グローバルSCMシステムをオンタイムで展開する「G-iTOS(ジーアイトス)」運用開始
~受注から出荷までのSCMを国内と海外の業務を連動させてスピーディに処理~
当社は、受注から調達・製造・出荷までの各プロセスにおいて、それぞれがオンタイムで生産活動のできるグローバルSCM(注1)システム 「G-iTOS(ジーアイトス)」を構築し、4月23日から運用を開始します。
本システムは、国内において207社のサプライヤー(部品調達先)と実績のある基幹SCMシステム「iTOS」(注2)をベースに開発し、「iTOS」と 「G-iTOS」をオンタイムに連携させ、生産活動にかかわる国内外の拠点、および海外拠点の取引先であるサプライヤーとリアルタイムな情報共有化が図れ、これまでに例のないグローバルSCMシステムをオンタイムで実現します。
本システムにより、各業務の即日処理が可能となり、業務の大幅なスピードアップとグローバルな業務オペレーションの効率化、それにグローバルITガバナンスの完全対応が図れます。
*G-iTOS: Global internet Total Operation Systemの略
2012年3月29日
【システム導入までの経緯】
当社は今まで、国内および海外拠点にあった生産システム毎に改善するなど、部分最適を推進し、国内、海外それぞれのシステムの情報を吸い上げ、バッチ処理を行ってきました。そのため、国内、海外のシステム間の情報にタイムラグが発生し、情報の断絶が生じ部品の滞留や部品不足により、後追い作業が発生するなど、業務効率化を阻害してきました。
ビジネスのスピードアップや業務効率化の阻害を解決するために、海外拠点の製造システムを抜本的に見直し、5つのポイントで新しいシステムの構築を推進してきました。
<5つの開発ポイント>
- グローバルな全体最適化(国内外の情報・業務の重複レス化により一気通貫を狙う)
- 機能のシンプル化(海外スタッフの業務負荷軽減のため、人を頼らないシステム化)
- 業務ルール・プロセス・コード類の標準化(国内外オペレーションの統一)
- グローバルITガバナンスの対応(認証/改ざん防止・更新ログの取得など)
- マルチ言語対応(日本語・英語・中国語など言語の辞書ファイル化)

以上を踏まえ、従来のEDIと異なり、タイムラグの無いグローバルSCMシステムを実現し、国内拠点、海外拠点にとどまらず、サプライヤーに向けてオンタイムでシステムを展開していきます。
【グローバルSCMシステム「G-iTOS」の主な特長】
本システムは、長期的な視野に立ち、生産プロセス全体の効率化を目指して、グローバルSCMを実現したシステムです。これにより、受注から出荷まで業務の即日処理など管理業務の大幅なスピードアップ(週⇒24H以内)と効率化(30%UP)が可能となりました。主な特長は次のとおりです。
1. 全体最適化(グローバルSCM)を実現
システム要件として、当社の計画システムと連動し、海外拠点の受注+調達+製造+出荷のシステムと海外拠点のサプライヤーとの情報授受など全体を最適化する必要がありました。
これを実現するために、各システムの機能統合とデータベースのシングル化、および各マスターファイルの一元化に加えて、関連システムやサプライヤーとのリアルタイム情報連携などを達成しました。これにより、情報の流れの滞留を取り除き、全体最適化による「一気通貫」を実現することができ、ビジネスのスピードアップや日々変化する生産活動への俊敏な対応が広範囲で可能になりました。
2.グローバルSCMのクラウド化を実現
国内のSCM基幹システムである「iTOS」をベースにグローバルSCM(G-iTOS)を構築することで、業務のルール・プロセス・コード類をグローバルに統一し、国内、海外拠点のオペレーションを同じ仕組みで可能とし、海外拠点のSCMシステムのクラウド化を実現しました。これにより、システム要員のいない海外拠点でもシステムの導入・維持・メンテの容易化を実現、また国内から海外拠点へのオペレーション支援も可能になりました。
3. グローバルITガバナンスの徹底(海外拠点のIT全般統制に完全対応)
グローバルITガバナンスの徹底のために、次の4つの機能を準備しました。
- アクセス権限(画面参照/更新権限を利用者毎に権限を付与)
- アカウント管理の徹底(定期的にパスワード変更、暗号化保存、棚卸し機能)
- データベースへの不正アクセス防止(画面操作ログ・データベース更新ログの記録)
- 承認ワークフローの導入(複数人による更新の認証/証跡を管理)を充実
今後は、生産活動にかかわる国内・海外を含めた全体最適化を狙ったグローバルSCMシステム「G-iTOS」のノウハウは、製造業などのお客様に幅広くソリューションとして役立てていきたいと考えています。
更に、将来は、納入指示、調達物流の状況情報など、生産活動に有益な情報共有の機能拡張を行い、国内および海外拠点も含めたグループ全体でのさらなるマネジメント情報共有の強化を計画しています。
【用語説明】
(注1)SCM:Supply Chain Managementの略。企業活動の管理手法の一つで、製造業や流通業において、原材料や部品の調達から製造、流通、販売という一連の流れにおいて、それに参加する部門・企業の間で 情報を相互に共有・管理することによってプロセスの最適化を行うもの。
(注2)iTOS:internet Total Operation Systemの略。当社の基幹SCMシステムで、受注から調達・製造・出荷までの各プロセスの全体最適化を実現し、2008年8月21日から運用を開始。
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
日付: 2012年3月29日
会社名:
富士通フロンテック株式会社,
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