日本エアーテック株式会社 様

「iCAD SX」をベースに自動設計システムを構築
効率化により設計スピードが格段に向上

国内唯一のクリーンエアーシステムの専門メーカーである日本エアーテック株式会社 (以下、日本エアーテック)。同社は2014年に株式会社富士通九州システムズ(以下、FJQS)より「iCAD SX」を導入し、エアシャワー、パスボックスなどの製品を中心に3次元設計を取り入れてきました。

さらに、より多くの製品ラインアップにおいても3次元設計を浸透させていくため、FJQSに依頼して2018年秋に自動設計システムの構築に着手、2019年春に主力製品の1つを対象としたシステムを完成しました。従来、約1日を費やしていた設計作業が最短で20~30分程度に短縮できる見込みです。今後は、本システムの本格運用および他の製品ラインアップへの横展開を進めていく計画です。

課題
効果
課題20年以上にわたり使用してきた2次元CADだが、多くの図面の一枚一枚のどこがどれに該当するのか判別しにくく、加工が合わなくなるなどして製造工程でのロスが発生していた。
効果他の3次元CADと違い、iCAD SXは導入時のPCスペックでも高速に稼働できたことから、ハードウェアへの新規投資をせずに導入できた。
課題その状況を改善するために3次元CADを導入したが現場にはなかなか浸透せず、期待したほどには活用が進まなかった。
効果自動設計システムの構築により、3次元CADを使用するハードルを下げて、より多くの設計者にメリットを感じてもらえるようになり、その結果、会社全体における生産性向上が期待できる。
導入の背景

業務ロスの解消をめざして3次元CADを採用

日本エアーテックは、国内唯一のクリーンエアーシステムの専門メーカーとして、独自の技術を背景にクリーンルーム 、クリーンベンチ、バイオハザードシステム等の設計製造、販売を行っています。その製品は半導体・液晶、電子・精密機械、バイオ・医薬品、大学・病院、食品メーカーなど様々な分野に導入されています。標準機種に加えて特注品にも強く、お客様の要求仕様に合わせたカスタマイズを行うなど、最適な提案をしています。

同社が3次元CADを導入したのは2014年のことです。その背景について、設計第一部主任の黒坂 雄基氏は次のように語ります。

「当社は20年以上にわたり2次元CADを使用してきましたが、設計者と加工業者の間のやり取りに支障が出ていたのです。図面一枚一枚のどの加工がどこに該当するのか把握しにくい状況が発生し、加工が合わなくなるなどして、設計者、加工業者、工場といったそれぞれの工程でロスになっていました」

こうした状況を改善するには、各装置の全体像を把握することが欠かせないため、3次元CADの導入を検討することになり、候補としてiCAD SXを含む国内外の3社の製品をピックアップして比較検討しました。

「3次元CADのモデリング方式には、CADが形状を作成した履歴を持つヒストリー型と履歴を持たないノンヒストリー型とがあります。ヒストリー型は、形状作成時に前もって修正を考慮した作り方にしておく必要がありますが、当社のように製品ラインアップが多いと設計意図がそれぞれ大きく異なるため、業務に合わないと考えました」と黒坂氏。(iCAD SXは、ノンヒストリー型)

一方、3次元CADは稼働させるクライアントPCの負荷が大きく、iCAD SX以外の2製品は、当時使用していたPCのスペックではまともに稼働できず、入れ替えも必要でした。

「設計者はラインアップの各製品をそれぞれ担当しています。そのすべてのPCを入れ替えるとなると、かなりの大きな投資です。その点、iCAD SXは問題なく稼働できるとても軽い製品で、かなり高速の処理ができました。その意味からも唯一の選択肢でした」と黒坂氏。

第1設計本部副本部長の東海林 泰三氏も、「当社業務では板金対応も必須なのですが、板金に特化したモデリングツールのICAD/SMLが用意されている点も魅力でした。実際、モデリングによって、特に新製品開発のスケジュールがかなり立てやすくなっていると感じます」と語ります。

日本エアーテック株式会社
第1設計本部副本部長 海外業務部 部長
東海林 泰三 氏
日本エアーテック株式会社
設計第一部 主任
黒坂 雄基 氏
導入の効果

自動設計が大幅な省力化と3次元CADの本格的な浸透に貢献

iCAD SXの導入後、同社では3次元CADによる設計へと切り替えを進めていくため、約1年半を掛けて環境の整備に取り組みました。しかし、3次元CADへの移行は期待したほどには進みませんでした。

