富士通の現場が取り組む働き方改革事例 第4回

業務の見える化と共有がコミュニケーションを活性化し従業員満足度が向上
SE部門が取り組むツールを活用した働き方改革とその効果

富士通では、様々な部門で働き方改革に取り組んでいます。今回は「従業員満足度向上なくして、顧客満足度を向上させることはできない」という思いから働き方改革に取り組み、ツールを活用して部門やチーム内の業務の見える化と共有を図ったことで、コミュニケーションが活性化し、残業時間の削減や従業員満足度の向上などの効果がでてきている富士通のSE部門の取り組みを紹介します。

隣の人が「どんな仕事をどれだけ抱えているのか」がわからない

第二マネージドインフラサービス事業本部はクラウドのインテグレーションを担務とするSE部門です。2015年度からの本部方針の1つに働き方改革が掲げられ、継続して取り組んでいます。本部の課題は、従業員満足度(ES)が低いことでした。ESが低い組織が、顧客満足度(CS)を向上させることはできません。そこで、ES改善に取り組んだのが始まりです。
当時は、隣に座っている人が、何の仕事をしているのかわからない状態であったため、各自が黙々と作業をしていたり、チーム内の仕事で手一杯で他のチームが忙しくてもフォローできなかったり、部下の面倒を十分に見ることができないといった状況でした。そこで、会議などの時間を削減して、新しいことに取り組む時間をつくり、業務の見える化と情報共有に取り組むことにしたのです。
業務の見える化や情報の共有をすることで、業務負荷の高い人をそうでない人がフォローできるようになり、コミュニケーションが活性化し、また、職場の雰囲気も変わっていくのではないかと考えました。

アナログ的な手法での業務の見える化と平準化には限界が

どうやって見える化をするか検討していたところ、社内の働き方改革に取り組む部門の成果報告会で、「ホワイトボードと付箋」を使って、自分たちの業務管理に取り組んでいる部門があることを知りました。ただ、成果が出ている一方で、いつでもどこでも情報を共有できるという点ではアナログなホワイトボードには課題もありました。 そんなときに、社内の情報交換会でホワイトボードと付箋をデジタル化したツール「webFusen」を開発して使っている部門が社内にあることを知り、このツールを広めていった方が良いと感じ、さっそく活用してみることにしたのです。

ツールの導入・活用がコミュニケーションのきっかけに

webFusenは、ホワイトボードと付箋をWeb上に再現した、「付箋イメージ」のチャットツールです。特長はリアルタイム性があること、チームワーク向上に役立つこと、そして、マルチロケーションにも対応していることです。

ホワイトボードの機能にデジタルの付箋を貼り、誰がどんなタスクを抱えているかといった業務の見える化とタスク管理で活用を開始しました。しかし、ただ貼っていくだけでは、誰がどんな業務を抱えているかはわかっても、その業務が現在、どんな状況なのかまでは把握できませんでした。

そこで、各タスクのステータスがわかるように、「待機」「実行中」「保留」「完了」というカテゴリに分けて、付箋を貼るという方法をとりました。これで、「実行中のところに多くの付箋がある人」は「仕事を抱え込んでいる」ということが一目瞭然になりました。

webFusenの活用例1: WIP(Work-In-Progress)ボード

webFusenのWIPボード

職場でも「webFusen、見たけど仕事、大変そうですね。何か手伝いましょうか」といった会話が自然にできるようになってきました。webFusenがきっかけになって、職場のコミュニケーションも活性化されたのです。

さらに、付箋の使い方を工夫して、タスクの数だけでなく、それにかかる時間もわかるようにしました。「付箋1枚」が「だいたい2~3時間で終わる仕事」と設定することで、付箋が4つ貼ってあると、基本的には「本日は手一杯」とわかるようにしたのです。

タスク管理ボードをメンバー内で共有するタイミングをある程度決めたことも活用が進むポイントになりました。メンバーみんなが確認と振り返りのタイミングをとること。つまり、「貼りっぱなしにはしない」ということが大切です。

