《働き方改革を実現するためのアプローチ「新しい働き方の定着」》

進化しながら定着させる働き方改革とは
~大切なのは「Vision-ありたい姿-」「Action-具体的な行動-」「Passion-変革への想い-」の好循環~

働き方改革への取り組みを「かけ声だけ」で終わらせないためには、改革の具体像(イメージ)と、その取り組みを「定着」させることが大切です。それには、社員に「定着することでどのようなメリットがあるか」を分かりやすく提示し、定着させるための取り組みを実践することが大切です。そのポイントを紹介します。

新しい働き方の「定着」とは好循環を生みだすこと

職場にはベテランや中堅の社員もいれば、入社したばかりの社員、育児・介護などの事情を持つ社員もいます。また、営業職や事務職、開発職などさまざまな職種の社員がいて、それぞれに仕事の内容や働き方が異なります。そうした中で働き方改革を定着させるには、まず、社員一人ひとりが理解し納得できる、働き方改革によって実現したい「Vision」の共有が重要になります。次に、そのVisionを実現するための自律的な行動となる「Action」、さらに働き方改革の取り組みを継続的に実践し、改善していきたいと思う「Passion」の3つが重要な要素となります。

働き方改革を定着させるということは、「Vision」「Action」「Passion」のサイクルを回すこと、といえるでしょう。そのサイクルの中で働き方改革の効果を「見える化」でき、それを体感できれば、さらにモチベーションはアップし、Passionを引き出して「もっとこうしたい」「そのためにこんなことをやってみたい」と、VisionやActionがレベルアップしていきます。この好循環を回すことで、働き方改革は進化しながら定着していくのです。

Visionの策定には、導き方や俯瞰的な視点が必要

それでは、この好循環をうまく生み出すにはどのようなことが必要なのでしょうか。最初にやるべきことは、Visionの策定です。会社として実現したいVision、すなわち目指す方向を従業員一人ひとりと共有し、その集合体として価値を創出する組織に改革するのが働き方改革です。

しかし、納得性のあるVisionの策定は難しく、自社の職場の風土や仕事に対する意識というものは、自分たちで分析し顕在化することはなかなか困難です。そこで、一歩引いたところから俯瞰的、客観的な視点でのアドバイスを受けることのできるコンサルティングサービスを利用いただくことも、選択肢のひとつではないでしょうか。

理想のワークシーンを描き、実現度を測るKPIを設定する

Visionの策定とあわせて、働き方改革を定着させるために重要なことは「Passionをいかに引き出すか」ということ。つまりは、モチベーションをいかに高めるかということです。それには、Visionに基づいた適切な「KPI(key performance indicator:重要評価指標)」の設定が不可欠です。適切なKPIの策定により働き方改革の効果が見える化し、経営層とも共有することで、働き方の変化の確認や改善施策の検討が可能になります。

KPIを設定することで、働き方改革の進捗や変化をモニタリングできるようになります。しかし、そもそもVisionを策定していないまま、闇雲に「残業時間の削減」をKPIに設定し、「●●時間減ったから働き方改革が進んだ」とはなりません。大切なのは、どうしてそのKPIを設定したのか、その「根拠」です。

どうすれば、意味のあるKPIを設定できるのでしょうか。それには、「理想のワークシーン」を描くことがポイントです。例えば、育児と仕事の両立を理想の働き方とした場合、そのシーンを実現するためにはどのようなことが必要になるでしょうか。そのシーンを実現するために「残業時間を現在の3分の2に減らす」というKPIが算出されるなら、そのKPIは意味のあるものです。そして、そのKPIを達成するための具体的なステップや施策を検討できるようになります。

ただし、理想の働き方のシーンは一人ひとり異なりますし、同じ人でも一つではないかもしれません。そういうときは、ワークショップの場などで理想のシーンをいくつも出し合って、そのシーンに優先順位をつけ、整理をしていくのです。すると、理想のシーンの集合体がVisionであるということにも気がつくでしょう。

ツールを活用して新しい働き方を定着させる

社員一人ひとりが、自分自身の「理想のワークシーン」を描き、その実現のためのKPIを設定し、そのKPIを達成する施策を具体的に検討する過程では、ツールの活用も有効です。例えば、「FUJITSU Software TIME CREATOR」というツールは、定時前の残業申請や未申請時のPCシャットダウン機能に加え、PCの操作ログを元に一人ひとりの業務内容を可視化する機能を持ち、新しい働き方の定着をサポートします。

ただし「ツールを導入して終わり」ではいけません。あくまでも道具(ツール)として、上司と部下、チーム内でのコミュニケーションに活用することで本来の効果を発揮します。例えば、富士通が積極的に開発を進めているAI(人工知能)を活用したソリューション「FUJITSU Workplace Innovation Zinrai for 365 Dashboard」では、業務実態を正確に計測し、自分がこの1週間どんな仕事をしてきたのかをダッシュボードで見える化できます。このソリューションを使えば、上司やチームリーダーとの面談の際に作業ログを見ながら「会議が多かったようだけど、無駄な会議を減らしてみてはどうか」、「集中して資料を作る時間を夜ではなく昼にシフトしたらもっと早く帰れるようになるのでは」といった対話ができます。社員一人ひとりが、より働きやすくなるための納得感のある方策を話し合うことができるのです。

働き方改革の定着のために、全社員へのアンケートも効果的です。Vision、Action、Passionのサイクルを回すために、最初に設定したVisionやKPIの達成状況についてアンケートでデータを集め、結果を公表して自社の改革の進捗度をオープンにしていきましょう。

富士通が持つメソッドや場を活用して新しい働き方の定着を

働き方改革は、社員一人ひとりのワークライフバランスや幸せな生活のためだけでなく、グローバル社会において会社の競争力を高めるための重要な経営課題です。世界中の企業との人材獲得競争に負けないためにも、社員が働きやすく、高い生産性を発揮できる会社に変わっていかなければなりません。

働き方改革の本質は、社員一人ひとりが最大のパフォーマンスをあげるための組織変革だと考えます。そのためには将来のありたい姿を描くところから、すぐに実践できる具体的な施策までセットで考える必要があります。社員の意識や会社の風土に大いに関連することなので、一歩引いた客観的な視点も重要です。新しい働き方を定着させ、働き方改革を成功させるために、富士通のメソッドや共創の場などをうまく活用してみてはいかがでしょうか。

2019年1月18日

株式会社富士通総研
コンサルティング本部
ビジネスデザイングループ
シニアマネジングコンサルタント
根本 高広

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