「その大きな理由は、忙しい中にあって新しい技術と操作を改めて学ぶより、使い慣れた2次元CADの方が早く設計できることが少なくないためです。技術的な側面以上に、気持ちの面で高いハードルになっていることを解消しないと、3次元CADの本格的な社内への浸透が難しいと感じたことから、3次元CADでの設計を容易にするため、自動設計システムを構築することにしました」と黒坂氏は振り返ります。

同社の製品は、多くの部品が組み合わされています。しかし、仕様の変更などを行うような場所は同じ個所に集中していることから、パターン化が可能と判断したのです。

依頼を受けたFJQSでは、iCAD SXをベースとする自動設計システムの構築を2018年秋に開始しました。「まずは、主力製品の1つを対象として自動設計システムの構築をスタートしました。今後の横展開を見据えてシステム設計では汎用性を特に重視しました」と黒坂氏は説明し、次のように続けます。

「多くの製品は3~4年のスパンで機種変更します。そのたびに新たに対応するシステムを構築するようでは効率が悪いので、変更があっても継続使用できるシステムを検討しました」

「開発に当たっては、iCADの基本機能も利用して開発コストを抑え、対象製品専用システムとしてではなく、他の製品にも利用できる汎用システムをめざしました」(FJQS:福留 吉人)

そしてもう一つのポイントが、現場の気持ちのハードルをいかに下げるかという点でした。そのため黒坂氏は、「現場の設計者とすりあわせしながら要件の確認を進めることに気を配りました」と言います。

「今後も、現場設計者の3D化のハードルを下げるため、業務に合わせてポイントを絞った教育を実施させて頂く予定です」(FJQS:金政 岳彦)

こうして2019年春に完成した自動設計システムは、一通りのパラメータを入力するだけで、ある程度まで製品の全体モデルを作成できるようになっています。設計者は、全体を確認しながら細かな部分を造り込んでいくだけで済むことから、大幅な省力化につながる見込みです。

「FJQSと議論を繰り返して造り込んでいったことで、かなり満足のいくシステムに仕上がったと思います。従来であれば、約1日は掛かっていた設計作業が、最短では20~30分程度に短縮できると考えています」と黒坂氏。

株式会社富士通九州システムズ
エンジニアリングソリューション本部
PLMインテグレーション部
福留 吉人
株式会社富士通九州システムズ
エンジニアリングソリューション本部
PLMインテグレーション部
金政 岳彦
株式会社富士通九州システムズ
エンジニアリングソリューション本部
エンジニアリング営業部
山中 亮人
今後の展望

他製品への横展開と「解析」の活用をめざす

今回は主力製品の1つを対象としたシステムですが、当初から高い汎用性を持たせて開発しているため、今後は、他製品への適応という横展開を進めていく計画です。「今回の自動設計システムの導入で、より多くの設計者に3次元CADを使用するメリットを感じてもらえるようにしたいと考えています。そうすることで、会社全体の生産性向上にも大きく貢献できるでしょう」と東海林氏は展望を語ります。

「iCADには、まだまだ多くの優れた機能があります。その活用を通じて日本エアーテック様の業務効率化や生産性向上に結び付けていけるようサポートしていきます」(FJQS:山中 亮人)

同社では、3次元を活用した解析業務についても検討を始めています。「当社製品には、半導体工場などで使用されるサーマルクリーンチャンバーがあります。これは温度変化が製品に影響を与える設備にクリーンエアーを循環させ温度制御するため、気流などの影響を知るための解析データが不可欠です。FJQSにはそのサポートをお願いしたいですね」と黒坂氏は語ります。

左から、FJQS 山中、福留、日本エアーテック 東海林 氏、黒坂 氏、FJQS 金政
作業の様子

日本エアーテック株式会社 様

事業内容クリーンエアーシステムの専門メーカー。クリーンルーム、クリーンベンチ、バイオハザードシステム等の設計製造、販売。
設立1973年3月
所在地東京都台東区入谷一丁目14番9号
代表者代表取締役社長 平沢 真也
資本金15億1705万円
ホームページhttp://www.airtech.co.jp/
概要1973年3月創立。国内唯一のクリーンエアーシステムの専門メーカーとして、独自の技術を背景にクリーンルーム 、クリーンベンチ、バイオハザードシステム等の設計製造、販売を行っている。製品は半導体・液晶、電子・精密機械、バイオ・医薬品、大学・病院、食品メーカーなど様々な分野に導入されている。

[ 2019年10月17日掲載 ]

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