ウェアラブル端末&スマートデバイスの活用で進む現場の働き方改革

テレワークやフリーアドレスなど、オフィスには多様なワークスタイルが浸透し始めている。一方で製造や物流、営業などの「現場」は、これまでICT化の恩恵を十分に被ってこなかった。それを変えるのが、スマートデバイスやウエアラブルデバイスなど、持ち運びや操作が容易なICTだ。これらのツールを活用し、より効率的で安全な現場を実現する先進企業の取り組みを見てみよう。

「日本企業の強さは現場にある」という声をよく耳にする。だがこれまでは、その強さは現場の従業員一人ひとりや、職場単位での生産性向上活動に依存していた。オフィスワーカーが一人一台の環境でパソコンを使うようになって久しいが、現場で働く従業員のICT武装は遅れていたからだ。

例えば製造や物流の現場ではパソコンを置くスペースを確保しにくい。事務所に置くと、いちいち戻らなくてはならず、情報の参照や、作業の進捗などの入力をタイムリーにできなかった。営業担当者もしかり。顧客との短い面談でノートパソコンを持ち出しても、起動に時間がかかるし、立ち話では使いにくい。

こうした長年の課題を解決できるICTが整ってきた。1つはスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスの普及である。ノートパソコンよりも軽くスペースを取らないので、作業現場に持ち込みやすい。営業現場での活用事例を見てみよう。

SFAシステムと地図情報を連携、タブレットで最適訪問ルートを策定

まず、貴金属・レアメタルなどの再生・精錬を行うA社の営業現場支援を見てみよう。同社の営業担当者は、宝飾、電子触媒、銀塩フィルムなどを扱う事業所などを訪問してスクラップ類を回収し、貴金属や希少金属を再利用している。

営業担当者は、金属相場の変動をにらんで、「どの金属をどの顧客から回収するか」を日々判断し、訪問計画を立てなくてはいけない。1日にできるだけ多くの取引先を訪問し、生産性を上げるには、ムダのないルートを設定する必要もあった。また新規に開業した顧客や、以前取引があったが長期間訪問していない顧客など、普段の営業活動ではつい見落としがちな取引先ももれなく計画に組み込んでいく必要があった。

従来は各営業担当者が、SFAシステムから顧客情報を抽出。紙の地図を参照しながら日々の訪問計画を作っていた。効率的な訪問ルートを作るのは難しく、報告や次の顧客情報を得るためにたびたび会社に戻らなくてはいけないという課題があった。

そこで同社は富士通のクラウド型地図情報ソリューション「FUJITSU Enterprise Application GIFOCUS(ジーアイフォーカス)」を導入した。タブレットに地図情報とSFAシステムの情報を連携させて表示し、営業担当者が効率的に訪問計画を作り、顧客を回れるよう支援している。

GIFOCUSには基幹データと地図情報を連動するAPIが用意されており、顧客情報、訪問や取引の履歴、売上高などの条件で顧客を抽出し、タブレットの地図上に表示できる。例えば「新規開業顧客で未訪問」「以前取引があったが長期間訪問していない」といった顧客を集中的に訪問するといった方針に沿って、訪問先を地図上でピックアップできるわけだ。

地図のピン上には、住所や連絡先に加え、訪問履歴、取引品目、取引実績、営業活動にあたっての注意点など、SFA(営業支援システム)やSFAシステムに蓄えられたデータが表示される。訪問ルートを視覚化できるので、空き時間に回れそうな新規顧客も機動的に計画に加えられる。営業担当者が顧客を理解するスピードも速くなったという。

今後は国内グループ14社の顧客情報を統合し、横展開を図っていく。同じ顧客を複数のグループ企業が担当していることがあるため、顧客情報を統合することで「グループ企業の誰がその顧客の担当者か」が分かり、共同で営業活動を進めることなども可能になる。GIFOCUSによって数字と文字だけでは見落としがちなビジネスチャンスを「見える化」し、より生産性が高い営業スタイルを定着させていく。

FUJITSU Enterprise Application GIFOCUS(ジーアイフォーカス) FUJITSU Enterprise Application GIFOCUS(ジーアイフォーカス)

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生産性と安全性を追究!現場のワークスタイル変革はここまで進んだ

概要

  • SFAシステムと地図情報を連携、タブレットで最適訪問ルートを策定
  • 重い資料もタブレットで軽々、報告も時短
  • ウエアラブルデバイスとIoTで現場の安全を守る

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