西村京太郎記念館が案内役としてサービスロボット「enon」を導入
~ミュージアム向けに新型機を初導入~
西村京太郎記念館(注1)は、富士通フロンテック株式会社(以下 富士通フロンテック 注2)と株式会社富士通研究所(以下 富士通研究所 注3)が共同開発したサービスロボット「enon(エノン)」(注4)を、ミュージアム向けに初めて導入し、9月21日から来館者の案内役として常設運用を開始します。
サービスロボット「enon」は、2005年9月の発表以来、数々のフィールドにおいて適用性を実証してきました。今回は、それらのフィードバックを受けて改良した「enon」新型機の初めての導入となります。
2007年9月20日
西村館長と「enon」
サービスロボットは、より豊かな社会実現のために、また今後の少子高齢化に伴い、さまざまな応用分野で実用化が期待されています。富士通フロンテックは、富士通研究所と共同で「enon」を開発し、2005年9月から限定販売を開始し、オフィスや商業施設などでの実証を続けてきました。今回は「enon」の新型機をミュージアム向けとして初めて西村京太郎記念館に導入します。
西村京太郎記念館は、2001年9月に開館し、西村京太郎の全ての作品や生原稿、秘蔵コレクションなど、作家生活を象徴する品々を展示しています。今回、サービスロボット「enon」を館内の案内役として導入することで、西村京太郎記念館は、来館者へのホスピタリティのさらなる向上を目指します。
「enon」は、西村京太郎記念館において、以下のような動作を行います。
1. 館内のご案内
お客様が来館すると、入口付近の待機位置から自律的に館内を移動し、身振り手振り、音声、そして胸にある液晶画面を用いながら、展示品のご案内をします。
2. 西村京太郎のご挨拶
西村京太郎が「enon」の液晶画面に登場し、ご挨拶します。
3. 「enon」の自己紹介
「enon」が身振り手振りで自分自身の機能をご紹介します。
4. 西村京太郎のクイズ
西村京太郎に関わるクイズを液晶画面に出します。推理小説研究家の山前譲先生に作成いただいた問題と、西村京太郎監修の問題をランダムに組み合わせて出題します。全問を正解された方には、成績優秀者として西村京太郎名による認定書を贈呈します。
サービスロボット「enon」は、搬送用ロボット、清掃用ロボット、監視用ロボットなどの専用ロボットとは異なり、1台で案内、搬送、巡回監視などの多様な活動ができるロボットです。今回、西村京太郎記念館が導入する「enon」は、これまでのフィールド適用を通して得られた安全面などの課題について改良を施し、完成度を高めた新型機です。新型機の導入は、今回が初めてとなります。
富士通フロンテックは、今後、ミュージアム関連施設のみならず、商業施設での「販売促進」「商品検索案内」、工場やデータセンターなどでの「巡回監視」「小荷物搬送」など、多くの市場にロボットの販売を拡大していきます。
【運用開始】
2007年9月21日
【関連URL】
西村京太郎記念館: http://www4.i-younet.ne.jp/~kyotaro/
富士通フロンテック「enon」: http://www.fujitsu.com/jp/frontech/solutions/business-technology/intelligent-society/servicerobot/
富士通研究所: http://jp.fujitsu.com/labs/
【注釈】
(注1) 西村京太郎記念館: 館長 西村京太郎 、所在地 神奈川県湯河原町。
(注2) 富士通フロンテック株式会社:代表取締役社長 海老原光博、本社 東京都稲城市。
(注3) 株式会社富士通研究所:代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
(注4) enon:an exciting nova on network(ネットワークの躍動的な新星)。
添付資料: 「enon」新型機の概要
【主な改良点】
1. 安全性の強化
両腕の小型軽量化を図るとともに、関節部分にかかる負荷を検知できる機能を追加しました。これにより、アームに異常な力が加わった時にアームの力を自動的に抜くことができるようになり安全性が向上しました。さらに、グリッパ(アームの先端部)の材料をウレタンゴムに変更し、形状にも丸みを持たせました。
また、自律走行時の障害物検知センサーの数を5個から11個に増やすとともに、センサー配置を大幅に見直し、前後方向の障害物検知能力を高めました。さらに、底部にバンパースイッチを追加し、万が一、接触した場合にもただちに停止できるようにしました。
2.4カ国語対応による情報提供の充実
ミュージアムや商業施設などでは、外国からのお客様への対応も重要となるため、日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語の発話に対応しました。
3.外部サーバとの連携機能
ロボットのサービス状況を外部からモニタすることなどが簡単にできるように、サーバ連携機構を追加しました。これによって、サーバで組んだスケジュールに従ったサービス提供や、ロボットのカメラが撮ったライブ画像の取得、構内PHS通信などが可能となりました。
【主な仕様】
仕様やデザインなどは、予告なしに変更することがあります。
1. 本体部
外形寸法 |
高さ1300mm、肩幅560mm、底面径550mm |
重量 |
約50 kg |
走行 |
車輪走行 |
自由度 |
頭部 |
2自由度 |
移動部 |
2自由度 |
アーム部 |
4自由度 |
移動性能 |
最大移動速度 |
3km/h |
最大登坂角度 |
5deg(注1) |
最大段差乗越 |
5mm |
可搬性能 |
最大搭載重量 |
10kg(注2) |
最大容積 |
幅270mm、奥行320mm、高さ280mm |
リバーシブル機能 |
頭・腕反転 |
センサー |
カメラ |
6個 |
距離センサー |
11個 |
バンパーセンサー |
1個 |
入出力 |
タッチパネル付液晶モニタ |
TFT液晶 10.4インチ |
スピーカー |
2個 |
マイク |
4個 |
音声合成機能 |
標準:日本語(注3) |
音声認識機能 |
標準:日本語(注4) |
通信 |
無線LAN |
IEEE802.11a/11b/11g |
バッテリー |
種類、電圧、容量 |
ニッケル水素電池、24V、250Wh |
充電方式 |
無接点充電方式 |
外観色 |
リリィホワイト |
稼動環境条件 |
温度0~40℃、湿度20~80%RH(屋内専用) |
2. 充電ステーション部
外形 |
高さ520mm、幅500mm、奥行き145mm |
重量 |
約20kg |
方式 |
無接点充電方式 |
入力 |
AC100V 最大6A |
3. オプション
グリッパ |
手首回転1自由度、把持1自由度(注5) |
背面カバー |
キャリングスペースカバー |
トレイ |
最大可搬重量 2kg |
WEBカメラ |
カラー130万画素 |
外観色(頭部、肩部) |
ラベンダーブルー、シトラスイエロー |
(注1) 本体下部(スカート下部)の安全クッションを装着する標準機では登坂できません。
(注2) 積載物の脱落防止はユーザー対応となります。
(注3) 音声合成オプションとして、英語・中国語・韓国語があります。
(注4) 音声認識は、認識語彙の制限、使用環境による認識率相違など、条件があります。
(注5) 把持できる物体の大きさ・形状・重さ・材質など、制限があります。
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
日付: 2007年9月20日
会社名:
富士通フロンテック株式会社,
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