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世界メディア芸術コンベンション2014 「タイム・ウォーカー―移動体社会のメディアと記憶」報告書を公開しました。

TIME WALKER :Journey of Image through Space and Time

(株)富士通総研は、文化庁の委託を受け、平成26年1月24日(金曜日)、25日(土曜日)に、世界メディア芸術コンベンション2014「タイム・ウォーカー ―移動体社会のメディアと記憶」を開催いたしました。

プログラム・ディレクターに写真家・映像人類学者の港千尋氏(多摩美術大学教授・あいちトリエンナーレ2016芸術監督)をお迎えし、言葉とイメージの双方を扱う作家や研究者とともに、アートと移動性について幅広く展開した議論をとりまとめた報告書を公開します。

報告書

世界メディア芸術コンベンション2014
プログラム・ディレクター
  • 港 千尋 (美術家・映像人類学者・多摩美術大学教授)
参加パネリスト
  • 港千尋(美術家・多摩美術大学教授)
  • 吉増剛造(詩人・映像作家)
  • 青木涼子(能役者)
  • 管啓次郎(詩人・翻訳家・明治大学教授)
  • 石川初(株式会社ランドスケープデザイン)
  • 太田佳代子(展覧会オーガナイザー、編集者)
  • 山川冬樹(アーティスト)
  • クリストフ・シャルル(アーティスト・武蔵野美術大学教授)
  • グレゴリー・シャトンスキ(アーティスト)
  • フランチェスコ・カレリ(ローマ大学教授)
  • カレン・オルーク(パリ第1大学准教授)

実施概要

  1. 開催日:
    平成26年1月24日[金曜日]17:30から19:30 レクチャー&映像と音響のミニライブ
    平成26年1月25日[土曜日]10:00から17:30 パネルディスカッション&対談
  2. 会 場:
    東京国際フォーラム
  3. テーマ・出演者:
    【1月24日[金曜日]】
    セッション1:
    見えない都市へ ~移動性と記憶の場
    パネリスト:
    グレゴリー・シャトンスキ(アーティスト/フランス)
    港千尋(美術家・映像人類学者・多摩美術大学教授)
    山川冬樹(アーティスト)

    【1月25日[土曜日]】
    セッション2:
    遊歩からマッピングへ~テクノロジーの詩学
    パネリスト:
    カレン・オルーク(パリ第1大学准教授/アメリカ)
    クリストフ・シャルル(アーティスト・武蔵野美術大学教授/フランス)
    管啓次郎(詩人・翻訳家・明治大学教授)

    セッション3:
    歩行から建築へ ~境界のダイナミズム
    パネリスト:
    フランチェスコ・カレリ(ローマ大学教授/イタリア)
    石川初(株式会社ランドスケープデザイン)
    太田佳代子(展覧会オーガナイザー、編集者)

    統括セッション:
    タイム・ウォーカー ~時空を超えるイメージの旅
    パネリスト:
    港千尋
    吉増剛造(詩人・映像作家)
    青木涼子(能役者)
  4. 主催:
    文化庁

テーマ・コンセプト、出演者について

テーマ・コンセプト

「タイム・ウォーカー 移動体社会のメディアと記憶」

ここ数年でスマートフォンが急速に進み、新型iPhoneの発売が社会のトップニュースになるなど、もはや人々にとってデジタルメディアのデバイスとは、「パソコン」ではなく、スマートフォンやタブレットPCに代表される「モバイル」となった。子どもたちは教科書の代わりにタブレットPCで学ぶなど、社会のイノベーションとしても「モビリティ」の存在感は日々大きくなってきている。
Googleの商用化は1998年だったが、このコンベンションが開催される2014年はちょうど15年目にあたる。わずか15年前、ICCで開催された『移動する聖地』展(港先生が参加)では、まだネットワーク技術が追いつかず、遠隔性、モビリティの概念は「近未来」のものであったが、この15年であっという間に現実のものとなった。しかも、「移動する」イメージや音声は、アートはもちろんのこと、ビジネスからゲームに至るまで、現代社会の隅々に浸透し続けている。日本が得意とする代表的なゲームコンテンツの登場人物も多くが「歩行」している。
このような状況下で、日本が何をしたらいいのか。もう一度「作る」ことに原点回帰する必要があるのではないか。今回のコンベンションでは、「TIME WALKER」というタイトルで、アートと移動性・歩行について幅広い議論を展開し、いずれクリエーターを志す若い観客層(美大生や美大受験生等)をターゲットに、その創作意欲・創造性・想像力を喚起する刺激的な視点を提供することを目的とした。

出演者プロフィール(海外)※開催当時

●グレゴリー・シャトンスキ(Gregory Chatonsky)
1971年パリ生まれ。パリ第1大学で哲学を、パリ国立高等美術学校でデジタル・アートを学ぶ。1994年、インターネット上でアーティストのためのプラットフォームである、incident.netを設立。最先端技術を駆使した異色の作品で、独自の地位を築く。インターネットやメディアを媒体に、人とテクノロジーとの新しい対話の形を探求するシャトンスキ氏は、ネットワーク装置、写真、彫刻に至るまで、多種多様な媒体を駆使したアナログやデジタルメディアによる作品を制作している。そして常に「人間」と「機械」の関係性に問いかけ、現代の新たな“フィクション”を追究する。ヨーロッパ写真美術館などパブリックコレクションにも所蔵多数。2012年2月には、東京日仏学院「メディア月間」において日本でも発表。現在、パリおよびモントリオール在住。精力的に世界中で活動している。

