株式会社宏起工業 様

「ICAD/SML」が歩留まりを高め、使いやすさ・豊富な機能・スピードで生産性を向上

株式会社宏起工業(以下、宏起工業)は、ステンレス鈑金・加工のプロフェッショナル集団です。同社は1985年に株式会社富士通九州システムズ(以下、FJQS)より2次元版の「iCAD SX」と「ICAD/SML」を導入、ステンレスの鈑金加工に特化した技術とCAD/CAMシステムを融合し、独自のステンレス鈑金加工システムを実現しています。今後は、長きにわたって積み重ねてきた技術力とノウハウを強みとして、「iCAD SX」および3次元板金設計支援システム「ICAD/SML」を活用することで、3D時代に向けても積極的にチャレンジしていく方針です。

課題
効果
課題汎用的なCADソフトや加工機械の付属ソフトでは、高い歩留まりが望めなかった。
効果ICAD/SMLは、他のCADと比べて歩留まりが明らかに高く、不良発生率の低下につながった。
課題他のCADソフトでは、設計の際に機能の不足や部品点数が増加した際の処理スピードの低下が作業のストレスになることがあった。
効果iCAD SXは機能が不足することがなく、やりたい設計ができる。また、部品点数が増えても動作が常に軽快で、生産性向上に貢献している。
導入の背景

生産性を大きく左右する歩留まりを高める

宏起工業は業務用ステンレス流し台の製造からスタート、そのステンレス鈑金・加工技術を強みに幅広い業界のお客様の声にお応えし、多種多様な製品を造り上げてきました。現在では、食品加工設備、空調設備、環境試験機、理化学機器、医療関連機器、厨房設備など、幅広い業種の鈑金加工を手掛けています。

「当社はお客様が困ったときの相談相手として、さまざまな業界の細かな要望に応えてきました。そのため少量多品種のモノづくりを特徴とするとともに、ご要望を解決するための提案力を強みとしています」と代表取締役の土井孝夫氏は語ります。

同社は、iCAD SXとICAD/SMLを1985年に導入しました。UNIX OS(EWS)上で動作する2次元CADの時代でした。

「当時は、先代社長の父の時代でしたので正確な経緯は把握していませんが、主にせん断加工を行うNCライトアングルシャーのためにiCAD SXを採用したと聞いています。特に、ネスティングと呼ばれる鈑金加工で1枚の鋼板から複数の部品をまとめて切り出す作業においては、歩留まりが生産性を大きく左右します。これは私自身も体感したことですが、ICAD/SMLは、汎用CADや加工機械メーカーから提供されるCADと比べて歩留まりの差が明らかで、圧倒的に優れていました」と土井氏は振り返ります。

同社では、1990年代にiCAD SXがPCに移植された後もiCAD SXをフルに活用してきました。iCAD SXによる設計は2次元で行っていますが、それは同社のビジネスモデルが少量多品種生産であることからリピート需要が望めないためです。一度限りの製品開発や、毎回新規で設計するケースが多く、造り上げた製品も15-20年スパンでの使用が当たり前だと土井氏はいいます。

「現在は、3Dデータを造り込んでも、データを活用する機会が無くては無駄になってしまいます。3次元化して2次元に展開するとなれば、工程を増やすだけでメリットがありません。当社の業務形態では、取引先との関係上2次元設計が中心です」

株式会社宏起工業
代表取締役
土井 孝夫 氏
株式会社富士通九州システムズ
エンジニアリングソリューション本部
サービスプロダクツ開発部
APエキスパート(CAM)
伊藤 真也
株式会社富士通九州システムズ
エンジニアリングソリューション本部
エンジニアリング営業部
山中 亮人
導入の効果

使いやすさ、豊富な機能、スピードが生産性を確実に向上

iCAD SXを長年使い続けてきた同社が、高く評価するのは操作性です。「汎用的なCADソフトや加工機械の付属ソフトに比べて、iCAD SXは図面の描きやすさ、スピード、そして機能が充実しています。例えば、欲しいものを描く際に、機能がないということがまずありません。細かくR(角度)を変えるなど、やりたいことができます。また、スピードがとても速く、部品点数がかなり増えても動作が常に軽快です。それが生産性の向上につながっていると感じます」と土井氏は強調します。

FJQS サービスプロダクツ開発部の伊藤 真也も「ICADは、スピードは他社に負けないという自負をもって開発を続けてきました。それが評価され、貢献できていることはわれわれにとっても喜びです」と語ります。

同社ではメーカーの設計サポートも業務としていますが、その際に提供されたデータのトレースではなく、自ら考えて描かなければならない部分があるといいます。「そうしたケースでは、骨組み、外板、内装、配管まで、3Dモデルに相当するような情報を細かく描き込みたいのですが、機能不足のCADでは作業のストレスになってしまいます。そのため他のところで別のCADを使用していた者が入社してきても、iCAD SXの方が設計が早いからと、改めてiCAD SXの操作を学ばせています」(土井氏)

FJQSエンジニアリング営業部の山中 亮人は「細かなコマンドがいち早く反映されるなど、iCAD SXは国産CADならではの良さが日本の技術者に合っていると考えています」

今後の展望

3D時代に向けて、鈑金加工の現場に合うアプリの提供を希望

最近では、3Dプリンタなどをはじめ、板金業界にも3Dを取り入れようという動きが少しずつ出てきました。そうした世の中の流れと新しい技術にキャッチアップしていくため、同社は昨年3次元のiCAD SXと、板金部品の3次元モデリングを可能にするICAD/SMLを導入しました。

「最新のiCAD SXは、操作性を継承しながらも中身は別物に進化しています。それでも宏起工業様が所有する膨大なデータ資産を属性データも含めて確実な継承を担保しています」(FJQS 伊藤)

同社では、取引先のメーカーから渡されるデータが3次元というケースも出てきたことから、2次元に軸足を置きながら、3面図(正面・平面・側面)への展開用として3次元のiCAD SXを使用しています。ICAD/SMLについては、3Dモデルを展開図にして、金型を割り付けて加工機のNCデータにしていく2次元用途として活用しています。

「当社のビジネスモデルの中で、3次元での鈑金運用は難しさがありますが、新しい加工技術に対応していくため、今は3次元技術の習得に努めています。3次元としてICAD/SMLの活用は、これからのテーマになりますが、ぜひ、日本の鈑金加工の現場に合うようなアプリを提供してくれることを期待したいですね」と土井氏は展望を語ります。

「SE会社としての技術力を生かし、営業/SEが一体となって今後もサポートしていきます。お客様の声をいち早く開発にフィードバックすることも営業の使命だと考えています」(FJQS 山中)

左から、FJQS山中、株式会社宏起工業 土井氏、FJQS伊藤

株式会社宏起工業 様

事業内容食品加工設備、空調設備関連機器、環境試験機、理化学機器、医療関連機器、厨房設備の製造など。
設立1967年12月
所在地埼玉県さいたま市桜区下大久保1694-1
代表者代表取締役 土井孝夫
資本金2,000万円
ホームページhttp://koki-industry.jp/
概要1967年12月設立。「ステンレス」に夢を託し、業務用ステンレス流し台の製造で創業し、今日まで歩みを止めることなく、多くの製品をつくりあげてきた。現在は、ステンレス鈑金・加工のプロフェッショナル集団として、食品加工設備、空調設備関連機器、環境試験機、理化学機器、医療関連機器、厨房設備の製造を幅広く手掛ける。

[ 2019年9月30日掲載 ]

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