新たな用途が広がる生体認証の可能性
~ 世の中はより便利によりスマートに ~

近年、生体認証の利用が拡大しつつあります。従来は、企業内のPCログオンや入退室管理で多く用いられてきましたが、勤怠管理との連携など用途が広がってきているだけでなく、一般利用者を対象にした新しいビジネスへの応用も始まっています。

富士通では2004年から手のひら静脈認証技術の開発、普及に取り組み、ATMやPCなどに組み込んできました。その15年を超える豊富な経験、日本国内に留まらずグローバルでのさまざまな導入実績をもとに、生体認証の新たな活用法と今後の可能性について解説します。

利便性と運用コストを生体認証で改善

認証とは利用者を特定する技術であり、従来はパスワードやICカードなどが多く使われてきました。パスワードは記憶に、ICカードはモノに依存するものですが、「パスワードを忘れた」「ICカードを紛失」となればPCやシステムを使えなかったり、オフィスに入れなかったりすることも起こりえます。
その点、自分の体を使って認証を行う生体認証は、記憶する必要もなく紛失の心配もありません。
生体認証には、手のひら静脈をはじめ、指紋、虹彩(目)、顔、声紋など、いろいろな認証方式があります。それぞれにメリット、デメリットがあるので、用途に適した方式を選択することで利便性や運用効率、セキュリティを向上できます。

生体認証のメリットの一つが高い利便性です。例えば、IDとパスワードを入力してPCにログオンするパスワード方式に比べ、生体認証のログオンはずっと簡便です。手のひら静脈認証ではセンサーの前に手のひらをかざすだけ、顔認証であればPC内蔵のカメラの前に顔を見せるだけで簡単にログオンできます。(図1)

多くのセキュリティ製品は、「導入すると利用現場で行う作業が増える」「今までできたことができなくなる」などの不満が生じるものがほとんどでした。しかし、生体認証を導入した企業の情報システム部門から「利用部門から喜ばれるセキュリティは初めてだ」という声が聞こえるほど、利用者にもたいへん喜ばれる仕組みです。

また、コスト面でも効果が見込めます。センサーなどの初期コストが掛かるとはいえ、生体認証はパスワードやICカードの方式よりも運用コストを抑えられます。パスワードを使う場合、利用者にはパスワードの定期的な変更や複雑な文字の組み合わせが求められ、パスワードを忘れた場合はリセットしなくてはいけません。一方管理者は、利用者がパスワードを長い間、変更せずに使っている場合に変更を促したり、パスワードリセットに関する問い合わせへの対応など、運用の負荷やコストがかかります。ICカードの場合は、カード自体が高価なうえ、盗難や紛失の際には再発行にコストがかかります。

実際、ICカードから手のひら静脈認証に切り替えて、それらのトラブル対応が激減した例もあります。大阪府和泉市様では、ICカードの動作不良や破損、不携行といった問い合わせに、毎朝、情報システム部門に職員の行列ができていたのですが、生体認証に切り替えて解消したそうです。

このように運用にかかる業務までを含めてコスト換算してTCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)を考えると、生体認証のコストは高くはないといえるでしょう。生体認証の仕組みを導入した情報システム部門からは「以前は運用に疲弊していたが、負担が軽くなった」という声をよくいただいています。

(図1)企業内でのPCログオン認証ニーズの変化

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概要

  • 利便性と運用コストを生体認証で改善
  • 一般企業だけでなく、自治体、金融機関、病院などでの認証にも利用
  • 一般利用者向けの新しいサービスに使われる生体認証
  • 未来の生活スタイルの到来にも生体認証が寄与
  • 今よりももっとスマートな社会にするには生体認証は欠かせない
  • 生体認証を導入するには?

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