非接触型手のひら静脈認証装置の製品ラインナップを大幅に強化

2010年1月5日

お客様の重要な情報のセキュリティ管理は、企業において、近年ますます重要性を帯びています。一方で、ICTシステムへの強固なセキュリティ対策は、システム活用時の利便性を損い、タイムリーな情報照会等の妨げになることがあります。スピードが求められるビジネス環境においては、セキュリティ強化と利便性の両立が重要課題となっています。

このような背景の下、富士通フロンテック、および富士通は、認証する本人のみが持つ生体情報を利用した、非接触型手のひら静脈認証装置を2005年よりグローバルに提供してきました。

【今回ご提供する新製品、および機能拡張の特長】

1. 低価格を実現したPCログイン専用のセンサー装置「PalmSecure-LT」（新製品）

お客様の活用シーンで最も利用度の高いPCログインシステムにおいて、高いセキュリティ環境をより広く、より容易にご利用いただくため、静脈認証としては初めて1万円台を実現した、PCログイン専用のセンサー装置「PalmSecure-LT」を新開発しました。

本製品の提供に合わせ、同装置と組み合わせてご利用いただく、以下のようなPCログイン関連製品をご用意します。これらにより、お客様のご要件に合わせた製品の選択が可能となり、お客様はパソコンのセキュリティ機能を低価格かつ容易に導入でき、なりすましによる業務システムの不正侵入や、情報漏えい対策を行う環境を迅速に構築できます。

【「SMARTACCESS/Premium」「Secure Login Box」】

スタンドアロン型、サーバ型の両方に対応するPCログインソフトウェア（「SMARTACCESS/ Premium」）、および認証データを一元管理するアプライアンスサーバ（「Secure Login Box」）。

【「PalmSecure LOGONDIRECTOR」】

スタンドアロン型、サーバ型の両方に対応するPCログインソフトウェア製品。

2. 手ぶら認証実現に向けた「PalmSecure」認証ライブラリの機能拡張

今までの手のひら静脈認証ビジネスで蓄積してきたノウハウや、他の部位の静脈に比べて情報量の多い手のひら静脈の利点を活かし、静脈認証において世界で初めて、1：1,000手の認証を高速で実現しました。従来から提供している非接触機能と合わせ、多くの利用者がいる環境において、認証者のIDカードやパスワードの併用なしに、手をかざすだけで認証が可能となります。これにより、大規模ICTシステムにおいても手のひら静脈認証を容易かつ低コストで導入できます。

また、この認証ライブラリ単独での1：1,000認証をベースとして、グルーピング、マルチサーバ等の技術と組み合わせることで、さらに大規模な手ぶら認証システムの構築が可能となります。

(1) 認証精度、および認証速度の向上

手ぶら認証時には、登録件数の増加に伴って他人受入率 ^※が増加します。今回、新しい認証アルゴリズムを開発することで、1：1,000認証時においても高セキュリティ性を確保しました。

また、手ぶら認証では、認証時に手のひら静脈以外の情報（IDカードやパスワード等）がないため、1：1,000認証は理論上、登録データとの照合を1,000回行うことになります。この照合を利用者にストレスなくお使いいただくために、認証精度の改善と同時に認証速度も向上しました。

特に、サーバ集中型処理において、高い認証精度と高速の認証を実現するために、マルチスレッドをサポートする、認証ライブラリの「Enterprise Edition」をご提供します。

※ 他人受入率：他人を本人であると誤認する率

(2) アプリケーション開発効率の向上

利便性の向上に向けて、アプリケーション開発のレベルで利用可能な各種支援機能をオプションとして用意し、アプリケーション開発の効率化を推進するとともに、利用者にとってより使いやすい環境をご提供します。

今後、富士通フロンテック、および富士通では、お客様に対して常に安心・安全なシステム環境を提供するため、富士通の「安心安全ソリューション SafetyValue」の手のひら静脈認証のさらなる展開を図っていきます。

現行製品（左）と今回発表の新製品（右下）、および機能拡張（右上）との関連図

【販売価格、および出荷時期（国内）】

1. 「PalmSecure-LT」（新製品）

商品名	販売価格（税別）	販売開始時期	出荷時期
「PalmSecure-LT」 （スタンダードセンサー/セット/他）	17,500円～	即日	2010年1月15日
「PalmSecure-LT」 （マウスタイプセンサー/セット/他）	19,500円～	即日	2010年1月15日

「PalmSecure LOGONDIRECTOR」については、2010年2月末の出荷を、「SMARTACCESS/Premium」および「Secure Login BOX」については、2010年6月末の出荷を、それぞれ予定しています。

2. PCログイン関連製品

スタンドアロンPC用にログインソフトウェアとセンサー装置「PalmSecure-LT」をセットにした製品「PCログインキット」を富士通フロンテックより提供いたします。本製品は、富士通フロンテックのオンラインストア「フロンテックダイレクト」より購入することができます。

3. 「PalmSecure」（機能拡張 [1：1,000認証、他]）

商品名	販売価格（税別）	販売開始時期	出荷時期
〔基本〕「PalmSecure SDK」 ※	285,000円	発売済	出荷済
〔オプション〕認証ライブラリ 「Enterprise Edition V30」	100,000円 （1CPUライセンス）～	2010年1月20日	2010年1月末
〔オプション〕 「1対N認証支援ライブラリ」	2,500円 （5クライアントライセンス）～	2010年1月20日	2010年1月末

※ 認証ライブラリ「Basic Edition」を含みます。

【販売目標】

富士通グループ全体で、今後3年間で100億円の売上を目指します。

（ハード・ソフト・SIを含む）

【ご参考:「非接触型手のひら静脈認証装置」の特長】

1. 体内情報であるため偽造が困難

「手のひら静脈」は生体情報であり、偽造が困難です。また指や手の甲に比べ、複雑かつ安定しており、本人拒否率0.01%、他人受入率0.00008%以下（PalmSecure）という高い認証精度と合わせて、高信頼のセキュリティを実現しています。

2. 適用率が高く、登録不可能な人がほとんどいない

指紋では表面の磨耗や乾燥などにより、登録・照合が行えないことがありますが、「非接触型手のひら静脈認証装置」では、体表の影響はほとんど受けません。

富士通グループでは、全世界で7万5千人、15万手での静脈データサンプルを収集し、認証精度と適用率の確認を行いました。これらのサンプルで適用できなかったケースはなく、適用率の高さが実証されています。

3. 非接触であるため、利用者の抵抗感が少ない

衛生的であるとともに、自然な操作性を実現しています。これにより心理的な抵抗感が小さいものとなっています。

【関連Webサイト】

非接触型手のひら静脈認証装置：

http://www.fujitsu.com/jp/frontech/solutions/business-technology/security/palmsecure/
http://jp.fujitsu.com/solutions/palmsecure/

「安心安全ソリューション」： http://segroup.fujitsu.com/secure/

フロンテックダイレクト： http://www.fujitsu.com/jp/frontech/direct/