富士通 購買部門でのインボイス情報登録作業の自動化による業務効率の向上

~AIを活用したOCR機能とRPA導入で年間2,000時間の省力化を実現~

富士通は調達・購買業務で扱うインボイス※1 情報の基幹システムへの登録作業に対し、AIを活用したOCR※2 機能とRPA※3を組み合わせたソリューションを導入して自動化した。2018年11月現在、適用業務の30%に導入が完了している。2018年度末で50%に達する予定で、年間2,000時間の省力化を実現することになる。こうして得られた時間を、購買として本来行 うべき戦略的な調達活動のために使えるようになった。

  • ※1
    インボイス:輸出貨物の品名・価格・数量・買主等が記載されている、出荷に関する明細書であり請求書に該当する書類。
  • ※2
    OCR:Optical Character Recognition(光学文字認識)の略。現在は光学的な認識以外にも、スキャンされた画像データからの文字認識も多くなっている。
  • ※3
    RPA:Robotic Process Automation(ロボットによる業務自動化)の略。これまで人間が行っていた定型作業をソフトウェアのロボットが代替し、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みを行うこと。

背景

年間数万件に及ぶインボイス情報の登録作業に多くの時間を割いていた

グローバルコミュニケーション基盤を構築し、さまざまなツールを活用してグループ全体、グローバルで働き方改革を実践している富士通では、あらゆる部門で業務上の課題をくまなく確認し、その改善に取り組み続けている。

富士通社内の資材の調達を担う購買本部でも、埋没しがちな身近な課題に常に取り組んできた。富士通購買本部調達戦略室 e-Procurement推進部 部長 菊池正俊は「長年にわたって定型化された作業の中には、非効率だとわかっていても解決策が見当たらなかったり、そもそも非効率であることに慣れてしまい気付かなかったりするなど、見落としている課題が身近にあるものです」と指摘する。

購買本部では人手による作業負担が大きく、長年にわたって効率化が求められていた業務があった。それは海外より調達する資材等の輸入に伴うインボイス情報の登録だ。海外の取引先に発注した資材等が出荷されると多くの場合、インボイスがメールにPDFファイルで添付されて送られてくる。PDFファイルのインボイスを受け取ると、購買本部の各調達部の担当者がインボイスの情報を基幹システムに手作業で登録する。

インボイスの情報を基幹システムに登録することで注文データと照合し正しい金額、数量を確認した上で入荷処理を行っている。この登録が終わっていなければ資材等が届いても検収処理をすることができない仕組みとしているため、生産等の業務に広く影響が生じる恐れがある。また締め日をまたぐ時期にインボイス情報の登録に遅れが生じると、調達先への支払いが滞る恐れもある。

購買本部の職務は富士通のビジネスに必要な資材等を確実かつ円滑に調達することに加えて、いかにそのコストを下げて競争力を高められるかを追求していくことだ。しかし従来は海外取引関連業務に多くの人手を割かなければならず、競争力向上への戦略的な取り組みにかけられる時間が圧迫されていたのだ。

従来インボイス情報の登録は、業務をアウトソーシングすることで実務担当者の業務負担軽減を図ってきたが、問題意識はあったものの抜本的な解決に有効な方法が見つからないのが実情だった。ところが近年、RPAと呼ばれる定型業務を自動化するソリューションが脚光を浴びるようになり、いち早く富士通の購買本部がその活用方法の検討を始めたのだ。

富士通購買本部調達戦略室 e-Procurement推進部 皆平英伺は「RPAの利用を開始してしばらくはRPA単独では本部全体として大きな効果を出すことに限界を感じていました。しかし、購買担当者の業務で工数がかかっている分野を再度洗い出したところ、紙やPDF書類の文字や数字をテキスト化すれば、基幹システムへの入力作業をRPAソリューションで自動化し、より大きな効果に結び付けることができると気付きました」と取り組みのきっかけを説明する。そして富士通購買本部はインボイス情報の登録にOCRとRPAを組み合わせたソリューションを導入した。

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富士通 購買部門でのインボイス情報登録作業の自動化による業務効率の向上
~AIを活用したOCR機能とRPA導入で年間2,000時間の省力化を実現~

概要

  • 年間数万件に及ぶインボイス情報の登録作業に多くの時間を割いていた
  • OCRは読み取り精度と多様なレイアウトへの対応、RPAは基幹システムとの親和性が決め手
  • OCRの読み取りはインボイスを指定のフォルダーに置くだけで瞬時に完了
  • 発注時の入力業務もRPAで自動化。そして、さらなる自動化/省力化を目指して

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