ITスペシャリストコラム

図解でわかるハイブリッドIT導入のポイント④
~「標準化で進める運用」編~

近年広がりを見せるハイブリッドIT。その導入/運用を成功させるカギは「企画~構築~運用」の標準化にあります。 前回までのコラムでは、企画と構築に焦点を当て、その標準化のポイントをご紹介しました。
今回のコラムでは、運用について、その標準化の考え方と進め方をご説明します。

「クラウド移行で運用が楽になる」は間違い?運用負荷増大に苦しむ現場部門

加速するクラウドの本格利用。「物理機器の運用管理から開放され、運用にかかる人員やコストを削減したい」という期待から、システム基盤としてクラウドの導入を検討する企業も多いのではないでしょうか。

しかし近年、「クラウド導入によって運用の負荷が増大してしまった」といった声を多く聞くようになってきました。
業務システムの中には、業務から要求される性能やセキュリティなどの観点から、クラウドには移行できず、オンプレミスを選択するシステムも存在します。そのため、最近のITシステムはクラウドとオンプレミスを併用するハイブリッドIT型のシステム基盤となるケースが増加傾向にあります。つまり、クラウドの導入は「物理機器の運用から開放」ではなく、「クラウドの運用が新たに加わる」ということを意味するのです。さらに、クラウドの運用はオンプレミスの運用と比べて、お客様にとってはなじみの少ない世界です。その運用管理を適切に実施することは難しく、現場でのトラブルや運用負荷増大を招く結果となるわけです。(図1)

新たなビジネス基盤として必要不可欠なハイブリッドIT。業務効率化の実現や新規ビジネスへの対応を可能にするために、ハイブリッドITにおける効率的な運用管理の確立が急務となっています。

図1 運用サービスの全体イメージ

効率的な運用管理の確立が急務!ポイントは運用業務の「標準化」

クラウドの運用では、リソースの払出しや利用実績の管理など、クラウド特有の運用項目が存在します。そのため、クラウドの運用経験に乏しい状態で手探りの運用設計を進めてしまうと、必要な検討項目を見落としやすく、結果としてトラブルや非効率な運用を招いてしまうリスクがあります。さらに、こうした運用設計は、システムごとに都度検討が行われるケースが少なくありません。

このような運用設計を重ねると、運用管理の検討工数の増大はもちろん、システムごとの運用作業のばらつきや重複などが存在する非効率な運用となってしまいます。

こうした問題を解決し、効率的な運用を実現するためには、運用設計を「標準化」することが重要となります。
具体的には、クラウドの運用に必要な運用項目とその運用フローをあらかじめテンプレート化し、いくつかのパターンとして集約。開発部門が、必要な運用テンプレートを選択するだけで運用設計を行えるという状況にしていくのです。
まず、第一のステップは必要な運用項目の整理です。

クラウドで必要となる運用項目は、クラウド特有の運用項目も含め、非常に多岐にわたります。そのため、毎回プロジェクトごとに検討を繰り返していては、検討工数が膨れ上がるだけでなく、必要な項目の抜け漏れが発生するリスクも高まります。
そこで、必要な項目がひと目で把握できるよう、あらかじめ必要となる運用項目を洗い出し、整理することが重要です。(図2)

図2 ハイブリッドITの運用に必要な項目のイメージ

続いて、整理した項目に基づき、それぞれの運用についてその運用フローを策定します。(図3)
特にクラウドの運用は、これまで培ってきたオンプレミスの運用とは異なり、運用担当者も含め、クリティカルポイントがつかめていません。効率的で品質の高い運用を実現するためには、各システムの運用において「誰が(役割)」「何を(作業項目)」「どうやって(フロー)」実施するかを明確にし、標準的な運用フローとして整理することが重要となります。

図3 運用を担う人・部門を明確にした運用フローの例

構築の標準化で効果的なクラウドシフトを実現

このように運用項目と運用フローを整理し、運用設計を標準化することで都度の検討を不要とし、検討工数を大幅に削減します。
また、整理・標準化することで、プロジェクト間などにおける作業のばらつきや重複を解消。さらに、効果的なアウトソーシング活用が可能となり、運用管理の効率化を図ることができます。

ベンダーのノウハウを活用し、高品質なクラウド運用を実現

ここまで、ハイブリッドIT運用の標準化について、そのポイントについてご紹介してきましたが、運用項目の洗出しや運用フローの策定は簡単な作業ではありません。

クラウド活用では考慮すべき運用項目が数多くあり、検討を進める中で見落としが発生するケースも多々あります。
抜け漏れなく、高品質で効率的なハイブリッドIT運用の実現に向け、ノウハウを持ったベンダーと共に運用業務の標準化を進めていくことも有効な選択肢の一つです。

富士通では、過去600社の商談対応実績で蓄積したノウハウを基に作成した運用項目の一覧や、運用フローをテンプレートとして用意し、お客様の運用業務の標準化による運用最適化をお手伝いしております。ハイブリッドITでお悩みのお客様はぜひご相談ください。

2019年3月1日

富士通株式会社
グローバルマーケティング本部
ハイブリッドITオファリング統括部長
藪田 有司

製造業のお客様を中心に、ICTインフラ最適化のプロジェクトに数多く参画。現在は各種のクラウドサービス、オンプレミス環境も含むICTインフラ基盤のオファリングの企画・提供を行う。

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