ITスペシャリストコラム 第9回

ハイブリッドクラウド運用の落とし穴
~「クラウド乱立」によるガバナンス低下を防ぐためには?~

オンプレミスの既存資産を活かしながらパブリッククラウドの活用も進めたい。このようなニーズから、ICTシステムのハイブリッド化を進める企業が増えています。ハイブリッドクラウド環境においても、オンプレミスと同様に、企画段階から構築や運用を見据えて全体設計を行うことが重要です。(参考:「クラウド乱立のリスクをいかにして回避するか成功の鍵は「企画~構築~運用」の標準化にあり」)しかし、見据えるべき検討ポイントや注意点は実際にクラウドを運用する中で見えてくるものが多く事前の洗い出しが難しいため、検討漏れによる重大インシデントにつながる危険性が大きくなってしまうことが問題になっています。では、ハイブリッドクラウドの企画段階において具体的に何を考慮すべきなのでしょうか?今回はその一例として「クラウド乱立によるガバナンスの低下」について、その問題点と検討のポイントをご説明します。

クラウドの乱立によるガバナンスの低下が問題に

デジタルテクノロジーを積極的に活用し、それをビジネスのエンジンにすることで、新たな価値を創出する取り組みが、多くの企業で進みつつあります。

現在、これを効果的に推進するICTインフラとして注目を集めているのが、オンプレミスやプライベートクラウド、パブリッククラウドを組み合わせて利用するハイブリッドクラウドです。ハイブリッドクラウドであれば、すでに安定稼働しているサービスや社内システムはオンプレミスでそのまま動かしながら、開発中もしくは立ち上げ段階のサービスはパブリッククラウドで動かすことで、低リスクかつスピーディーに新規ビジネスに参入できます。

しかし一方で、容易に導入可能なパブリッククラウドは、事業部門が直接クラウドサービスを契約、利用開始することができるため、情報システム部門のコントロールから外れた「クラウドの乱立」を引き起こす危険性もあります。こうしたシャドーITによるガバナンスの低下は、セキュリティリスクやコストの増大につながる重大な問題であり、万が一情報漏洩などが発生すれば、会社全体としてのイメージを大きく損なうこととなるため、十分に注意が必要です。

クラウド利用を統制しつつ、利便性も向上させる「仕組みづくり」が重要

事業部門のクラウドに対する期待はスピード感であって、独自に利用することが目的ではありません。

そこで、事業部門をはじめとする利用部門の要望に対し、情報システム部門が先回りしてスピーディーに提供可能なクラウドを用意しておくという対処法が考えられます。つまり、情報システム部門が窓口となり、ルールを明確化した上でクラウドサービスを社内に提供するのです。

上記のような運用を実現させるためにはルールを明確化するだけではなく、ルールの徹底や、利用部門の利便性向上を実現するための「仕組みづくり」が重要となります。

この「仕組みづくり」で大きな役割を果たすのが管理ツールです。

パブリッククラウドを情報システム部門が一括して仕入れ、ハイブリッドクラウド環境を統合管理するツールを組み込みます。これにより、利用部門にオンプレミス環境やプライベートクラウドと共に複数のパブリッククラウドを、わかりやすい共通のポータルから提供できるようになります。

新たにクラウドの利用を始めたい場合は、メニューからクラウドのタイプを選ぶだけで、目的のクラウドがすぐに利用可能になりますので、利用部門の利便性を飛躍的に向上させることができるのです。

このようにクラウド利用のルール明確化と利便性を高める「仕組みづくり」を実施することで、情報システム部門がクラウド利用を統制し、ガバナンスが効いたハイブリッドクラウドシステムを実現することができます。

今回は、「クラウド乱立によるガバナンスの低下」をテーマに対策を説明しました。

このほかにもハイブリッドクラウドの導入にあたり考慮すべき問題は多岐にわたります。

富士通では、こういった考慮すべき問題の洗い出しや効果的なツールの活用方法をはじめ、豊富なハイブリッドクラウド商談経験で蓄積された様々なノウハウを基に、企画から運用までを体系化したトータルソリューションサービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service MetaArc Hybrid IT Services」を提供していますので、ご相談ください。

2018年11月22日

富士通株式会社 オファリング推進本部 インフラオファリング推進部
片山 恭助

富士通のハイブリッドIT関連のフィールド支援を担当
ハイブリッドITの分野におけるオファリング企画、拡販などに従事

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