ITスペシャリストコラム

図解でわかるハイブリッドIT導入のポイント②
~「標準化で進める企画」後編~

近年広がりをみせるハイブリッドIT。その導入/運用を成功させるカギは「企画~構築~運用」の標準化にあります。
前回のコラムでは、企画段階における標準化のポイントとして、「4つの観点でシステム基盤の選定基準を明確化すること」をあげ、そのうちの2つ(「サービスレベル」「セキュリティレベル」)について、その考え方と進め方をご説明しました。
今回のコラムでは、残る2つの観点を中心に、企画段階における標準化の考え方と進め方をご説明します。(図1)

4つの観点でシステム基盤の選定基準を明確化

前回のコラムでは、「サービスレベル」と「セキュリティレベル」の観点からシステム基盤の選定基準を明確化し、マトリクスを作成しました。(図2)
このマトリクス上にプロットされるシステム基盤については、「本当に開発者が設計/運用を行うことが可能であるのか」を検討する必要があります。そこで重要となるのが残る2つ、「インフラ運用」と「クラウド活用の留意点」の観点です。

-観点その3:「インフラ運用」

クラウドの運用サービスとして提供される項目(「ヘルプデスク」や「システム監視」など)は、各クラウドサービスによって異なっており、提供されない項目については、アウトソーシング活用も視野に入れ、自前の運用サービスとして用意をしなくてはなりません。そこで、数多くある運用作業項目について、クラウドの運用サービスとして提供される項目と提供されない項目に整理をします。(図3)
こうして見える化されたクラウドごとの「自前で用意しなくてはならない運用サービス」を基に、人員などの状況を踏まえ、「自前で用意できる運用サービスの範囲」に応じた適切なクラウドを選定することが、重要な3つ目の観点となります。

-観点その4:「クラウド活用の留意点」

クラウド活用を検討する上では、可用性、性能・拡張性、ハードウェア機能など、数多くの制約事項を考慮する必要があります。こうしたクラウド特有の制約事項に対して、「梅/竹レベル」の業務であれば比較的簡単に対応できますが、「松レベル」の業務となると高度な設計が行えるだけの高いスキルレベルが必要です。このように、クラウドの利用や選定を考える上では、各留意点に対して対応できるスキルレベルを開発者が持っているかどうかも重要な観点となります

標準化されたシステム基盤を「基盤サービスメニュー」として提示

これら「インフラ運用」と「クラウド活用の留意点」の2つの観点を加え、「サービスレベル」と「セキュリティレベル」を組合せたマトリクスにシステム基盤をプロットし、システム基盤の標準化を図ります。
例えば、「クラウドファーストで検討を進めたいが、パブリッククラウドの経験やスキルが不足しているので、できるだけ運用の手間もかけたくない」という企業の場合は、プライベートクラウドを中心とし、サービスレベルが「松」の業務システムはプライベートクラウドで対応するようにプロットしていきます。(図4)
反対に、「ある程度のパブリッククラウドのスキルをお持ちで、もっとクラウド活用を加速させたい」という企業の場合は、パブリッククラウドを中心とし、「松」レベルの業務システムまでパブリッククラウドの活用範囲を広げてプロットします。(図5)

こうして標準化されたインフラ基盤は、図4,5のように「基盤サービスメニュー」としてメニュー化することで、利用者に活用したいものを選んでもらう仕組みを整備することができます。このように利用者の利便性を高めることで、標準化の浸透を図ることも重要なポイントです。

ここまで、企画段階における標準化の進め方と考え方をご説明してきました。
次回のコラムでは、構築における標準化について、その重要性とポイントをご説明いたします。

※富士通では、これまでご紹介してきた内容を体系化し提供しています。コラムにてご紹介した「基盤サービスメニュー」や「各種テンプレート」もご用意しておりますので、ぜひご相談ください。

2018年12月27日

富士通株式会社 オファリング推進本部
ハイブリッドITオファリング統括部長
藪田 有司

製造業のお客様を中心に、ICTインフラ最適化のプロジェクトに数多く参画。現在は各種のクラウドサービス、オンプレミス環境も含むICTインフラ基盤のオファリングの企画・提供を行う。

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