富士通エフサス

仮想デスクトップシステムを拡大「いつでも」「どこでも」業務ができる体制を実現しワークスタイルの変革を推進

導入事例レポート 富士通エフサス

富士通エフサスでは2008年1月にCE、SEを中心に仮想デスクトップシステム(以下、VDIシステム(注1))を導入し、安心・安全に情報を持ち出す環境を整備しました。2013年1月にはVDIシステム基盤のリプレースをきっかけにユーザー数を3,000人から4,000人に拡大。さらに営業の中核拠点として2013年10月にリニューアルオープンした「銀座G-7ビルディング・オフィス(以下、G-7ビルオフィス)」などでのフリーアドレス導入に合わせて、シンクライアント端末やスマートデバイスの利用を開始しました。

今後は、富士通エフサス自らが創造的なオフィス空間でのVDIシステムの活用を進めながらノウハウを蓄積し、お客様に対して新たな「ワークスタイルの変革」を提案していきます。

  • 注1
    VDIシステム:Virtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップ)

導入までの背景

ワークスタイルの変革を目指しVDIシステムをリニューアル

富士通エフサスは2008年1月、CEやSEの持ち出し用ノートPCのセキュリティを強化することを目的に「Citrix Presentation Server(現XenApp)」を用いてVDIシステムを導入し、安心・安全に業務ができる環境を整備しました。(注2)

導入当初は約300人からのスモールスタートでしたが、翌年の2009年1月にはユーザー数を3,000人まで拡大しました。

そしてシステムの稼働から4年が経った2012年1月、ハードウェアとソフトウェアの更新が翌年に迫ったことをきっかけに、VDIシステムのリプレースに向けた検討に着手しました。

ちょうどそのころ、富士通エフサスの経営計画として、いつでも、どこでも、組織の垣根を超えてICTの利活用ができる「ワークスタイルの変革」に向けた取り組みも始まりました。その一環として、営業の中核拠点である「G-7ビルオフィス」をリニューアルする計画が進んでいましたが、具体的な施策として、VDIシステムの利用拡大による「フリーアドレスの導入」と「スマートデバイスの活用」が検討され、富士通エフサス自らがワークスタイルの変革を推進することで、お客様への提案につなげていく方針が立てられます。

導入の概要

1.VDIシステム基盤をハウジング環境から富士通グループ共通のクラウド環境(ホスティング)へ移行
2.クラウド環境への移行により、「物理サーバー台数」と「サーバーの運用管理工数」を大幅削減
3.「System Center」によるVDIシステムの運用自動化により、システムの運用管理工数も削減
4.XenApp+アプリケーションサーバーにより、本来利用できない複数バージョンのアプリの同時利用を実現

VDIシステムの第二次導入に際して、従来のSBC方式(注3)に加えて、仮想PC方式(注4)も検討の対象となりました。

両方式とも一長一短がありますが、仮想PC方式を選択すると「OSのライセンス費用が大幅に高騰」し、利用者ごとに「OSやアプリケーションをインストールするための大規模なマシンリソース」が必要になるのに加えて、利用者が自由にマシン環境を設定できてしまうため、アプリケーションの統制がとれなくなります。

一方、SBC方式ならそのような問題はなく、さらにCitrix XenAppなら、それまで蓄積してきた運用ノウハウを有効活用でき、出張先のプリンタでも利用できる利便性の高さや、将来的にスマートデバイスとの連携が容易などのメリットがあります。そこで、最終的にCitrix XenAppの継続採用が決まりました。

その後、設計検証の工程を経て2012年9月から構築を開始し、2013年1月には既存ユーザーの3,000人が新しいVDIシステムに移行。さらに2013年8月にはシンクライアント専用端末700台を導入し、翌9月には営業担当者を中心に1,000人のユーザーを追加。全従業員の約80%に相当する合計4,000人まで対象者を拡大しました。

また、VDIシステム基盤は、従来のハウジング環境から富士通グループ共通のクラウド環境(IaaS)へ移行し、ハードウェアの運用・保守のアウトソーシングによる運用管理工数の大幅削減に加えて、物理サーバー(184台)の廃棄による保守費用の大幅削減を実現しました。

さらに、クラウド環境標準の運用管理ツールの「System Center」を活用することにより、VDIシステムのパッチ当てやディスクイメージ展開の自動化により、ヒューマンエラーと運用管理工数を削減することができました。

