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小話

研究成果を自分の鼻で実感

光触媒を研究しているグループには、しなければいけない仕事のひとつに「においをかぐ」という作業があります。光触媒材料がにおい成分を分解しているかどうかは、二酸化炭素の量を計ればわかることですが、基本は実際に人間がわかるにおいを分解していることが重要です。

そこで、グループのNさんが魚の生ぐさいにおいの分解能力を測ろうと、実験する魚(イワシだったそうです)を事務所の机の引き出しにいれておきました。(季節は夏・・・。容易に予想ができますね)
魚はすぐに腐り、においを発し始めました。

周囲の人間は、「なんかにおうな」と思っていましたが、まさか机の中に魚が入っているとは誰も想像しませんよね。(Nさん本人は別の用事で席をはずしていました)
夏だし、どこからか生ぐさいにおいが流れ込んじゃったのだろう、ぐらいの気持ちでした。そのうち、においがひどくなり、はじめは「自分かな」と思いましたが、それにしてはくさすぎます。

グループのメンバーはどうもNさんの机の中からにおうことをつきとめ、おそるおそる引きだしをひいてみるとすごいことに・・・。

フロアーの半分はすでににおいが充満していましたが、研究員は忍耐強いのか苦情はまだ出ておりませんでした。そそくさと実験室に運び、密閉できる専用のボックスにいれて、臭いをはかりはじめました。
一度、キョーレツなにおいをかいでしまったメンバーは誰もそのにおいをかぎたがりません。

しかし、そこは仕事ですから、複数名が決まった時間に臭いをかぎ、鼻がもげちゃいそうなくさいにおいに耐え、自分の開発しているものを自分自身の鼻で実感した出来事でした。
涙がにじんでいたのは、うれしかったのかくさすぎたのか。

(Nさんの机の引き出しのにおいはどうやって消し去ったのでしょうか。やはり引き出しにも光触媒の材料を敷き詰めたのでしょうか。取材に伺った時は、においませんでした。by執筆者)

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