 図1:富士通が社内実践として取り組んでいる業務内容の可視化
可視化のための定量データとして各種ログを収集・蓄積し、それを3つの軸で分類したうえで、ダッシュボードで分析・評価できるようにしている

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富士通が創る働き方の未来! 具体的な施策を打つ前にやっておくべきこと AIで働き方の「現状を可視化」する

概要

  • 施策の立案・実施の前に必要となる働き方の現状把握
  • 各種ログを収集・蓄積しAIで分析することで働き方を可視化
  • 「テーマ」をどう標準化していくかが大きなハードルに
  • 可視化を起点にすることで効果的かつ継続的な改革が可能に

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