また、プロジェクによっては、本社と全国にある支社・支店など、複数の拠点が協力して取り組むこともあります。そうしたケースでも、マルチロケーション対応のwebFusenを活用しました。

以前であれば、複数拠点にまたがるプロジェクトであれば、各拠点のプロジェクトのメンバーが本社に集まって定例会議を開き、リアルのホワイトボードと付箋でプロジェクトを管理するといった方法がとられることもありました。そうした方法では、メンバーが拠点に戻った後に、プロジェクトの進捗を随時、拠点間で共有するのが難しいのですが、webFusenを活用すれば問題を解消できます。実際、第二マネージドインフラサービス事業本部でも、東京と大阪のメンバーが協力して進めるプロジェクトがありました。そのときwebFusenを使うことで、両方の拠点のメンバーが、みなリアルタイムにプロジェクトの進捗を共有でき、とてもスムースに進行できました。

同時に富士通では働き方改革でテレワークを推進していますが、メンバーがテレワークをしていても、webFusenを活用すれば、各メンバーのタスクの進捗を共有できます。マルチロケーション対応なので、複数拠点にまたがったプロジェクト、テレワークのメンバーがいるプロジェクトの進捗管理にwebFusenは効果的です。

プロジェクトの「振り返り」にもツールを有効活用

さらに、プロジェクトの状態をKPT(継続案件「Keep」なのか、課題を抱えているのか「Problem」、チャレンジ案件「Try」なのか)に分けて明確化するようにもしました。

「Try」の案件は、良い提案であっても放っておくといつの間にか立ち消えになってしまうこともあります。そこで、KPTの「Try」の付箋を黄色で目立つようにして、ミーティングで、「Try」の付箋を中心に確認するようにするのです。そうすることで、継続した活動になってきました。

また、社内システムの開発の振返りにもwebFusenは有効です。社内システムの開発は、大阪と東京のチームが協力しあって、2週間ごとのスパンで開発を回す、アジャイル開発で取り組んでいます。東京と大阪で、距離は離れていても、同じ振返りのボードを見ながら、問題点がどこにあるかといった議論を毎週できるので、非常に効率的に開発を進められています。

webFusenの活用例2: KPT(Keep-Problem-Try)ボード

プロジェクト管理と振り返りに有効なKPTボード

こうして、業務やプロジェクトの進捗を「見える化」できたことで、誰が、仕事を抱え過ぎているかも、誰の手が空いていて、仕事を頼めるかもわかります。部門内での情報共有とコミュニケーションも活性化してきたと感じています。
また、情報の共有によって負荷分散が可能となり、業務の効率化もはかれるようになってきました。

残業時間の削減や従業員満足度向上に成果

富士通には、Qfinityという全社的な改善・革新活動があり、全社の様々な部門で改善活動に取り組んでいます。年に1回の成果発表の場があり、2018年度は、このwebFusenの取り組みが最優秀賞になり、全社でその優秀事例に学ぶというe-Learningが実施されました。それがきかっけで社内の多くの人に知ってもらい、現在では富士通の200を超える部門で活用が始まっています。さらに、製品化して発売することもできました。

webFusenを活用したことによって、ある部門では、残業時間10%削減、従業員満足度の4%向上といった成果がでています。

私たちの取り組みはまだ道半ばだと思っています。チームで楽しく仕事ができるよう、チームで助け合える環境、雰囲気を創り出して、チーム力がどんどん高まっていくような循環を産み出していきたいと思います。

2019年3月14日

富士通株式会社
第二マネージドインフラサービス事業本部
戦略企画部
岡本 康佑

富士通株式会社
第二マネージドインフラサービス事業本部
戦略企画部
岡本 康佑

第二マネージドインフラサービス事業本部
戦略企画部
高沖 陽子

第二マネージドインフラサービス事業本部
戦略企画部
高沖 陽子

「働き方改革(社内実践)」に関するお問い合わせ・ご相談

Webでのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

ページの先頭へ