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世界初! UHF帯RFIDタグによる検体容器150本の高速一括読み取りに成功

~わずか4秒で、検体容器をラックごと読み取り可能~

富士通フロンテック株式会社(注1 以下、富士通フロンテック)、および株式会社富士通研究所(注2 以下、富士通研究所)は、世界で初めて、UHF帯RFIDタグを貼り付けた、大量の検体容器(注3)を一括で読み取る技術を開発しました。これにより、150本の検体容器を4秒で読み取ることが可能になります。

従来の技術では、最大で検体容器50本の一括読み取りに対応していましたが、角度を変えながら数回読み取る必要があるため、読み取りに時間がかかっていました。本技術を用いることで、医療現場における検体容器の管理が飛躍的に効率化し、人為的な作業ミスも軽減します。

富士通フロンテックでは、検体容器への適用を2010年度に予定しています。さらに、化粧品容器や飲料容器などへの適用も検討していきます。

2009年12月2日

【背景と課題】

血液センターでは、多くの病院から送られてくる検体容器を取り扱っており、1日に処理する検体容器の数は数万本にもおよぶ場合があります。従って、検体容器管理の効率化が求められていました。

従来では、検体容器をバーコードで管理しており、バーコードを1本1本読み取るのに人手と時間がかかっていました。これを解決するため、無線で情報を読み取るRFIDタグを適用し、複数の検体容器を一括で読み取る取り組みが行われてきました。しかし、RFIDで利用するUHF帯の電波は水に吸収されやすいため、検体容器50本の一括読み取りが最大でした。一方で、検体容器を取り扱う血液センターでは、検体容器を150本入りのラックで管理するケースが多く、読み取り本数の増加への対応が急務となっていました。

【今回開発した技術】

富士通フロンテックと富士通研究所はこのほど、液体に影響を受けない微小ループアンテナを採用したRFIDタグと電波出力特性を広範囲に安定化するリーダライタアンテナを組み合わせることで、前述の課題を解決しました。本技術により、世界で初めて、UHF帯RFIDタグが貼り付けられた検体容器150本をわずか4秒で一括に読み取ることができます。

今回開発した技術の特長は、以下の通りです。

1. RFIDに電波の指向性を下方向に向けた微小ループアンテナを採用

検体容器に装着するRFIDタグに、液体、およびその成分に影響を受けない微小ループアンテナを採用し、さらに、微小ループアンテナの指向性を下方向に向けた形状にすることで、下部に設置したリーダライタアンテナでの読み取りを容易にし、検体容器の数量が増えた場合にも安定して読み取れるようにしました。タグは検体容器の側面に貼付するので、底面が平らでない容器にも容易に貼付可能です。

2. 小型リーダライタアンテナの複数配置により、多数の検体容器に到達する電波を一様化

読み取り装置に搭載されるリーダライタアンテナについては、一般にアンテナ面の直近では面上での電波強度の分布が一様でなく、端方向では電波が弱くて偏波の方向も一様でない傾向があります。このため、小型アンテナを複数配置することにより、多数の検体容器に到達する電波を一様にしました。

【効果】

上記技術を医療分野に適用することにより、検体管理の大幅な工数削減とともに、人為的な作業ミスの軽減が可能となります。

【今後】

富士通フロンテックでは、検体容器への適用を2010年度に予定しています。また、本技術を適用することにより、化粧品容器、飲料容器に対しても、製造管理や入出荷検品などの業務効率の向上が期待できます。今後は、これらの分野への適用についても検討していきます。

【関連Webサイト】

富士通フロンテック RFIDタグ・リーダライタ紹介サイト

【注釈】

(注1)富士通フロンテック株式会社:代表取締役社長 海老原光博、本社 東京都稲城市。
(注2)株式会社富士通研究所:代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
(注3)検体容器:人体から採取した検査対象物を格納する容器。


【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

日付: 2009年12月2日
会社名: 富士通フロンテック株式会社, 株式会社富士通研究所,

お問い合わせ

富士通フロンテック株式会社
RFID事業部
お問い合せフォーム: http://www.fujitsu.com/jp/frontech/contact/

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