ヤマトクレジットファイナンス株式会社 様
ショッピングクレジット申込のスピードアップに向け、受付審査を自動化
顧客満足度の向上を図り、業務負荷軽減も実現

ヤマトホールディングス傘下のヤマトクレジットファイナンス株式会社様(以下、ヤマトクレジットファイナンス)では、ショッピングクレジット(個別信用購入あっせん)における受付審査の審査スピードや担当者による審査基準のバラツキが課題になっていました。この課題を解決するため、自動審査システムの構築を株式会社富士通九州システムズ(以下、FJQS)に依頼。
これにより目標とした1分での審査回答が実現し、審査プロセスにおける30%の業務負荷軽減も達成する見込みです。今後は、同システムの高度化により、さらなる業務負荷の軽減を図っていく計画です。
- 課題審査担当者個々の知識、ノウハウに依存する部分が多く、審査基準にバラツキがあったことに加え審査プロセスのほとんどを手動で処理をしていたため、審査回答までに1件あたり20-30分を要していた。
お申し込みから審査回答までの時間を、1分にすることが業界基準となる中、加盟店様からもスピード対応を求められていた。 - 効果自動審査システムの導入により、目標とした1分での審査回答を実現。最速で30秒程度と大幅なスピードアップを達成した。
2019年度には、審査プロセスのうち30%の業務負荷軽減が見込まれる。
審査スピードに対する危機意識が高まる
「当社では、2015年に『受付審査システム』を構築しましたが、審査プロセスのほとんどを手動で行っていました。一連のプロセスが紙ベースのため、審査回答までに1件あたり20-30分を要していました。しかも、担当者個々の知識、ノウハウに依存する部分が多く、基準のバラツキも課題になっていました」と執行役員 総合審査部長 井坂 元彦 氏は語ります。
一方、業界では大手を中心に自動審査の仕組みを導入する企業が増えており、お申し込みから審査回答まで1分がスタンダードになろうとしていると言います。
「当社の加盟店様からも、もっと早く対応できないかという声が寄せられており、危機意識が高まっていたこともあって、2016年7月に受付審査システムの自動化プロジェクトが立ち上りました」と総合審査部 企画管理課参事役 坂井 克行 氏は経緯を語ります。
プロジェクトでは、コンサルティングパートナーと審査ロジックを検討、その後FJQSとともにシステム要件を固め、2018年1月に開発をスタートしました。
「要件や仕様でこだわったのは、お申し込みから受付、審査、回答に至る一連の審査プロセスをスムーズに処理して、審査担当者をできるだけ煩わせることのない仕組みを実現すること、かつそれを1分以内に行うことでした。既存の業務フローを変えずに、操作はできるだけ簡素化することをめざしました」とクレジット事業部 参事役 浅野 智 氏は説明します。
例えば、審査プロセスにおける提携機関へのデータ照会や審査結果の一覧出力など、煩雑な処理業務をできるだけ省くようデータの自動連携を行いました。
「今回の開発は、基幹系システムのデータベースとも深く関わるため、当社には確実に連携できる技術力とノウハウを求められました。特に、提携機関とのシームレスかつリアルタイムの連携を実現するため、当社が基幹系システムや他システム連携で培ってきたノウハウと技術力をフルに活用して、ご期待にお応えしました」(FJQS 齋藤 隆敬)

執行役員
総合審査部 部長
井坂 元彦 氏

総合審査部 企画管理課
参事役
坂井 克行 氏

クレジット事業部
参事役
浅野 智 氏

IT・事務戦略部
IT企画管理課
課長代理
片岡 英明 氏
目標の1分での審査回答をクリアし、業務負荷も大きく軽減
2019年4月に自動審査システムの構築が完了し、まずは、不具合などをチェックするため1カ月間をテスト期間として、一部の加盟店様に先行して使用していただきました。審査はシステムが自動で判定し、審査結果をメールで回答しています。
「早いケースでは審査回答までに30秒程度で済んだことから、加盟店様もとても驚かれていました」と坂井氏。運用が軌道にのり、5月に全面的に自動審査システムをリリースしました。
「目標とした1分での審査回答という課題は無事にクリアしました。まずは、初年度は審査プロセスにおいて30%の業務負荷軽減を目標としていますが、担当者が新システムに慣れてきたこともあり、十分に達成できる見込みです。FJQSさんとは、毎週、テレビ会議で課題を共有し、意見を細かくすり合わせてきたことで、途中で追加開発もしながら、スムーズなシステム化が実現しました。」と井坂氏は高く評価します。

社会ソリューション本部
第二金融ソリューション部
齋藤 隆敬

ITソリューション事業部
マネージャー
三浦 孝房 氏
Web申込比率を高め、さらなる業務効率化と顧客満足度の向上を図る
用紙による申込方法が未だ多く全体の75%を占めており、Webでのお申し込みは25%にとどまっています。Webでのお申し込みの比率が向上することで、業務負荷の大幅な軽減も見込めると言います。
「現在、完全自動で審査回答できているのは、Webでのお申し込みのうち約30%にとどまっています。その理由の一つが、早期リリースを最優先したため、お客様固有のお取り扱い条件に完全に対応しきれていないことです。二次開発では、それらの要件も審査項目に取り込み、精度を高めていく予定です。将来的には80%程度の自動化がめざせると考えています」と井坂氏は期待を寄せます。
「Webでのお申込みに切り替えていただくことで、加盟店様へより早く審査回答できるようになります。用紙によるお申し込みをいただいている加盟店様へのご協力も仰ぎながら、Webでのお申込みへ切り替えを進めているところです。また、用紙によるお申込みについても、OCR等を取り入れて入力作業の削減を図るとともに、加盟店様およびお客様へのスピード対応を追求していきたいと思います」と浅野氏は語ります。
「まずは、手書き文字をOCRでデータ化することでヤマトクレジットファイナンス様の業務効率化と生産性向上に貢献していきたいと考えています」(イー・コラボ 三浦 孝房 氏)
井坂氏は、審査における迅速な回答は、加盟店様およびお客様に向けたサービスの向上であり、満足度を高めてリピート利用していただくことにつながると言います。
「今後は、この自動審査の仕組みを応用して、プラスαの価値を提供していきたいと考えています。二次開発においても、FJQSさんには、これまでと同様に、しっかりサポートいただけることを期待しています」
左から、FJQS 齋藤、ヤマトクレジットファイナンス 片岡氏、井坂氏、坂井氏、浅野氏、イー・コラボ三浦氏
業務の様子
ヤマトクレジットファイナンス株式会社 様
事業内容 | クレジット(個別・包括信用購入あっせん)、後払い決済サービス(クロネコ代金後払いサービス)、企業間売掛取引決済サービス(クロネコ掛け払い)、輸出代金回収保証サービス、集金代行サービス |
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設立 | 1974年8月 |
所在地 | 東京都豊島区高田3丁目15番10号 |
代表者 | 代表取締役 西田 勢津子 |
資本金 | 5億円 |
役職員数 | 244名(2019年4月1日現在) |
ホームページ | http://www.yamato-credit-finance.co.jp/ |
概要 | ヤマトホールディングス傘下の金融ソリューション提供会社。クレジット事業で培ってきた「与信の力」と、ヤマトグループのもつ機能や情報をビジネスに活用する「情報の力」というコアコンピタンスとし、多くの消費者や事業者の方々に便利で安心な金融サービスを提供することを通じて、豊かな社会の実現に貢献している。 |
[ 2019年12月18日掲載 ]
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