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国内初、工場と取引業者間でUHF帯RFIDを活用した部品供給管理システム稼動

~当社新潟工場で調達部品の納入指示から製造ライン供給までのリアルタイム化を実現~

当社はこのほど、UHF帯RFIDタグ付きリライタブルシートを納入指示のかんばんに用いた部品供給管理システム「ジャストインタイム(以下、JIT(注1))コントロールシステム」を開発し、ATMやPOSなどを製造する当社新潟工場(注2)と、同工場に部品を供給するサプライヤー(取引業者)との間で、本日3月5日より運用を開始します。

「JITコントロールシステム」は、調達部品の納入指示と入荷・検収、それに製造ライン供給までのモノの動きをリアルタイムに把握するため、RFIDタグ付きリライタブルシートを「RFIDかんばん(注3)」として採用し、これと富士通グループ独自の「UHF帯RFIDタグ100枚の移動一括読取り書込み技術」を組み合わせたものです。本システムにより、モノと情報の一元化と見える化が実現し、業務の大幅なスピードアップと効率化が図れます。

2008年3月5日

UHF帯RFIDタグ100枚の移動一括読取り書込み技術

本システムは、当社製品でもある、通信距離が3~4mと長いUHF帯RFIDの特長と一括読取り技術を活用し、入荷・検収時に部品のパレット単位での一括同時読取りを可能としました。これにより、物流ポイントにおける時点情報入力の作業高精度化と省力化、およびモノと情報の一元化を実現します。さらにJITを当社新潟工場内のみでなく、サプライヤーまで含めたトータルなSCM(Supply Chain Management)として徹底することにより、部品の納入指示から現在の位置や在庫状況、そして製造ラインへの供給状況をリアルタイムに把握できます。本システムの適用により管理業務の迅速化にもつながり、部品物流の手番短縮や管理業務の大幅な効率化が可能になります。

UHF帯RFIDを採用した「RFIDかんばん」

UHF帯RFIDを採用した「RFIDかんばん」による製造工場とサプライヤー間におけるJITの実運用は国内で初めてと考えます。また、将来的には約30社のサプライヤー間にまで適用拡大し、部品発注・納入指示・RFIDかんばんの発行状況・各実績など多様な情報の共有化を取引企業間で実現します。

【システム導入までの経緯】

当社新潟工場では、2004年よりトヨタ式生産革新活動を本格展開し、その一環としてJITの生産システム導入を推進して、作業改善やスペース効率などの成果を着実に出してきました。しかし、JITの適用拡大や効率化をさらに進める上で、従来のバーコード等を用いた方法では物流のスピードに追いつかず、モノの流れと在庫情報をリアルタイムに把握できないことが課題となっていました。

この対応策として、納入指示と入荷・検収時における情報収集の向上と省力化を図るため、今般、UHF帯RFIDと一括読取り技術を活用したJITコントロールシステムを開発し、当社新潟工場とサプライヤー間で稼動させ、取引企業間の情報共有化を実現しました。

【「JITコントロールシステム」の主な特長】

UHF帯RFIDと一括読取り技術を活用したJITコントロールシステム

本システムは、当社新潟工場内のJIT運用にとどめたシステムではなく、サプライヤー各社とのSCMを実現したシステムです。これにより、発注情報・納入指示・入荷・検収・在庫・製造ライン供給などリアルタイムに情報を連携し、サプライヤーとも情報の共有化を行うなど「モノと情報の一元化と見える化」を実現しています。

当初はサプライヤー4社との間で稼働を開始し、2008年内には、主要サプライヤー約30社との間において「RFIDかんばん」の発行を計画しています。本システムの主な特長は、次のとおりです。

1. 納入指示や入荷・検収情報収集の大幅な効率化向上

当社新潟工場では、ATMやPOSなどを製造するために必要な調達部品の納入時にパレットに混載された段ボールやバケットなどの荷姿(9パターンを想定)に、RFIDタグ付きリライタブルシートを用いた「RFIDかんばん」を貼付し、それらをパレットに積んだまま、RFIDリーダ・ライタとアンテナを設置したゲートを通過して一括同時入荷・検収情報の自動読取りを実現します。これにより、入荷・検収時の現品とデータ入力の照合や発注ロットに対する分割納入指示へも柔軟に対応できるなど「モノと情報の一元化と見える化」が進み、従来に比べ約2倍と大幅な業務効率化が図れます。

2. 「RFIDかんばん」によりJIT運用の拡大

入荷・検収された部品は、荷姿のまま各製造ストアへ搬送され、製造ラインで使用されると「RFIDかんばん」が外れて回収ボックスへ投入されます。この投入情報がトリガーとなり、次の納入指示情報が瞬時にネットワークを介してサプライヤー各社に伝達されます。この情報を利用してサプライヤーは次の出荷準備が可能となります。このような納入の効率化を実現することでJIT拡大の容易さにつながり、管理業務の高速化と、さらには在庫6割減が見込めます。

3. 「UHF帯RFIDタグ100枚の移動一括読取り書込み技術」を採用

本システム構築にあたり、多数のUHF帯RFIDタグを移動させながら同時に一括で読取りさらに書込む技術を採用したことにより、読書きエラーによる付帯作業をなくし現場での実運用性を高めています。これらの技術は、業界に先駆け富士通株式会社をはじめとしたグループ各社が共同開発し、お客様にご提供しているものです。

今後は、UHF帯RFIDタグを使用した本システムのノウハウを社内適用のみならず、富士通グループから、製造業、物流業などのお客様に幅広くソリューションとして役立てていきたいと考えています。

【用語説明】

(注1)JIT: Just In Timeの略。“必要なものを、必要なときに、必要なだけ”という生産の流れを作る方式をJITという。
(注2)新潟工場: 新潟県燕市。ATMやPOS、RFID関連製品等を製造する当社基幹工場。
(注3)RFIDかんばん: 当社の考えによる、サプライヤーから組立工場へ納品を行う際に部品に貼付される納入指示の現品票(UHF帯RFIDタグ付きリライタブルシートを採用)を指す。

【関連リンク】

製品へのリンク

RFID関連製品の詳細な情報については、こちらからご覧ください。

製品紹介ページ


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

日付: 2008年3月5日
会社名: 富士通フロンテック株式会社, ,

お問い合わせ

富士通フロンテック株式会社
情報システム統括部 SCMシステム部
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平日 9:00から17:00まで
お問い合せフォーム: http://www.fujitsu.com/jp/frontech/contact/