WIRED CONFERENCE 2020
FUTURES LITERACY

2020年12月3日

Well-being for The Earth「よりよく生きること」の探求

THEME

社会的な健康とは何か。
— デジタルトラストとWell-beingの相関関係 —

一人ひとりのWell-beingとともに築かれる「社会的な健康」。その実現のために、生活者の視点から社会と産業のリデザインを目指す「ソーシャルデザイン」として何を目指し、何に取り組んでいくのか。さらには、富士通のテクノロジーやDXが、社会とどう結びつき、どうリデザインしていくのか。
富士通ソーシャルデザイン事業本部・有山本部長が、予防医学研究者の石川善樹氏(公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事)を交えて「デジタルトラストとWell-beingの相関関係」について語り合いました。

SPEAKERS

有山 俊朗
富士通株式会社
ソーシャルデザイン事業本部長

富士通株式会社に入社以来、宇宙分野でのシステム構築・データ利活用、また研究機関と連携したAIやスパコン等の先端科学技術の社会実装に従事したのち、現在はソーシャルデザイン事業を推し進める。


石川 善樹
予防医学研究者

1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得
公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事
「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。
専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念進化論など。
近著に『考え続ける力』(ちくま新書)など。


松島 倫明
『WIRED』日本版編集長


DISCUSSION

Well-being、そして社会的な健康は、社会と産業の再構築(リ・デザイン)を掲げる富士通ソーシャルデザイン事業本部とっても、これから取り組むべき大きな課題といえます。では、私たちにとって、社会的な健康とは何か。概念的にいえば、どれだけ寛容な人々の関係性が維持され、それぞれの違いを認められるかということ。さらに、事業的な観点でいうと、自らの意志で自身のライフログ・データを社会に流通させられるということになると思います。

社会の健康を構築していく上で、データは非常に重大な役割を担っていくものです。例えば、ヘルスケア流通であれば、生活者が自分の意思で自分の症歴データを提供して最適な薬を得る、人の助けになる。これからは、人と人とのデータを介した関係性を構築することが求められます。ただ、そのためには、個人情報の取り扱いなど、法的なハードルがあるのも事実です。だからこそ、これからは、規制を変えていくイノベーションが必要だと思っています。私たちには、個人の意思で自身のデータを使える・管理する・必要な人に提供できる、「データポータビリティ」を社会に実装するだけの技術はあるのですから。

また、個人とこれだけ密接に結びついていくデジタルにおいて、重要なのがデジタルトラストです。このデジタルトラストを企業としてどうつくっていくか。そのためには、今は分かれてしまっている業種同士を、テクノロジーを通じて結びつけることが必要だと私たちは考えています。デジタルには、ここまでがデジタルという領域はないのです。例えば、富士通では先端テクノロジーの領域と分野の研究者の実業を掛け合わせ、創薬事業へ参画しました。真の課題に辿り着き解決していくためには、領域侵犯しても、お互いの領域を超えること。それが、デジタルトラストにもつながっていくと思います。

デジタルにおいても、Well-beingにおいても、これからは、もっと、もっと、長期的な視野が必要です。長期的な課題のひとつとして、例えば安心・安全なAIの社会実装があります。AIがどのようなデータを入力とし、ディープラーニングの過程でどこが影響してどう学んだのかを説明可能にしなければならないと思います。つまり、ブラックボックスにしてはいけないということです。生活者が自らデータを提供しトラストな関係を築く、それがトラストの根っこになるのです。持続可能な仕掛けにより社会の信頼感を築き、社会的な健康の実現をする。そのために、私たちは、この先もずっと、挑戦し続けていきます。

MOVIE

ディスカッション内容の全体はこちらからご視聴いただけます。

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