シモハナ物流株式会社 様

外食物流の業界全体が直面する課題
「顧客の鍵管理」に一石を投じるシステムを開発
~RFIDを使った鍵監視機能を運行管理SaaSにアドオン~

シモハナ物流株式会社(以下、シモハナ物流)では、関東から九州まで50か所以上に拠点を構え、1500台以上の車両を保有しています。「食品物流、日本No.1」を目指し、温度管理や納品時間などデリケートな扱いが求められる食品の物流に特化。大手外食チェーン、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどのパートナーとして、人々の生活を支えています。

物流システムのデジタル化に積極的に取り組む中で、各車両の運行管理業務においては、富士通九州システムズ(以下、FJQS)が提供する運行管理システムを15年以上前から導入。現在はSaaS型運行管理システム「Logifit TM – NexTR」を活用しており、2020年に、荷主から預かった鍵の紛失を防止する鍵監視支援機能を追加しました。顧客との信頼関係構築、ドライバーの負荷軽減といった効果を発揮しています。

課題
効果
課題荷主から預かった配送先店舗の鍵の紛失は、決して起こしてはならない事象であると全社的に認識していたものの、ドライバー個々の注意力に頼らざるを得なかった。
効果鍵にICタグを取り付けし、車載したRFIDリーダーで読み込むことで、鍵ボックス内の鍵の所在を瞬時に把握。「Logifit TM – NexTR」との連携によって、管理者もリアルタイムでの確認が可能になった。
課題他社から提案されたRFID活用の鍵監視機能は、営業所からの持ち出しにのみ対応しており、配送中に紛失した場合でも営業所に戻るまで分からないなど、弊社の要望を満たしていなかった為、採用に至らなかった。
効果FJQSのシステムによって配送中での鍵チェックが可能となり、納品先からトラックに戻る途中で紛失した場合の捜索機能も追加。さらに、ドライバーがチェックを忘れた際に、自動で鍵の所在をチェックすることで、紛失のリスクを大幅に軽減することができた。
課題以前は大量の鍵をポーチにまとめてドライバーが常時携帯していたため、運転中に邪魔になり、さらに、納品先でポーチが引っかかって厨房の皿を割ってしまうといった過失も発生していた。
効果納品先の鍵だけを携帯すればよいので、鍵の入ったポーチを常時携帯するストレスから解放。狭い厨房などへの納品作業もスムーズに行えるようになった。
導入の背景

あってはならない顧客の鍵紛失を防ぐ手立てとしてアナログな手法から脱却し、システムを導入。

シモハナ物流では外食チェーンに食品を届ける際、1台の車両で1度に10~20箇所の店舗に納品することが一般的です。多くの場合、店舗が閉まっている時間帯に納品するため、荷主から店舗の鍵を預かり、ドライバーが鍵を開けて商品を届けています。そのため、万が一鍵を紛失した場合、顧客へ多大な迷惑をかけることになり、企業としての信頼を大きく損なう事態となります。

「鍵管理の重要性については各ドライバーに周知徹底し、全社的に注意していたものの、その対策は各ドライバーによる目視など、人の手に頼らざるを得ませんでした。何とかしたいという思いはありながら、これといった解決策が見つからないモヤモヤした状況でしたね」

このように語るのは、シモハナ物流でシステム面を担当している企画部 課長の大島 慎介氏です。鍵管理の対応策を模索する中で、あるベンダーが鍵にICタグを取り付け、電波を用いたRFIDシステムによって管理する機能を提案。しかし、営業所からの鍵の持ち出し管理にしか対応しておらず、もし配送途中に鍵を紛失しても、それが分かるのは営業所に戻ってからという欠陥があったため、採用には至りませんでした。

SaaS型運行管理システム「Logifit TM – NexTR」の導入前からシモハナ物流のシステムに携わってきたFJQSの物流輸送ソリューション部 濱野 朗は、車載可能でスマートフォンと連動して使える小型のRFIDリーダーを大島氏に紹介。既に、「Logifit TM – NexTR」の運用に伴い、スマホはトラックに車載されていたため、そこから鍵監視支援機能の本格的な検討がスタートしました。

日頃からドライバーと接する機会が多い関東シモハナ物流株式会社専務取締役の岡田 茂久氏、厚木営業所副所長の山内 和也氏、センター長の秋山 斉氏は、現場で使いやすいシステムを作ってほしいとFJQS濱野に要望しました。「ドライバーの高齢化が進んでいることもあり、仕組みをデジタル化することへの拒否反応があるのは否めません。現場で活用されなければ、どんなに優れたシステムでも意味がないので、できるだけドライバーが使いやすいシステムになるようにお願いしました」

それに応える形で、FJQS濱野は厚木営業所に足を運んでドライバーの声を聞き、さらにハードであるRFIDリーダーを製造するベンダーとも密にやりとりを行いました。「『Logifit TM – NexTR』の操作に慣れたドライバーさんが、鍵監視支援機能についてもスムーズに使えるように仕様を検討しました。また、ドライバーさんが自分でチェックし忘れた時の補完機能、万が一鍵をなくしてしまった時の捜索機能についても提案させていただきました」

シモハナ物流株式会社
専務取締役
占部 昌嗣 氏
シモハナ物流株式会社
企画部 課長
大島 慎介 氏
導入の効果

なくさない&なくしてもすぐに分かる機能でドライバーを支援。
顧客からの信用度アップにも大きく貢献。

鍵監視支援機能は2020年3月から厚木営業所で運用テストを開始。1カ月に5コースのペースで進め、約60ある夜間の配送コースすべてに対応が完了しています。

「システム導入前は数十本の鍵がついたポーチをドライバーが肌身離さず携帯し、配送を終えるたびに目視で確認していました。万が一、ポーチを落としてもどこで落としたのかは分からない状況。それが今回の機能によって、トラックに戻って鍵の入ったボックスをRFIDリーダーに読み込ませればチェックが完了します。目視を何度も繰り返す作業負荷が軽減されましたね」(山内氏)

