RPAを“幻滅”から救う、
富士通とKofaxの取り組み

業務効率化や働き方改革の切り札として期待が集まるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。だが、導入してはみたものの、限定的な効果しか得られない企業も少なくない。RPAソフト大手のKofax Japanとグローバルでの販売パートナー契約を結ぶ富士通は、Kofax製ソフトを使い勘定系業務へのRPA活用により、大きな成果をもたらす道筋を提示する。

予想外に低かった制度利用率、その危機感から新たな取り組みへ

2018年11月15日、米Kofax社とKofax Japan(以下、Kofax)は、富士通の協力のもと、「RPAを使用した業務の自動化・効率化」と題するセミナーを都内で開催した。Kofaxは昨今注目を集めるRPAをはじめ、企業の業務を自動化するためのさまざまなソフトウェアソリューションを提供するベンダーだ。

Kofaxが開発・提供するRPA製品「Kofax RPA(以下、Kapow)」は全世界で2万以上のユーザーが利用しており、日本国内においても金融業界をはじめ、導入事例が増えている。RPAは日本において、デスクトップツールとしてのイメージが強いが、Kapowはサーバー上でロボットが稼働するサーバー型のソリューションである。高い堅牢性や管理性などが高く評価されており、大手企業での導入が進んでいるという。

イベントの冒頭に登壇したCSO(最高戦略責任者)を務める クリス・ハフ氏によれば、RPAは現在、ユーザーの期待値のピークを越え、幻滅期に差し掛かっていると指摘する。

「今後のRPAに対するユーザーの期待に応えるために、弊社では新たに『Kofax Intelligent Automation(以下、Kofax IA)』というソリューションを提供します。Kofax IAは、ロボットによる業務自動化のほかにもAIやOCR、オーケストレーション、デジタル署名といった各種周辺技術を取り込むことで、『デジタルワークフォース管理プラットフォーム』を実現していきます」とハフ氏は語る。

Kofaxは2018年5月、富士通とグローバルの販売パートナー契約を締結している。両社のパートナーシップ締結の背景について、富士通第一金融ビジネス本部 バンキングソリューション営業部 アシスタントマネジャー 栗原亮太は次のように説明する。

「Kofaxが持つ優れた製品に、富士通が持つ豊富な業務アプリケーション開発や基盤構築の経験、プロジェクトマネジメントの知見を組み合わせれば、RPAソリューションの提案から構築、サポートまで一貫して価値の高いソリューションをお客様に提供できると考えました。加えて、弊社は全国に金融機関様向けの営業網(14の地域金融営業部)を展開しており、全国の金融機関様にRPAソリューションを提案できる体制を構築できます」

すでに国内メガバンクやゆうちょ銀行、広島銀行などは、両社がタッグを組んだRPAソリューションを導入している。その他にも数多くの金融機関で導入が計画されている。

イベントのオープニングスピーチをするKofaxのクリス・ハフ氏

エンタープライズ用途のための機能強化を続けるKapow

今回発表されたKofax IAはRPAに幻滅しつつあるユーザーの信頼を取り戻し、今後も引き続き進化を続けていくという。今日のRPAが置かれた状況について、Kofax Japan セールスディレクター 河上勝氏は次のように危機感をあらわにする。

「デスクトップ型のRPA製品は、手軽に導入できるので、多くの企業が試行導入されていますが、思うような投資対効果が得られずに幻滅する例が増えてきています。例えば人間が10分かけて行っていた作業が、ロボットの導入で5分になるような自動化では、効果が限定的になります。大量の人手を要する基幹業務に導入して大規模な自動化を実現しないと、十分な投資対効果は得られません。しかし、デスクトップ型のRPA製品では、大規模な業務に展開し、高信頼性を確保するのは困難です」。

その点、Kapowはデスクトップ型RPAとしての利用も可能だが、サーバー上でロボットを集中管理しながら並列実行することで、大規模な作業を一気に自動化し、かつ安定性や堅牢性も確保できる。こうした強みにさらに磨きをかけるべく、Kapowは今後、矢継ぎ早にバージョンアップを行っていく。

例えば、次期バージョンである「バージョン10.4」では、ロボットのライフサイクル管理機能が強化される。RPAを運用する上で最大の問題となるのが、ロボットのバージョン管理や変更管理だ。Kapow 10.4では、統合された業界標準のVCS(バージョンコントロールシステム)に基づくバージョン管理・変更管理やバックアップ機能を備えることで、こうした課題を解決する。

同時に「プロセスディスカバリ」と呼ぶ機能の実装を予定している。これは、デスクトップ上のユーザーの操作をKapowが自動的にキャプチャし、自動学習するという機能だ。

「ロボット開発には既存業務の棚卸や可視化が必要で、そのために多大なコストと時間がかかります。プロセスディスカバリの機能により、既存業務の分析とロボット化を半自動で行えるようになります。こうして『スマートにロボットを作る』のと同時に、AIを使ってロボットに自然言語処理や感情分析などの機能を付加し、ロボット自体もどんどんスマートにしていきます。こちらの機能は、2019年度前半にリリースを予定しているバージョン10.5で実装する予定です」と河上氏は説明する。

さらに2019年度後半にリリースを予定しているバージョン10.6では、異なるロボット同士がサーバー上で連携動作する「ロボットオーケストレーション」の機能も実装される予定になっている。これもまた、大規模かつ複雑な業務を確実に実行するためには、極めて有用な機能だといえる(図2)。

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RPAを“幻滅”から救う、富士通とKofaxの取り組み

概要

  • エンタープライズ用途のための機能強化を続けるKapow
  • 最新版のKapowはOCR機能を内蔵
  • Kapowで働き方改革を進める広島銀行
  • 今後は金融機関の勘定系業務に対するRPA活用も

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