プレスリリース
2018年6月26日
富士通セミコンダクター株式会社
~ 産業機械向けのSRAMの置き換えにより、バッテリーの削減に貢献 ~
富士通セミコンダクター株式会社(注1)は、FRAM (注2)の製品ラインナップでは最大メモリ容量となる8MビットFRAM「MB85R8M2T」を開発し、今月から量産品を提供しています。
本製品は、1.8V~3.6Vのワイドレンジで動作し、SRAM互換のパラレルインターフェースをもつ不揮発性メモリです。これまでの最大4MビットFRAMのメモリ容量増加や、既に使用中の8MビットSRAMで瞬断対策用バッテリーの削減という要求に対応可能なメモリです。
工場での制御装置、ロボット、工作機械などの産業機械用途で使用しているSRAMを、本FRAMに置き換えることでバッテリーが不要となり、メモリ部の実装面積を約90%削減するとともに、トータルコストの削減に貢献できます。
当社の不揮発性メモリ「FRAM」は、高書換え耐性、高速書込み、低消費電力の特長をもち、約20年の量産実績がある信頼性が高いメモリです。FRAMの書換え保証回数は、同じ不揮発性メモリのEEPROMと比較すると約1,000万倍の10兆回になるため、リアルタイムでのデータ記録や位置情報記憶など、頻繁なデータ書換えが必要な産業用アプリケーションにも採用されています。
MB85R8M2Tの用途例
MB85R8M2T FBGAパッケージ
今回、当社は8MビットFRAM「MB85R8M2T」を開発しました。本製品は、SRAM互換のパラレルインターフェースをもち、1.8V~3.6Vのワイドレンジで動作します。パッケージは、お客様からの小型化の要求に応えて8mm x 6mmの小型サイズである48ピンFBGAパッケージを採用しています。お客様が44ピンTSOPパッケージのSRAMをご使用の場合は、本FRAMに置き換えることで、バッテリーの実装面積を含めると約90%の実装面積の削減になります。(図1)
図1:実装面積比較
また、SRAMをFRAMに置き換えることで、メモリ部分の開発から運用を含めたトータルコストの削減に貢献します。
瞬断時のデータ保護用のバッテリーをなくすことによって、部品コストを抑えることができます。さらに、お客様の最終製品が数年間使用されることを踏まえると、SRAM使用時ではバッテリーの定期的な点検や交換、在庫の確保など、メンテナンスにかかる運用が発生しますが、FRAMでは不要になります。したがって、このバッテリーレス・ソリューションによって、開発と運用のトータルコスト削減に寄与します。(図2)
図2:トータルコスト比較
当社は、お客様の最終製品の性能向上とトータルコストの削減に貢献するFRAM製品とソリューションを、今後も継続して提供していきます。
注1 富士通セミコンダクター株式会社:
本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 曲渕 景昌。
注2 FRAM:
Ferroelectric Random Access Memory
強誘電体メモリ。強誘電体膜をデータ保持のキャパシタに利用したメモリ。電源を切っても内容を保持する。データの高速な書込み動作、低消費電力、書換え回数が多いといったROMとRAMの長所をあわせ持つ。FeRAMとも呼ばれる。当社では、1999年より量産開始。
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。