鍵の管理はシモハナ物流に限らず、物流業界全体の課題です。鍵やセキュリティカードの劣化などが原因で注意しても紛失してしまうという事例は全国的に起きており、荷主や納品先企業も頭を悩ませていました。今回の鍵監視支援機能についてシモハナ物流の顧客からは「素晴らしい」「これからもお願いしたい」という声があがっており、企業としての信用度向上にも貢献しています。

また、慣れないITシステムの導入に否定的な意見が多かったドライバーにも、実際に運用を始めてからは好評のようです。「鍵の紛失は本来あってはならないことなので、鍵を落としたけど事なきを得たというケースはまだありませんが、『もし落としてしまったら』というドライバーの精神的なストレスがなくなりました。加えて、ドライバーが納品先ごとのチェックを忘れていたとしても、納品先を離れた際に、自動で鍵をチェックする機能をFJQSがつけてくれたので、より安心感が高まっているようです」(岡田氏)

また、鍵束のポーチを携帯せずに済むことでの副産物ともいえるメリットが、運転中の乗り心地や納品先での動きやすさです。「10本20本の鍵束が入ったポーチは決してコンパクトなものではなく、長時間の運転中に腰につけたままにしておくのはドライバーにとって苦痛の種でした。また、狭い厨房を通って食品を届ける作業も少なくないので、ポーチが当たってお皿を割ってしまうといった過失が発生していたのですが、ポーチを携帯しないことでその問題も解消。今、ドライバーに旧来のポーチ型の鍵管理に戻すといったら、全員が拒否するでしょうね」(秋山氏)

関東シモハナ物流株式会社
厚木営業所
副所長
山内 和也 氏
関東シモハナ物流株式会社
厚木営業所
センター長
秋山 斉 氏
株式会社富士通九州システムズ
産業流通ソリューション本部
物流輸送ソリューション部
濱野 朗
今後の展望

食品物流業界のデジタル化推進の旗振り役として、FJQSの継続的なサポートに期待大。

厚木営業所での鍵監視支援機能の高評価によって、他エリアの営業所でも導入を開始。関東・関西・中京エリアでは運用が始まっています。今回の機能に限らずデジタル分野への積極的なチャレンジを進めているシモハナ物流で社内のシステム化全般に尽力している専務取締役 占部 昌嗣氏は、業界全体でのデジタル化推進の必要性を感じています。

「弊社に限らず物流業界はアナログな慣習が根強く残っています。ドライバーが高齢化し、デジタルツールを使いこなせないというのも、デジタル化が進まない理由の一つ。使い勝手の良いシステムを開発することで、他の業務においてもアナログを廃止していきたいと考えています。今回の鍵監視支援機能は業界全体の課題である鍵の紛失問題に一石を投じる画期的なシステムです。 弊社としても配送品質向上による差別化と乗務員の負荷軽減に大きな期待を寄せています」

カード記録型運行管理システムの時代からFJQSと長く付き合いを重ねてきた大島氏は、FJQSの継続的なサポートに期待を寄せています。「もう10年以上前になりますが、デジタコを導入する時に数社の中から検討した際、最も先進的な提案をしてくれたのがFJQSでした。大手ベンダーでデジタコを持っているのは富士通だけ。他は専業メーカーなので、システムに関する幅広いノウハウにおいては一日の長があります。基幹システム などでも富士通にお世話になっているので、今後も社内のデジタル化推進に力を貸してほしいと思っています」

シモハナ物流からの期待を受け、FJQS濱野も継続的なサポートを見据えています。「ハードの売り切りではなく、お客様の課題をシステムによってどうすれば解決できるかに重きをおいているというのが当社の強みです。これからもシモハナ物流様の業務内容に即した形で、課題を解決するための仕組み作りの面でお手伝いさせていただきたいと考えています」


左から、シモハナ物流株式会社 大島氏、占部氏

シモハナ物流株式会社 様

事業内容一般貨物自動車運送事業、特別積合せ貨物運送、倉庫業、冷蔵倉庫業、3PLトータル物流サービス(専用、汎用)、(物流情報システム構築、在庫管理、受発注管理、商品流通加工、物流センター運営、配送管理、包括的物流業務受託)機密文書保管サービス、産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の収集運搬
設立昭和30年2月
所在地広島県安芸郡坂町横浜中央1丁目6-30-4F
代表者代表取締役 下花 実
資本金3,000万円
従業員数6,243名(令和2年4月 パート・アルバイト含む)
保有台数1,503台(令和2年4月)
売上高492億円(令和2年3月期)
ホームページhttps://shimohana.com/新しいウィンドウで表示
概要食品物流に特化して、外食・メーカー・小売など幅広い顧客に最適な物流を提供。さまざまな温度帯や大量多品種などのニーズに対応できる特殊装備、高度な運用ノウハウを強みにしています。また、物流の効率化と合理化を図る改善を提案し、物流倉庫の建設から在庫管理システムの導入など多機能・多角的なシミュレーションを行う「3PL(サードパーティーロジスティクス)物流サービス」によって、物流+αの「付加価値」を提供し、“食品物流日本No.1”を目指しています。

[ 2021年3月31日掲載 ]

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