富士通の現場が取り組む働き方改革事例 第3回 中編

「イキイキ・ワクワク・キラキラ」働ける職場を作る
働き方改革プロジェクト成功のポイントは幹部社員の意識改革

富士通の営業部門の1つである、産業ビジネス本部の取り組みを3回の連載で紹介する第二回目は、具体的な取り組み内容の紹介です。「テレワークの推進」「完全ペーパーレス化」「働きやすいオフィス環境の構築」の大きく3つの取り組みと成功につながったポイントを前回に引き続き、CCC(トリプル・シー)プロジェクトを牽引しているメンバーに聞きました。

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ベテランも新入社員も全員がテレワークできる環境を

CCCプロジェクトでまず取り組んだのが、全社に先駆けた「テレワークの推進」です。産業ビジネス本部は、2017年7月からVDI(仮想デスクトップ環境)とシンクライアント端末を導入して、テレワークによる“どこでもオフィス”の環境を整えました。

テレワークの対象範囲については議論もしましたが、「全員が使ってみないことには、本当の課題もわからないだろう」という考えのもと、「新入社員を含めた部門全員」を対象にしました。これは思い切った取り組みで、だからこそ、部門の全員が「この働き方改革への取り組みは本気だ」と思ってくれたのだと思います。

営業実務へのテレワーク適用にあたって、予定や所在の共有方法や、物理的に離れたなかで円滑にコミュニケーションをとる方法などに工夫が必要です。全員が違和感なく利用できるようにするためにテレワークを利用するためのガイドラインを作成しました。あらかじめ想定しうる課題に対してガイドラインを整備する事で、混乱なくテレワーク利用が浸透しました。

制度やルールは、改善できるものはとにかく早く改善することを続けましたが、自分たちはぜひ取り組みたいと考えても、総務部門など他の部門との調整が必要で時間がかかったものもありました。これは、働き方改革を進めるうえで、理解しておくべきポイントのひとつと考えます。

例えば、サテライトオフィスの設置もその1つです。時間はかかりましたが、現在では富士通の川崎工場、富士通ソリューションスクエア、新川崎テクノロジースクエアなどにサテライトオフィスを設置して、出張先や移動中などにテレワーク勤務者が働けるようになっています。

働き方改革成功のポイントは「トップメッセージによる意識改革」

テレワークが推進できた理由は大きく2つあると思います。1つが、シンクライアント端末の導入やサテライトオフィスの設置などの環境が整備できたこと、もう1つが、業務を改善していこうという雰囲気が本部内で形成されていたことです。

テレワークと並行して取り組んだのが「完全ペーパーレス化」です。業務効率化と意識改革の両面から机上の紙を一掃し、社内会議資料の印刷も原則禁止にしました。それに伴い、コピー機も半分以下に減らしました。

あわせて、みんなが無理なくペーパーレス化に取り組めるように、会議・打ち合わせスペースにはモニターを設置して紙の資料を持ち寄らなくても資料を共有できるようにしたり、電子印鑑システムを導入して、紙の書類に押印をもらわなくても、ペーパーレスで業務が完結できるようにもしました。

また、2017年12月末には「働きやすいオフィス環境の構築」にも取り組みました。どういうレイアウトやコンセプト、環境があれば良いかを議論して汐留本社にトライアルオフィスを開設し、フリーアドレス制にして4人机で自由に打ち合わせができるように配置しました。予約が不要な会議スペース、幹部社員専用ブース、リラクゼーションコーナーなども設置し、より柔軟な働き方を通してコミュニケーションの活性化を図る狙いがありました。

こうした社内実践の過程で感じたことは、改善策は、実際にやってみないとわからないことが多いということです。その一方で、効果がどのくらい出ているのかがわからないと進めにくいものがあるのも事実です。実際に取り組んでみたが、効果をすぐにあげるのが難しいと判断してひとまずストップした施策もあります。そこを見極めながら、働き方改革を進めていくことがポイントだと思います。

意識改革は「上司から連鎖する」ように広がっていく

各施策が推進できた理由として、管理職の意識の変化が大きかったと思います。例えば、ペーパーレス化の取り組みでは、社内の報告書の形式が変更されたことで、管理職の意識も変わりました。部門トップの理事 藤原 克己 産業ビジネス本部長への報告資料がA4サイズのパワーポイントに変更されたのが、大きな転機でした。

それ以前はA3サイズが主流でしたが、A3サイズではパソコンに表示しにくいので、プリントアウトが前提になります。資料フォーマットが、A4サイズへと変更されたことでパソコンで表示する事が前提となり、社内資料作成の工数が削減できました。管理職も本部長に対し、A4サイズの資料を提出し、説明することを最初から意識するようになり、その取り組みが部下に浸透するという、意識改革の連鎖が起きてきました。こうした変革は、ボトムから進めても難しいことがありますので、その流れが上手く形成できたと思います。

ペーパーレスの推進に当たっては、2週間という短期間で紙を全部なくすというメッセージを打ち出しました。紙を完全になくすことに対する抵抗は少なからずありましたが、1、2カ月たったら「いつも机がきれいで、今の方がいいよね」という現場からの声が上がってきました。

「トップメッセージ」による意識改革と、現場の声の「ボトムアップ」

CCCプロジェクトを進めてきた中で、オフィス内の雰囲気全体も明るくなったと感じています。汐留のトライアルオフィスに関してアンケートを取ってみたところ、回答者の9割が満足しているという結果が出ています。

テレワークなどオフィス以外でも仕事ができる環境が整備されたことにともない、実際にテレワークをする従業員も増えています。以前に 支給されていたノートパソコンは重く、持ち運びに苦労していました。しかし、新しいシンクライアント端末は、軽く、持ち運びが楽な点が好評です。

また、以前は、外出先にいた場合、定時前では一度帰社しないといけないという雰囲気がありましたが、テレワークやサテライトオフィスの方がより業務がはかどることもあるので、そういう環境が整備されたことでより働きやすくなったと思います。また、柔軟なフレックス制も導入されたことで子育て中の社員も場所にとらわれない仕事ができるようになっています。

若い社員の多くが新しい働き方を望んでいます。幹部社員から意識を変えることが成功のポイントだと思います。制度を整えても、テレワークすることを上司に伝えにくいといった環境では、何も変わらないと思います。幹部社員から柔軟な働き方を率先することが大切だと考えます。例えば、月曜日の朝などに集まってやっていた部会をWeb会議に変更してみることも方法の一つだと思います。

CCCプロジェクトでは、まず、テレワークやペーパーレス、フリーアドレスなどに取り組みましたが、それらを実現することが目的であったわけではありません。働く一人一人の意識改革こそが目的です。「職場環境が変われば、人が変わる。人が変われば、組織が変わる、組織が変われば、会社が変わる」という強い想いで取り組んでいます。

CCCプロジェクトの推進にあたっては、「トップメッセージによる意識改革」と「現場の生の声を通じたボトムアップの企画推進」を両輪に働き方改革に取り組んできました。今回のコラムでは、その具体的な取り組みのいくつかを紹介しました。次回は、このプロジェクトが目指す「ゴール」、その達成に向けての今後、注力していく取り組みなどを紹介します。

2019年3月22日

登壇者

富士通株式会社
産業ビジネス本部
プロセス産業第二統括営業部
第二営業部
マネージャー
喜多 昌之

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産業ビジネス本部
プロセス産業第一統括営業部
第一営業部
グループリーダー
加藤 貴之

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産業・流通営業グループ
デジタルビジネスセンター
AI・IoTビジネス推進部
井川 千春

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