女性が自分らしく生き生きと働き続けるために
第一歩は、悩みや不安を共有できる「場」づくり

富士通では、全社的な働き方改革だけでなく、各部署や部門においても個別に働き方改革に取り組んでいます。今回は、「女性が自分らしく生き生きと働き続けるためにはどうしたらいいか」という問題意識をもとに、女性限定の研修会を開催し、コミュニケーションの活性化や「風通しのいい職場づくり」に取り組んでいる富士通 官公庁営業本部の取り組みを紹介します。

「女性」の割合が高まりつつある今、職場に求められていることとは?

官公庁営業本部は、主に中央官庁を対象としたアカウント営業を担っている部門です。業務の基盤となる基幹システムの構築をはじめ、職員の方々が使用するLANシステムの構築など、幅広くシステム構築を手がけています。部門全体では200名が在籍しており、そのうち女性は44名です。ただ、ここ数年、新入社員における女性の割合が増加しつつあります。女性の比率が高まるのと並行して、業務において重要なポジションを占める女性の割合も高まってきました。

その一方で、企業にとっては、「女性が継続して、生き生きと能力を発揮できる職場づくり」が重要な取り組みとなっています。企業において「人」はとても重要な経営資源です。業務で重要なポジションを占める女性の割合が高まる中、自分らしく生き生きと働き続けてもらうためには何をすべきかというテーマについて、掘り下げて考える必要がありました。

富士通では全社的に働き方改革を実践しています。業務効率化ツールやAI(人工知能)を活用して、残業時間の削減や従業員満足度の向上を実現し、最終的には企業の利益向上やお客様の満足度向上に繋げるのが目的です。官公庁営業本部では、そういったアプローチだけでなく、もっと現場に焦点を当てて、女性社員が本当に困っていること、不安に感じていることを聞き出すような「草の根的な取り組み」によって、女性が生き生きと働ける職場作りを実現することが必要であると考えました。

官公庁営業本部初の試みとして「女性限定の研修会」を開催

とはいえ、いきなり個別に「何か困っていることはありませんか」と聞いても、答えは出にくいものです。そこで、同じ部門で働く仲間と意見交換をしたり、悩みを打ち明けたりして「共有する」ためのネットワーキングの場を作ろうと、女性限定の研修会を開催することにしました。

第1回の研修会は、「自分らしく働き続けるために」をテーマに、2018年2月に開催。官公庁営業本部の女性社員35人が参加しました。研修会は、3つのワークショップで構成、1つめは、自己理解をテーマに「今までの自分を振り返る」というものです。キャリアチャートを作成し、どんなことで悩んだり苦労したりしたか、あるいは、「しているのか」を書いてもらい、それをもとに参加者で意見を交換しました。

今までの自分を振り返ることは、現在の「自己理解」に結びつく

2つめのワークショップでは、リラックスして自由な雰囲気の中で話し合えるように、ワールドカフェ方式(注)で「理想の女性像」について意見交換をしました。仕事とプライベートを両立していて、気配りができてしなやかな女性が素敵だとする意見が多く聞かれました。

  • 注)
    ワールドカフェ方式
    参加者を4~5人の少人数のグループに分け、メンバーを入れ替えながらいくつかのテーマについて自由に意見を出し合う、話し合いの方式

理想の女性像について、グループで討議

3つめのワークショップでは、そうした理想の女性になるにはどうしたらいいか、自分の考えを発表しました。明確な結論を出すのが目的ではなく、普段あまり話す機会のない同僚や先輩と色々な会話をして、何でも言いやすい風通しのいい職場の雰囲気を作ることを目的の1つとしました。

自分の考えを「My_か条」というかたちにまとめ、グループ内で共有

全世代が共感できるテーマ設定と
リラックスして語り合える雰囲気が成功のカギ

第2回の研修会は2019年2月に開催しました。第1回の終了後に実施したアンケートの結果を反映し、3つのセッションを組みました。第一部は、話を聞くセッション。官公庁営業本部から他本部へ異動した女性から話を聞くグループと、他本部から異動してきた女性から話を聞くグループに分け、他本部との違いや官公庁営業本部がどういう組織なのかを理解しようというものです。

