• クラウド・コンピューティング
  • セキュリティ
  • その他
  • 金融・保険証券

盛岡市 様

外部記録媒体を安全に利用できるシンクライアントで自治体業務の効率向上とセキュリティ強化を実現

盛岡市様は、人口約30万人を擁する岩手県の中核都市です。市内には北上山地を水源とする中津川が流れ、秋には鮭の遡上が見られるなど、自然と人々の暮らしが融合した街として親しまれています。2016年には「希望郷いわて国体」の開催を控えており、現在、市を挙げて都市環境の整備と行政サービスの充実に取り組んでいます。

盛岡市様では、ICTの取組みも積極的で、既に約2,300名の全職員に1人1台のPC環境を整備し、グループウェアも活用するなど先進的な導入にチャレンジしてきました。

2010年には、PCのメンテナンス業務の負荷低減を目的に、シンクライアント600台の運用を開始するなど、将来的なICTシステムのTCO削減とセキュリティの強化を念頭に、全端末をシンクライアントに置き換える方針を打ち出しました。しかし、一部の職員が使用する業務アプリケーションがシンクライアントでは動作しない、USBメモリーなど外部記録媒体を使用できないといった理由から、全端末のシンクライアント化には課題がありました。 富士通エフサスは、特定の業務アプリケーションを必要とする職員だけに外部から持ち込んだデータを配信できるシステムと、外部記録媒体を安全に使用可能とする仕組みをご提案しました。シンクライアント活用の自由度を高め、盛岡市様の行政サービスの質の向上、業務効率の向上を支えています。

導入事例レポート 盛岡市 様

課題と解決策

PCの更改にともなうICT投資を低減し、同時にセッティングなど運用と管理にかかる工数を削減する必要があった。
シンクライアントによりOSのライフサイクルに左右されないICTシステムを構築。TCOを削減し、端末の運用・管理にかかる業務負荷を大幅に低減した。
個人情報保護の観点からも、職員のPCに重要なデータを残せるリスクを減らし、セキュリティのさらなる強化が必須だった。
手のひら静脈認証システムでログイン時のセキュリティを強化。シンクライアントで端末にはデータを残さず、サーバーで一元管理する仕組みとした。
外部記録媒体の利用や特定の業務アプリケーションを使用するために専用のPCを残しておかなくてはならず、全PCのシンクライアント化が困難だった。
シンクライアントでも外部記録媒体を利用可能とする仕組みを構築するなど、可用性を向上。全PCをシンクライアント化する準備が整った。

導入までの背景

全職員2,300名のPCのメンテナンスとセキュリティの確保をどうするべきか

岩手県の中核都市・盛岡市様は、市民サービスの充実と市役所職員の業務効率向上を目的に、以前からICTシステムを積極的に導入してきました。盛岡市様はすでに2003年から全職員に1人1台のPC環境を整備しグループウェアも活用済みで、職員同士の業務コミュニケーションの活性化と行政サービスの効率向上に取り組んできました。

しかし、その運用の過程でPCのメンテナンスやセキュリティについての改善点が浮き彫りになっていました。盛岡市様では、毎年100台以上のPCの更改がありましたが、そのたびに、総務部の情報企画室の担当者が、職員ごとに異なる業務アプリケーションやセキュリティソフトを1台ずつセッティングする必要がありました。一度、セッティングしたPCでも、不具合が発生するとその対応もしばしば求められました。総務部総務課情報企画室・室長の佐藤明彦様は、「PCの更改にともなうICT投資を低減し、同時にセッティングなど運用と管理にかかる工数も削減したいと考えていました」と当時の背景を語ります。

あわせて、業務に関する重要なデータをPCに保存できる仕組みでは、情報漏えいのリスクも懸念されていました。そこで、PCの運用・管理業務の負荷低減とセキュリティの向上を目的に、シンクライアントへの切り替えを決断。まずは、盛岡市役所の玉山総合事務所に75台を試験導入し、その後、2010年に全庁舎への展開を進め、600台のシンクライアントの本格運用を開始することになりました。

  • 盛岡市 総務部 総務課 情報企画室 室長 佐藤 明彦 様
    盛岡市
    総務部 総務課
    情報企画室 室長
    佐藤 明彦 様
  • 盛岡市 総務部 総務課 情報企画室 主査 吉田 央 様
    盛岡市
    総務部 総務課
    情報企画室 主査
    吉田 央 様
  • 盛岡市 総務部 総務課 情報企画室 主事 西村 友樹 様
    盛岡市
    総務部 総務課
    情報企画室 主事
    西村 友樹 様

導入以前の課題

多様化する自治体業務への対応とUSBメモリーなど外部記録媒体の安全な利用

本格運用を開始したことで、新たな課題が明らかになりました。一つは、シンクライアントへのログイン時のセキュリティです。当初は指紋認証システムの導入も検討していましたが、より使いやすいシステムが求められました。また、自治体の業務の多様化への対応も必須で、「シンクライアントの利便性を高めることが課題の一つでした」(佐藤様)と当時を振り返ります。

