Vol.4IT人材の育成

人材・スキルの可視化

これまで、ITの活用には専門知識が必要であったため、企業では専門部署を作ってその対応を行ってきました。このIT部門が担う最も重要な役割は、業務とITを繋ぐ通訳であったと言えます。ところがITの高度化に伴って、データベースやネットワーク、さらにはミドルウエアや開発言語にいたる数々のIT知識が必要となり、IT部門内では急速な専門化が進められました。この結果、反作用として業務知識の不足を招き、スキルセットの偏りが問題として浮上してきました。経営トップの方々から、「通訳の機能を失って意味の分からないIT語を話している」と揶揄されることも少なくありません。

システムの新規開発が減り、システムの利活用が重要となる時代を迎え、これまでのような技術的専門知識の必要性は激減し、業務知識や利用技術(ITサービスの選択眼やフィッティングスキルなど)の必要性が高まってきています。こうした変化を踏まえて、まずは現在のスキルセットを明確にし、スキルマップの整備に着手することが必要となります。さらに自社のIT機能に必要となるスキルを定義して、現状とのギャップを把握することで、人的リソースの改革の方向性を明確にすることができます。ここでギャップの大きさに愕然とする企業も少なくないでしょう。

人材育成のためのキャリアフレームワークの整備

前述のように、IT部門で必要とされるスキルセットは、大きく変化しています。また、求められる変化のスピードは、IT技術の進化速度と比例することになります。しかし現実的には、まだまだIT技術の専門知識も必要なので、最新技術の分かる人材を育てていくと共に、ITの技術変化に対応した人材育成を計画しなければなりません。この複雑な状況に対応するため、明解なIT部門人材のキャリアフレームワークが必要となるでしょう。

現在、当社がお客様と取り組んでいるのは、要員の資質を活かした長期の育成計画の策定です。その根幹には、今後求められるスキル定義と、その醸成を目的としたキャリアフレームワークの整備があります。これらの実現が、要員ひとりひとりに進むべき方向性を理解させ、現実的な要員育成につながると考えています。以下は、新しい時代に求められるキャリアフレームワークの整備を目的とした知識体系の一例です。

キャリアフレームワーク策定のための知識体
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