●カレン・オルーク(Karen O’Rourke)
芸術家・作家。ニューヨーク生まれ。パリ第1大学准教授。オルーク氏の著作は、芸術の実践、ネットワークの概念、アーカイブ、そして領域(テリトリー)をめぐる関係性に焦点をあてている。『City Portraits 』(1989-92)、『Paris Réseau / Paris Network』(1993-2000)、『archiving as art』 (1997-2000)、『A Map Larger Than the Territory』(2002-2004)、『Eavesdroplets』 (2006)、『Partially Buried University』 (2008-2010)等が、これらの代表的な作品である。理論的な調査研究として出版された著書である 『Walking and Mapping: Artists as Cartographers』(MIT Press, 2013)は、レオナルド賞を受賞。歩行(Walking)をモチーフにした現代アーティストのプロジェクトを、みずから歩いてマッピングし、物理的、文化的、または心理的に世界で自分自身を見つけるための方法を模索している。オルーク氏の様々な作品(写真、インスタレーション、著書やソフトウェアなど)はアメリカやヨーロッパ等で広く紹介されている。

●フランチェスコ・カレリ(Francesco Careri)
1966年ローマ生まれ。ローマ大学建築学科教授。ローマにて建築学を学び、1996年よりナポリにて博士課程での研究を開始。『旅(“The Journey”)』というテーマの論文を執筆。郊外のアートに関連した研究チーム‘Stalker’のメンバーでもある。ローマ大学で教鞭を執りながら、『Constant. New Babylon, una Città Nomade』(2001)等の著書を出版し、Stalkerと共に数々の現代美術や建築の国際展に出品している。カレリ氏の著書『Walkscapes: Walking s an Aesthetic Practice』は建築やランドスケープについて、都市を遊歩することから新たな風景の概念について論じている。原始的な遊牧生活、また、ダダやシュルレアリスム、レトリストからシチュアシオニスト・インターナショナル、さらにミニマリズムからランド・アートなど、多様な歴史的観点を通じたランドスケープを追いかけながら新たな視座を与えている。

出演者プロフィール(国内)※開催当時

●港 千尋(美術家・映像人類学者・多摩美術大学情報デザイン学科教授)
1960年神奈川県生まれ。1984年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、パリを拠点に写真家・文筆家として活動を開始。2002年 オックスフォード大学ウォルフソン・カレッジ研究員。2007年 第52回ベネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナーに就任。群衆や記憶など文明論的テーマをもちつつ、研究、作品制作、展覧会、出版、キュレーション等、幅広い活動をつづけている。著作『記憶-想像と想起の力』でサントリー学芸賞、展覧会「市民の色」で伊奈信男賞を受賞。あいちトリエンナーレ2016の芸術監督に就任。
近著に『パリを歩く』、『芸術回帰論』、『掌の縄文』など

●クリストフ・シャルル(アーティスト・武蔵野美術大学教授)
1964年、フランス生まれ。武蔵野美術大学映像学科教授。1966年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。1997年、フランス国立東洋文化東洋言語研究所大学院博士課程修了。
メディアアートを専門に、現代芸術における理論的・歴史的な研究を行いながら、内外空間を問わずインスタレーションおよびコンサートを行い、それぞれの要素のバランス、独立性及び相互浸透追及している。
父親は、ジョン・ケージの研究者として世界的に著名な音楽学者のダニエル・シャルル。ジョン・ケージとの共著『小鳥たちのために』(邦訳あり)は、現代音楽の関係者にとどまらず哲学・文化論として世界中で読まれている。幼少の頃から父親の影響で音楽に愛着が深く、メディアアーティストのなかでも特にサウンドに強い。
グレゴリー・シャトンスキ氏とは台北の展覧会でコラボレーションしている。
主な作品として、CD作品:「undirected」シリーズ(Mile Plateaux, Subrosa, CCI, ICC, Code, Cirque, Cross, X-tractレーベルなどでリリース)やパブリックアート作品:大阪市住まい情報センターモニュメント(山口勝弘監修)音響担当、東京成田国際空港第一ターミナル中央アトリウム常設サウンドインスタレーション。

●管 啓次郎(詩人・翻訳家・明治大学教授)
1958年生まれ。明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系教授(コンテンツ批評、映像文化論)。カリブ海文学、チカーノ文学、アフリカ文学、アメリカインディアン文学、異文化コミュニケーション論、翻訳文化論、トラヴェル・ライティングといった分野における執筆・研究活動を行ってきた。エドゥアール・グリッサン、マリーズ・コンデらカリブ海フランス語文学の翻訳者としても知られる。エッセイストとして『斜線の旅』(2010)により読売文学賞受賞。
2011年の東日本大震災を機に、31名の作家たちのアンソロジー『ろうそくの炎がささやく言葉』を野崎歓(東京大学仏文科教授)とともに編集した。さらに小説家の古川日出男らとともに朗読劇『銀河鉄道の夜』を制作し、各地で上演を続けている。詩人としての評価は国際的に高まっており、2010年1月にはスタンフォード大学、2012年8月にはスロヴェニア、2013年9月にはセルビアで招待朗読を行った。

