デジタルマーケティングコラム

デジタルマーケティングにさらに踏み込む2019年
導入の広がるMAとは? どう選ぶ?

日本におけるマーケティングオートメーション(MA:Marketing Automation)の元年といわれた2014年から5年が経ち、国内MA市場は着実に成長してきています。
矢野経済研究所の調査によると、2019年では430億円、2020年は475億円に達すると予測しており、伸張率10%を超える大きな成長が期待されています。この背景には、デジタルマーケティングの認知と理解が進んだこと、導入企業の広がり、さらに関連ツールやサービスの増加があります。

大手ベンダーによるMAのメジャー製品の買収・統合が加速

MAを実現するシステムは、1980年代に登場したSFA(Sales Force Automation)システムの前工程を担うものとして欧米で生まれ、2000年代に入って急速に発展してきました。その多くはスタートアップ企業によって開発されましたが、その有用性が認知されるにつれて、大手ベンダーによる買収が相次ぎました。
例えば、世界的にも有名な3つのMAは、オラクル(2012年)、セールスフォース・ドットコム(2013年)、アドビシステムズ(2018年)によっていずれも買収されています。

これら3社に加え、これら3社が連携するソリューション・サービスをインテグレーションする企業は、MAを含むデジタルマーケティングの統合ソリューション(オールインワンのスイーツ製品)を提供できる数少ない企業として存在感を見せています。当時、それぞれの市場で圧倒的なシェアを持っていた中、強みを持つ領域を核に世界的なデジタルマーケティング市場の成長を予測し、そこへ参入するための製品ラインナップを充実させる戦略に出たのです。

MAを加え、デジタルマーケティングは全社統合の時代へ

大手ベンダーがMAを含めたソリューション全体の充実とワンストップ化を図ろうとする動きからは、企業のデジタルマーケティングそのものの将来展望を垣間見ることができます。従来は、マーケティング活動の一部機能を担うツールとして、Web運用部門向けの「アクセスログ分析」ツールや、営業部門向けの「SFA」など、個別最適化されたツールが導入されてきました。ここにMAが加わることで、リード獲得から育成、受注に至るまで、一連のマーケティングプロセスを橋渡しできるようになりました。
この変化によってデジタルマーケティングは、機能ごとに「縦割り」された個別最適の時代から、マーケティングプロセス全体を「横串」で俯瞰し、最適化する統合的なデジタルマーケティングが求められる時代へと大きく転換しているのです。
さらにはROI最適化の観点からも、企業全体として機能重複が発生している領域を見直すことに結びつくため、統合的なデジタルマーケティング環境を整備することは大いに意味があると言えます。

MAツールの選択肢は大幅に多様化

2014年ごろはわずかな海外製システムしか選択肢がなかったMAですが、デジタルマーケティング市場の拡大とともに、世界中で次々と新しいツールが登場しています。
MAが広がっている理由には、その定義や機能面での変化もあります。従来のMAが想定していたのは、商品の検討から購入までに長期間を要する耐久消費財などの高額商品であり、BtoB向け製品が適しているとされてきました。しかし、近年登場してきたツールには、もともと「クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント(CCCM)」や「ウェブ接客」、「CRM」といったカテゴリーのシステムを発展・拡張したものや、他システムとの連携を前提にしたものなど様々で、企業の導入障壁を下げるとともに適用範囲の拡大にも寄与しているのです。

導入の目的と自社の状況を見極め、最適なパートナーの選定を

選択肢が非常に増えた一方で、MAツールを選定する立場からみると、何をどう選べば良いのか判断が難しくなっています。MAを導入することが目的化してしまわないように、どのような課題を解決し、何を実現するために導入するのか、またそれを運用する体制はどうするのか、パートナーはどこまで対応可能なのか、考慮する必要があります。
また、具体的な導入検討段階では、コストを正しく理解することも極めて重要です。導入効果を最大化するために、運用フェーズまで視野に入れて中長期的な予算やリソースを確保する必要もあるでしょう。

最先端技術を取り込みながら、MAは急速に進化しています。自社が実現したいことと、ツールが実現できることのバランスを見極め、そして導入から運用に至るまでトータルでサポートが可能なパートナーと共に、向き合うことで、マーケティング活動の新たな可能性を切り拓いてくれることでしょう。

2019年3月1日

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