ITスペシャリストコラム

ハイブリッドIT運用の落とし穴
~「システムトラブルの原因が分からない」を防ぐためには?~

パブリッククラウドの進展、機能の拡大に伴い、パブリッククラウドを活用しながらオンプレミスシステムも利用するICTシステムのハイブリッド化を進める企業が増えています。前回のコラムでは、見落としがちな問題として「クラウド乱立によるICTガバナンスの低下」について、その検討のポイントをご説明しました。他にも構築や運用を見据え、企画段階から考慮すべき問題は多岐にわたります。今回はその中でも、運用の段階で多くのお客様が頭を悩ませるポイントであり、障害発生時の対応を左右する「ネットワークの複雑化」について、その問題点と検討のポイントをご説明します。

ネットワークをはじめとした、システム全体の複雑化

クラウドサービスの活用が拡大する一方で、企業の業務システムの中には、性能、情報セキュリティやライセンスなどの問題から、クラウドには移行できずにオンプレミスで運用をしなくてはならないシステムも存在します。こうした状況の中で、パブリッククラウド、オンプレミス、プライベートクラウドを連携させたハイブリッド環境を選択する企業が増加しています。

しかし、複数の異なる環境が混在するハイブリッドITのシステムは、それらをつなぐネットワークなど、システム全体の構成が複雑化するのに加え、クラウドとオンプレミスの2種類のシステムを運用しなくてはならないため、運用部門の負荷は大きくなってしまいます。

さらに近年では、セキュリティ対策や働き方改革に対応するため、ハイブリッドIT環境下でVDI(仮想デスクトップ環境)を利用する企業も増えてきており、これらを接続するネットワークを含め、その運用管理は複雑化し対象範囲も拡大していくことが予想されます。

レスポンス低下やパフォーマンス悪化の原因がすぐに特定できない

こうして複雑化したハイブリッドIT環境では、システムのパフォーマンス低下などの問題が発生した場合、その原因特定には時間がかかってしまうのが一般的です。これは、パフォーマンス低下の原因を調査する上で対象となる範囲が、サーバやネットワーク、クライアントなど多岐に渡っていることや、パブリッククラウドのOSレイヤー以下にブラックボックス化された部分があることで不具合箇所の特定が困難になってしまうためです。例えば、VDI環境での品質トラブルでは、その原因切り分けに1~2カ月かかったというケースもあります。

さらに、ハイブリッドITを構成するネットワークにおいて、パフォーマンス低下などの原因を明確化できない理由としては、統一された解決手順が用意されていないこともあげられます。

一般的なハイブリッドITの環境では、ネットワーク全体を俯瞰できる手段がありません。ハイブリッドITを構成するネットワークでは、それぞれの環境で個別の管理ツールや監視サービスが使われています。このため、個々のツールやサービス上でログを収集し、それらを同じテーブル上で解析するまでネットワーク全体の状態が把握できません。

ポイントはハイブリッドIT全体の「可視化」

ネットワークの障害は業務停止に直結します。こうした問題を解決するためには、管理ツールを活用してオンプレミスとクラウドの両方をカバーしたネットワーク全体を可視化することが重要になるのです。

ネットワーク全体を同一のGUI画面上で表示させトラフィックの状態などが確認できれば、ハイブリッドIT上で発生するトラブルでも問題箇所の特定をスピーディーに行えます。
ブラックボックス化された箇所が多いパブリッククラウドでも、問題箇所がオンプレミス側にあるのかクラウド側にあるかを短時間で判別出来れば、トラブルの解消に大いに役立ちます。例えば、問題箇所がクラウド側にあることが特定されれば、サービスの提供者側に不具合の是正を求めれば良く、オンプレミス側で端末環境を確認する作業から解放されることになるのです。

このように、複雑化したハイブリッドIT環境に対しては、管理ツールを活用しネットワーク全体の可視化を行うことで、運用管理の負荷を軽減することができます。

今回は、ネットワークの複雑化をテーマにハイブリッドIT導入の検討ポイントをご説明しました。

この他にもハイブリッドITの導入にあたり考慮すべき問題は多岐にわたります。

富士通では、こういった考慮すべき問題の洗い出しや効果的なツールの活用方法をはじめ、豊富なハイブリッドIT商談経験で蓄積された様々なノウハウを基に、企画から運用までを体系化したトータルソリューションサービスを提供しておりますので、ぜひご相談ください。

2018年11月22日

富士通株式会社 オファリング推進本部 インフラオファリング推進部
高藤 大輔

富士通のハイブリッドIT関連のフィールド支援を担当
ハイブリッドITの分野におけるオファリング企画、拡販などに従事

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