そして、もう一つがUSBメモリーなど外部記録媒体を、いかに安全にシンクライアントで利用できるようにするかということでした。例えば、市役所の広報業務では、外部の委託会社との間で写真データなどをUSBメモリーでやり取りする機会が多くあります。しかし、シンクライアントでは、USBメモリーなどを使用できない仕組みでした。そのため、外部記録媒体を使用する際には、それぞれの職員が、外部記録媒体を情報企画室に持ち込み、担当者に依頼して保存されているデータをサーバーにアップしてもらい、その後に自分のシンクライアントからサーバーにアクセスするといった手順が必要となってしまいました。また、部署によっては、外部記録媒体「読み込み用PC」を設置していることもありました。総務部総務課情報企画室主査の吉田央様は、「職員が外部記録媒体を使用するたびに、情報企画室経由でサーバーにデータをアップしていたのでは、業務効率の向上が図れません。とはいえ、各部署に読み込み用のPCを残してしまっては、全PCをシンクライアントにする計画を実現できません。外部記録媒体をシンクライアントでいかに安全に使えるようにするかは、大きな課題でした」と語ります。

導入の概要

個別業務アプリケーション配信システムとメディアアップロード・ダウンロードシステムを構築

盛岡城跡公園 盛岡城跡公園

シンクライアントへのログイン時の認証方法として、富士通エフサスは手のひら静脈認証システムを導入しました。また、業務の多様化への対応では、特定の職員だけが必要とする個別の業務アプリケーションをシンクライアントで利用可能とする、「個別業務アプリケーション配信システム」を構築しました。

一方、USBメモリーや外付けハードディスクなど外部記録媒体を用いてデータを安全にやり取りするために、富士通エフサスが提案したのは、独自の「メディアアップロード・ダウンロードシステム」です。これは、USBメモリーなど外部記録媒体を使用できる専用タブレット端末を各部署に用意し、職員が外部記録媒体から写真データなどを読み込み、シンクライアント上の個人フォルダにアップロードできる仕組みです。アップロードとは反対の手順で、個人フォルダにあるデータを外部記録媒体に保存することも可能となります。盛岡市様では、このようなシステムを長い間探していましたが、見つかりませんでした。そこで、「コンビニエンスストアなどにあるキオスク端末のようなイメージを富士通エフサスの担当者に伝えたところ、すぐに『こんなシステムですか』とアイデアをだしてくれました。簡単操作でUSBメモリーなどに保存された写真などをサーバーにアップロードしたり、ダウンロードしたりできる仕組みで、『まさにそれ!』と直感し、すぐに構築をお願いしました」(吉田様)と新規システム導入の経緯を語ります。

システムイメージ図
システムイメージ図

導入の効果

外部記録媒体の利用や個別業務に柔軟に対応 全端末をシンクラアントに置き換えることが可能に

盛岡市様では、庁内のPCを順次、シンクライアントへと切り替え、現在では約900台のシンクライアントが稼働しています。あわせて、「個別業務アプリケーション配信システム」、「メディア・アップロード・ダウンロードシステム」との連携で、その利便性も高まりました。特に「個別業務アプリケーション配信システム」を活用することで、「フレキシブルに仕事に取り組めるので、業務効率も向上しました」(佐藤様)。

また、「メディアアップロード・ダウンロードシステム」により、職員が自分の部署の専用タブレット端末を使って、USBメモリーなどの外部記録媒体を安全に、かつ自由度高く活用できるようになりました。職員は、専用タブレット端末に手のひら静脈認証システムでログインするので、誰が外部記録媒体を利用してデータを取り込んだか、あるいはサーバーからデータを持ち出したかも把握できます。USBメモリーなどによって、重要な情報が不正に持ち出されてしまう情報漏洩リスクを低減でき、セキュリティも強化されました。「個別業務アプリケーション配信システムやメディアアップロード・ダウンロードシステムにより、これまで以上にシンクライアントを自由度高く活用できる体制が整いました。特定の業務アプリケーションを動作させるPCや外部記録媒体を使用するためだけのPCが不要になり、全ての端末をシンクライアントに置き換える準備ができました」(佐藤様)。

  • 富士通エフサス 東日本本部 東北支社 情報サービス部 鶴田 賢
    富士通エフサス
    東日本本部 東北支社
    情報サービス部
    鶴田 賢

今後の展望

VDI方式への切り替えや無線LANへの対応など、より利便性の高いシステムへの進化を視野に

盛岡市様では、2015年に基幹システムを含めた大規模なシステム刷新の時期を迎えます。「そのタイミングで、現在のサーバーベース方式のシンクライアントを、よりパフォーマンスの高いものへと発展させたいと考えています。個別アプリケーションの導入が簡単とされているVDI(仮想デスクトップ)方式も含め検討しています」(吉田様)。また、今後は本庁舎だけではなく、支所にもシンクライアントを拡大していくことも考えられています。

あわせて、盛岡市様では、既存庁舎の耐震改修工事を進めています。その際に検討課題となるのが、ネットワークインフラとしての無線LANです。「地震や台風などの際、盛岡市役所内に災害対策本部が設置されることもあります。無線LAN環境が整っていれば、ノートPCやシンクライアントを持って対策本部に集まるだけで、情報収集や連絡を迅速かつフレキシブルに行えます。即応体制を整えておくためにも無線LAN環境の整備が必要だと考えています」(佐藤様)。

個別業務への対応や外部記録媒体の利用など、盛岡市様は、これまでもシンクライアントの利便性を高める先進的な取り組みを進めてきました。今後、VDIも含めた方式の検討や本庁舎から支所への拡大、既存庁舎の耐震改修工事にともなう無線LANへの対応など、次なるステップも見据えています。盛岡市様のシンクライアントは、ますます進化していくようです。

盛岡市 様

所在地 : 岩手県盛岡市内丸12-2
市長 :谷藤 裕明氏
職員数 :2,244名(2014年4月1日現在)

盛岡市 様


関連する商品・サービス・ソリューション

ページの先頭へ