  • 注3
    SBC方式:Server Based Computingの略。アプリケーションをサーバー上で実行して、処理結果の画面情報のみをクライアントに転送する方式。
  • 注4
    仮想PC方式:サーバー上に複数の仮想PC-マシンを用意し、それぞれにデスクトップOSとアプリケーションをインストールして提供する方式。

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シンクライアントシステムへの移行に際しては、マクロを作り込んだOffice 2003およびライセンス数の限られたVisio 2007の継続利用に対する要望が多くのユーザーから寄せられました。しかし、XenAppサーバーの標準OfficeはOffice 2010であることから、本来はOffice 2003やVisio 2007を同時に利用することができません。そこで、アプリケーション配信に特化したXenAppサーバーを構築し、Office 2003やVisio 2007をXenAppサーバーに配信することで、Office 2010と同じデスクトップ上で利用できる機能を新たに追加しています。

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導入の効果

1.システム運用コストを年間6,500万円削減
2.月78時間分の運用工数を削減
3.外出先でのメール返信など営業業務の効率化が実現

新VDIシステムは順調に稼働しており、新たに追加されたユーザーも通常のPCと同様に違和感なく使っています。

その効果として、セキュリティが担保されたことに加え、VDIシステムをクラウド環境へ移行することで、物理サーバーの「運用管理工数」や「保守費用」が削減され、年間で6,500万円の運用コストが軽減されました。

また、System Centerによって運用を自動化した結果、メンバーサーバーの未適用パッチのリストアップや、パッチ適用の作業工数は、従来の月8.5時間から3時間に短縮。さらに、新規メンバーの追加やメンバー変更の際に行うディスクイメージの吸い出しと展開作業の工数も、従来の月76.2時間が4時間に。合わせて月に78時間分の運用工数が削減されました。

1. Windows Updateのリストアップ/適用の自動化
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2.ディスクイメージ展開の自動化
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ワークスタイルの変革

1.フリーアドレスの採用と、全社員の業務端末のシンクライアント化
2.タブレット端末やスマートフォンでも、シンクライアントシステムが活用可能

2013年10月にリニューアルオープンしたG-7ビルオフィスは、創造的なオフィス空間の構築と運用、ICTの利活用による「ワークスタイル変革」「社員のモチベーション向上」を目的に設立された営業拠点です。営業、CE、SE部門が入居するフロアは、フリーアドレスを基本とし、社員の固定席は排除されています。また、あらゆるワークシーンでもモチベーションを維持しながら快適に仕事ができるよう、窓側に横長のデスクが配置されたカフェ風の「ハイカウンター席」、ファミリーレストランのように落ち着いてミーティングができる「ボックスシート席」、どの壁面もホワイトボードとして活用できる「コミュニケーションウォール」などが配置され、ワークスタイルの変革を促す環境が整備されているのが特徴です。

富士通エフサスでは、リニューアルしたG-7ビルオフィスにおいて、通常の社内業務は原則としてシンクライアント端末を使用するよう切り替えました。

また、VDIシステムを用い、タブレットや業務用スマートフォンから資料を表示してお客様先で提案したり、CEがタブレットで保守マニュアルを見ながら作業を行ったり、社員が外出先からスマートフォンを使ってメールチェックをしたりといったことが可能に。これまでセキュリティの問題から、外出先から会社に戻って行っていたメールの返信などの業務を社外でできるようになるなど、「いつでも」「どこでも」業務ができる新しいワークスタイルの促進を実践しています。

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今後の展望

1.お客様に対してよりよいVDIシステムを提供
2.新しいワークスタイルを可能にするソリューションを提供

富士通エフサスでは一次導入から、VDIシステムの構築と運用だけでなく、ネットワークやサーバーを含めたインフラの高度化に取り組んできました。今後も総合的なノウハウを蓄積しながら、お客様に対してよりよいVDIシステムを提供していきます。

また、G-7ビルオフィスにおけるイノベーションの実践を通してワークスタイルの変革を推進しながら、お客様に対しても「ICTの効果的な利活用」と「快適なオフィス空間デザイン」を融合した、新たなワークスタイルソリューション「FUJITSU Infrastructure System Integration オフィスまるごとイノベーション」(注)を、運用ノウハウと合わせて提案してまいります。

[掲載日:2014年6月11日]

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