●山川 冬樹(アーティスト)
1973年、ロンドン生まれ。音楽、美術、舞台芸術の分野で活動。国内外での活動や作品が東京都現代美術館に収蔵される等、最も注目されている若手芸術家のひとり。ホーメイや骨伝導マイクを使った音のパフォーマンスといった独特の身体表現を試みている。今秋、渋谷で発表されたマンホールプロジェクトでは、深夜の街で寝そべり、マンホールに耳を当てて様々な水の音を聞き、マンホールから聞こえる音を通じて渋谷という街を知るという、都市をインフラから診察するユニークなツアー・ワークショップを行った。声についての連載エッセイは、『未来(未來社)』誌上で2007年より2年間執筆。複数の大学入試において国語科目の長文問題に採用されている。

●太田 佳代子(展覧会オーガナイザー、編集者)
2012年まで10年間、オランダの建築設計組織OMAのシンクタンクAMOで総合リサーチにもとづく展覧会の企画運営と書籍編集に携わる。2010年ヴェネチア建築ビエンナーレAMO展「Cronocaos」、2006年同「The Gulf」(以上共同)、2005~2009年ミウッチャ・プラダ展「Waist Down」、2003・2004年OMA-AMO回顧展「Content」、2009年深圳・香港都市建築ビエンナーレの各キュレーター。編集したおもな書籍に Project Japan: Metabolism Talks... (Taschen 2011,平凡社 2012)、Post-Occupancy (Editoriale Domus 2005)、Waist Down (DAP 2005) など。2004・2005年「DOMUS」副編集長。1993年まで建築・都市ワークショップ共同主宰、雑誌「Telescope」共同編集。

●吉増 剛造(詩人・映像作家)
1939年生まれ。日本現代詩を代表する詩人。
60年代末より詩の朗読を始め、以降、たえず現代詩の最前線を切り拓く詩作品を発表するとともに、詩の朗読を伴うパフォーマンスを世界各地で行う。1980年代からは銅版に言葉を打刻したオブジェや写真作品を本格的に発表し、国内外で個展を開催。2006年よりデジタルビデオカメラで特異な「ロード・ムービー」の製作を開始、2009年に映像と書物のコラボレーション『キセキgozoCinè』を刊行。世界各地で先鋭的なパフォーマンスをおこなう。『キセキgozoCinè』は、撮影・語り・サウンドのすべてを一人でこなしつつ同時収録されるたぐい稀な作品で、まさに「モビリティ」を体現したメディアアート作品である。
多彩な表現で現代詩のスケールを拡大したことが評価され、平成25年度文化功労者。平成26年度日本藝術員授賞者に選ばれた。

●青木 涼子(能役者)
東京藝術大学院音楽研究科修士課程修了(観世流シテ方専攻)。これまでに、湯浅譲二、一柳慧、ペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫など世界の現代音楽作曲家と共同で、新たな「能」の世界を生み出す。今までにドイツのベルリンAsia-Pacific Weeksフェスティバル、ベルリン高等研究所、ベルリン自由大学、ボン大学、フランスのパリ国立高等音楽学院、イタリアのローマ日本文化会館、ヴィラ・メディチ、東京国際舞台芸術フェスティバル、神奈川県芸術文化財団主催アートコンプレックス、京都国際舞台芸術祭、武生国際音楽祭に招待され、パフォーマンスを行った。10年ニューヨークのクセナキス・フェスティバルに招待され、ニューヨークタイムズ紙上でも好評を得る。11年にはドイツ、ミュンヘンにてミュンヘン室内管弦楽団と共演、地元紙でも絶賛される。12年に地元大分にてアルディッティ弦楽四重奏団と共演を果たした。他にもNHK教育テレビ、放送大学テレビに出演するなど幅広い活動で注目を集めている。2013年10月、マドリッド、テアトル・レアル王立劇場でオペラ「メキシコの征服」のマリンチェ役でデビュー。各国で絶賛された。2014年6月にはデビューアルバム「能×現代音楽」をリリース。平成27年度文化庁文化交流使に指名された。

●石川 初(株式会社ランドスケープデザイン)
1964年京都府生まれ。ランドスケープデザイナーとして、多方面で活躍中。
鹿島建設建築設計本部、アメリカHOK社プランニンググループを経て、株式会社ランドスケープデザイン設計部プロジェクトリーダー。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。日本生活学会理事。千葉大学特任准教授。早稲田大学創造理工学部建築学科、武蔵野美術大学建築学科にて非常勤講師。主な著書に、『今和次郎「日本の民家」再訪』(共著、平凡社2012年)、「ランドスケール・ブック」(LIXIL出版、2012年)など。2013年建築学会賞(著作賞)、第38回今和次郎賞受賞。

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担当者:辻
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