富士通の現場が取り組む働き方改革事例 第3回 前編

「イキイキ・ワクワク・キラキラ」働ける職場を作る
「一人ひとりの意識改革」を根幹に動き出した働き方改革プロジェクト

様々な企業や組織で取り組まれている働き方改革。一方で、なかなか成果があげられない、従業員のモチベーションが下がるなど課題を持っている方も多いのではないでしょうか?今回紹介する富士通の社内実践事例は、富士通の営業部門の1つである産業ビジネス本部の取り組みです。2年にわたり働き方改革に取り組み、多くの成果をあげています。そのカギはどこにあるのでしょうか?プロジェクトを牽引しているメンバーに、プロジェクト発足の経緯から具体的な取り組みなどを3回の連載で紹介していきます。第一回目は、プロジェクト発足の経緯と、メンバーがどのようにプロジェクトを立ち上げ進めていったのかを聞きました。

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働き方は一つでなく、一人ひとりあった「多様な働き方」がある

富士通グループは、営業職や事務職、開発・研究職などさまざまな職種の従業員が働いており、それぞれに業務の内容や働き方が異なります。

営業部門の1つである私たち産業ビジネス本部が働き方改革の取り組みとして打ち出したのが、CCC(トリプル・シー)プロジェクトです。組織文化・ワークスタイルを変える「Change2020」、多様な働き方やキャリアプランの選択肢の充実を図る「CareerUp」、顧客満足度の向上を目指す「CS30」、というプロジェクトで取り組む3つの柱の頭文字から名付けました。

部門トップの理事 藤原 克己 産業ビジネス本部長自らが、「本部内のメンバー全員がイキイキ・ワクワク・キラキラ働ける職場環境を絶対に作るという強い思いの下に2017年3月から始めた独自の取り組みです。

[図]「ワークスタイルを変える」「キャリアプランの選択肢」「顧客満足度の向上」の3つを目指す

2017年3月、プロジェクトは藤原本部長自らが選出した部署が異なる8人のメンバー(マネージャークラスが2人、現場の若手6人)で立ち上がりました。

発足当時は、世間一般的に「働き方改革 = 残業時間の削減」という雰囲気があり、そのタイミングで働き方改革を打ち出しても、「どうせ残業を削減するだけでしょ」と思われてしまう懸念がありました。「ただ残業を減らすだけ」という活動では、どうしても現場には「やらされている感」がでてしまい、「押し付けられている」という印象を持たれてしまいます。それとは「別の視点」を持って活動していかなければなりません。

そこでまず、前例やルールにとらわれず、組織・世代・地域の壁を超えて働き方改革に取り組むことを活動指針に掲げました。そして、ワークスタイルを変えるだけでなく、3、5年後のキャリアを形成していくプランの選択肢を広げるというテーマや、最終的にお客様にフィードバックしていこうという思いから顧客満足度の向上をテーマに設定しました。

人の意識が変わらないと働き方改革は実現できない

産業ビジネス本部には、お客様の領域・業種ごとにさまざまな統括部があります。プロジェクトメンバーの8人は、それぞれが統括部の代表という形で選出されました。同じ本部でも所属部門が異なると、組織風土や組織文化も異なります。発足当初は、メンバー間での横の会話が成り立たないこともありました。それでも、議論をし、意見を交わしていくうちに、部署によって、非効率とも思える文化や風習があることもわかりました。

各自が抱いていた課題感を共有して話し合い、本部員の理想の働き方や課題について仮説を立てました。さらに、その仮説がメンバーの思い込みではないことを確かめるために、産業ビジネス本部の全従業員約800名を対象にアンケートを実施しました。

メンバーで立てた仮説から、すぐにアクションを起こすのではなく、アンケートを実施したことで、より解決すべき課題を明確にしたのです。アンケートでは、ただ単に選択肢を選ぶだけではなく、より本音を出してもらえるような工夫もしました。