他本部に異動した方にも、他本部から異動してきた方にも、今の業務内容や官公庁営業本部との文化の違い、元の本部での経験で活かせたことなどを話してもらいました。 例えば、ワーキングマザーが多い部署に異動した方に対しては「営業ではどのような改善をしたら良いか、自分たちができることは何か」という観点の質問や「仕事とプライベートを両立できるところで働きたい」という意見が多く出ました。
また、若手は営業・社会人としての経験が浅いことや「若手ローテーション制度(5年目ローテーション制度)」(注)を控えていることからどのようなキャリアプランを描きたいのかという悩みや異動自体への不安を抱いている人が多いことも感じられました。
他部門で働く女性の話は、富士通社内でも様々な働き方をあることを知り、自分たちにとって働きやすい環境とはどんなものか、またそのために何をすべきか考えるきっかけになったと思います。

  • 注)
    若手ローテーション制度
    入社5年目を迎える若手社員に対し、キャリアを振り返り今後のビジョンや成長につながる機会を与える制度

第二部は話をするセッション。「私のストレス発散法」をテーマに、ワールドカフェ方式でグループ討議をしました。

第三部は人事からの話。前回のアンケートで、社内制度などについて詳しく知りたいという意見があったので、育児、家族介護、配偶者の転勤などにより一度会社をやめても5年以内だと元の部署に戻れる「カムバック制度」(注)と、他の業務にチャレンジする機会を提供する「社内ポスティング制度」(注)について、人事部門から説明してもらいました。

  • 注)
    カムバック制度
    退職後5年以内の元社員を再雇用する制度
  • 注)
    社内ポスティング制度
    重点的に人材を強化したい職場が、即戦力が見込める人材を社内募集する制度

2018年、2019年と2回開催した女性研修会ですが、特徴は出席者を世代で切り分けず、全世代をターゲットとしたことです。女性の働き方や悩みなどは世代によって異なるので、全世代をターゲットとすると、世代に関係なく話が盛り上がるテーマ選定が大切になります。企画者として、そこに苦労しました。研修会自体が明るい雰囲気になるよう理想の女性やストレス発散法など、前向きなテーマを提示しました。また、人数が多いと発言しにくいと感じる参加者が多いと思い、お茶を飲みながらのワールドカフェ方式を取り入れたのもポイントです。

全体有益度で満点(10点)が58%に達した

不安を打ち明けて共感してもらえる
そんな「場」の提供こそが最初の一歩に

今回の取り組みにおいて、現段階では数字に表せるような定量的な効果は見えていません。ただ何より大きかったのは、同じ悩みを持っている人と話す場を提供できたことです。日々不安に思っていることを話して共感を得ることによって、「悩んでいるのは自分だけではない」という安心感が生まれ、孤独感の解消に効果があったと感じています。

もう一つは、異なる世代、とりわけ先輩社員の話を聞けたことで、それまでは漠然としていた自分の将来やキャリアについて、具体的なイメージをつかむきっかけとなったことです。また、今後も必要なタイミングで相談するためのネットワーキングという場を提供できたしたこと自体に、大きな意味があったと言えます。

さらに、今後の改善に繋がる課題も見えてきました。例えば第1回の終了後に実施したアンケートでは、女性に限定していることに違和感を持つ人がいることが分かりました。第2回の研修会で実施した話を聞くセッションでは、若手の参加者が多かったこともあり、女性としての悩みではなく、まず一人前の社会人として自分はやっていけるのかという不安をベースにした質問が寄せられました。それは、女性と男性に共通の悩みです。ほかにも、男性(特に幹部社員)にも理解を深めてもらいたい、そのためには研修会に男性も参加すべきでは、という意見もありました。

第1回研修会で示された参加者からの様々な意見や要望

話し合うテーマについても、これまでは全世代に共通のテーマを選びましたが、例えば子育てなどは興味がある世代もあれば、若い世代ではまだピンとこないかもしれません。世代を分けて、その世代ごとに関心のあるテーマを設定すべきなのか、あるいは全員参加にして、色々な世代や立場の人と交流を深めていくのがいいのか、そこは今後の課題と考えています。

現代は働く人の悩みも多様化しています。男性、女性、年齢、ライフステージなどによって事情が変わるので、一律ではありません。そこをどのようにして、やりがいを高めていくかが重要です。その意味では、官公庁営業本部の取り組みは働き方改革ではなく「働き甲斐改革」なのかもしれません。取り組みはまだ始まったばかりなので、今後どのように発展させて、定量的な効果に繋げていくか、模索している段階です。試行錯誤しながら取り組みを継続していくことに、大きな意味があると考えています。

2019年5月15日

官公庁営業本部
官庁第一統括営業部
第一営業部
シニアマネージャー
栗原 由子

[写真]

官公庁営業本部
官庁第四統括営業部
第一営業部
三原 淑子

[写真]

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