光ファイバー温度センシング
最終更新日 2019年6月26日
温度センシングって?
光ファイバーを使った温度センシングってどういうこと?
機械や設備にはりめぐらせた光ファイバー自体を温度センサーにすることで、たくさんの場所の温度を一度に測定することができます。
【光ファイバー】
光の信号を伝えることができる透明の繊維状のものです。材料は、透明なガラスやプラスチックです。
【光ファイバーの中を通る光ってどんな光?】
光ファイバーの中を通る光は主に、人の目に見えない「赤外線」を使っています。ガラスの中央部分を通ります。
(詳しくは、やさしい技術講座「光通信技術(波長ってなんだろう)」をご覧ください)
【光ファイバーで、どうして温度が測れるの?】
光ファイバーを通る赤外線は、光ファイバーの温度の影響を受けます。つまり、光ファイバーの周辺の温度によって、赤外線への影響度合いが変わるので、その変化を見ることで、光ファイバーの色々な位置の温度の高低がわかります。
実際にサーバールームの温度監視をしたい場合は、どんな機器が必要なの?
実際に光ファイバーを使った温度センシングでは、クライアントパソコン画面、サーバー、測定器、対象物という順番で接続します。
測定器と対象物の間で何が行われているか説明します
【触らずに何かに跳ね返ってきたものを測定】
例えば、原理や方式は違いますが、「魚群探知機(ソナー)」も同じですね!高性能な魚群探知機になると、魚の種類や量までわかります。魚の浮き袋に超音波が反射・散乱されるので、跳ね返ってきた超音波を測れば、魚のサイズや形、魚の群れの密度がわかるそうです。
富士通の強み
1.高精度
光ファイバーの上を1m未満間隔で連続的に温度測定でき、1本の光ファイバーで1万か所以上の温度を同時に測定することができます。また、電気ではなく光を利用しているので発電所関連などで利用する際に、防爆*にかかわる制約を受けずに導入できます。高い信頼性が要求されるサーバーの電気信号に影響を与えずに温度測定が可能です。
光ファイバーに入射するパルスの幅および伝送する間にパルスが拡がることなどによって生じる測定誤差を補正する信号技術があります(富士通オリジナル技術)。
*防爆:可燃性のガスや蒸気、粉塵などから引き起こされる火災や爆発を防止すること
2. 測定対象物の様々な環境・形状に対応可能
シミュレーション技術を用いて対象物にあわせて、どういうファイバーを使うか(太さ等)、あるいは曲面、突起物へ敷設するために耐熱性光ファイバーシートを使うか、などを適切に選択することができます。また、シミュレーションデータをもとに、温度測定ポイントの位置情報を簡単に最適化できます。
3. AIを用いて、機械学習
高精度な温度センシングデータを使って機械学習し、いつもの状態と異なる実測値を自動検知し、知らせることができます。
どんな所で使うと便利?
【プラントの設備保全】
タンクの液体・ガス漏れ、電力線などのケーブルの温度分布を監視し、異常発熱を検知します。
【品質管理 】
富士通会津若松Akisaiやさい工場のやさい育成室において、光ファイバー超多点温度測定方式を用いて、栽培棚の温度分布をグラデーションで把握できるようにしました。これによりレタス育成棚環境温度の均一化を図りました。
⇒育成棚の温度分布改善によりレタスの育成スピードを均一化
⇒出荷レタスの歩留まりを改善
育成棚に設置したサーキュレータにより気流を調整(温度分布を均一化)
関連ページへのリンク
(プレスリリース)
光ファイバー超多点温度センシング技術を活用した火力発電所の設備異常検知システムの実証実験を実施 (2015年11月12日)
(富士通)
光ファイバー、AI技術を活用した精密な異常検知により設備・製造品の保守作業品質を向上
FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics 予兆監視モデル for 光ファイバー温度検知ソリューション
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