例えば、自由な意見を聞くため匿名にしたり、「あなたの考える理想的な働き方とは?」「世代間ギャップを感じたことはあるか?」「ワークスタイルを変えるためにはどんな取り組みが必要だと思うか?」「今後も営業職を続けていきたいか」などの項目については、自由記述形式にしたりもしました。

また、「富士通あるあるや富士通川柳を作ってください」という質問も盛り込みました。遊びの要素も踏まえることでみんなが考える理想の働き方や、解決しなければならない課題などの生の声を引き出すようにしたのです。

アンケートに関しては、本部長からの協力要請をメッセージとして出してもらいました。その結果、約9割の回答が得られました。その内容を基に具体的な施策を企画、提案して、関連部署と連携しながら2017年度は約40の施策に取り組んだのです。

[図]現場の声をもとに約40もの施策を推進

プロジェクト活動の根幹には「人の意識が変わらないと働き方改革は実現できない」という思いがありました。CCCプロジェクトでは「共感」をキーワードに活動しています。8人だけでは何も変えることはできません。本部内約800名の意見を取り入れて多くの人に共感してもらえるように努めました。社内Webサイトやメールなどでプロジェクトの活動内容を共有していくことも大事にして取り組んでいます。

1カ月に1つは「あっ、変わったな」を実感できるように

プロジェクトメンバーは、一人一人が本気で取り組む、意見を持っている人を指名したのだと感じています。「私たちは統括部の代表だ」という、ある種の使命感を持ってプロジェクトに参加しています。

通常は週一回の定例ミーティングを設けて活動しています。ただ、メンバー間で毎日コミュニケーションを取っています。メールをベースにビジネスチャットやWeb会議なども活用しています。プロジェクトメンバーでやり取りされたメールは2年間で8000通以上にものぼります。プロジェクト開始直後は、1日50通になったこともあります。瞬発的かつリアルタイムに判断しながら活動してきました。

プロジェクトメンバーは通常の業務を担当しつつ改善活動に携わっています。もちろん本業優先ですが、部署内での協力体制が取れているので業務と両立できています。何よりも本部長直々の思いのある取り組みでもあるため、みんながフォローするという意識が共有されているのです。本部内や関係部署における協力者もどんどん増えてきました。

企画した施策は、とにかくやれそうなことには全部取り組んできました。私たちは営業部門なので、お客様への提案など外向きの仕事が中心です。そのため、社内の環境整備という面では素人です。関係部署がどこなのか、何から手を付ければよいのかわからず、手探り状態で始めました。

ひとつチームで決めたことは「1カ月に1件以上新しい施策を展開する」ことです。短いスパンの中で、みんなが「あっ、変わったな」と実感できるように取り組んだことで、私達の取り組みに対する共感も得られ、一人ひとりの意識も変わってくると考えたからです。

一つ一つの施策の進め方は千差万別ですが、まず課題を見つけ、どうしたいかのゴールを設定し、関係部門と議論するというオーソドックスな方法です。関係部門からするとユーザ部門から直接意見を言われる様な状況になってしまうので、特に丁寧に取り組みの背景から説明して、協力頂けるように働きかけることを意識しました。

全社にかかわることや自部門だけでは実現できないこともありますが、試して失敗したプロジェクトはなかったと認識しています。プロジェクトの主役は、産業ビジネス本部の従業員であると共感してもらえるようなボトムアップの企画に取り組んでいます。

CCCプロジェクトでは、「トップメッセージによる意識改革」「現場の生の声を通じたボトムアップの企画推進」の両輪で働き方改革を推進しています。次回は、具体的にどういう施策を展開しているのかを効果も含めて紹介します。

2019年3月8日

登壇者

富士通株式会社
産業ビジネス本部
プロセス産業第二統括営業部
第二営業部
マネージャー
喜多 昌之

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産業ビジネス本部
プロセス産業第一統括営業部
第一営業部
グループリーダー
加藤 貴之

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産業・流通営業グループ
デジタルビジネスセンター
AI・IoTビジネス推進部
井川 千春

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