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小手先のマーケティング施策ではない、ID-POS活用で実現する「顧客に選ばれる店舗」

~小売チェーンA社様における商品開発と品揃えの改善事例から~

  
掲載日:2016年4月26日

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概要

ID-POSを活用した「顧客に選ばれる店舗」の実現
小売業においてはポイントカードの普及により、顧客情報に紐づいた購買履歴(ID-POSデータ)の収集・活用が盛んです。特に、近年ではデジタル・マーケティングやマーケティング・オートメーションといったキーワードとともに、多様なマーケティング施策が実行され、顧客獲得・育成の動きが活発化しています。

小売チェーンA社様も、ポイントカードの導入を機にID-POS分析基盤を導入し、マーケティング・オートメーションを利用したターゲット別クーポン配信に取り組んでいました。しかし、顧客に自社チェーン店舗を選択してもらい、より多くの商品を購入してもらうには、ターゲット別クーポンを提供するだけでは不十分です。顧客にとって店舗を選択する際に重視することは、魅力的な商品や充実した品揃えだからです。「選ばれる店舗」になるためには、クーポンだけでなく商品や品揃えの強化が不可欠です。

富士通総研では、当初はマーケティング・オートメーションの設計・導入を支援してきましたが、本質的に「顧客に選ばれる店舗づくり」を実現すべく、ID-POSを商品開発力の強化と、店舗別品揃え改善指導に役立てるご支援を2年間にわたって行ってきました。本事例では、その一部をご紹介いたします。

課題

新商品開発と定番商品化のジレンマ

A社様の商品開発では、多くの顧客に長きにわたって支持される“定番商品”を生み出すことが重視されていました。独自の定番商品を生み出すことは、顧客が定着し、選ばれる店舗としての地位を確立することにつながるからです。

しかし、A社様の主力商品は、発売直後に売上のピークが来ることが多く、売上を作るためには新商品を次々と発売し、短期間で入れ替えることも同時に求められています。A社様では、新商品の開発とそれによる売上達成が目的と化しており、定番商品をじっくり育てることが難しい状態にありました。

定番商品を育てるためには、単なる売上推移だけでなく、個々の商品が持っている新規顧客・リピーター獲得実態を明らかにし、定番化のポテンシャルを商品開発プロセスにフィードバックする必要がありました。

各店舗の品揃えアクションに直結する情報提供

A社様では、本部の担当者が、自身の管轄する店舗に対し、品揃えや発注の指導を行う立場にあります。本部の意図が伝わりやすいように、発注判断の基準となる商品ランクや品揃えの幅の基準となる標準棚割り等の情報が提供されています。

しかし、各店舗のオーナーは、来店客層や周辺環境等といった、それぞれの事情を踏まえた経営を行っているため、画一的な指導を行っても納得してくれることはありません。また、商品ランクや標準棚割りだけでは、数千にも及ぶ商品をコントロールするための具体的なアクション(どのカテゴリの品揃えを強化するか、どの商品を発注するか)に結びつけることは難しかったのです。

各店舗に適した発注・品揃えの情報を、アクションに結びつきやすいように具体的に提供する必要がありました。

解決策

定番化のポテンシャルを直感的にわかりやすく提示

定番商品を育てるためには、売上数値だけでなく定番化するポテンシャルを測るため、購入者の中から「新規購入者」と「リピーター」を分け、その推移をモニタリングする必要があります。発売後数週間経っても「新規購入者」が多いのであれば、商品の新鮮さで最初は売れるものの、再購入は見込めないため、定番化するポテンシャルは低いと考えられます。反対に、当初は「新規購入者」が多いが、週を追うごとに「リピーター」が増えてきた場合には、定番化するポテンシャルは高いと考えられます。

一般的には「トライアル率・リピート率の分布図」が用いられることが多いですが、複数週間にわたって推移をモニタリングしていくため、A社様の場合では、【図1】に示すように新規購入者・リピーター・離反顧客の内訳を棒グラフで示した指標を用いました。

【図】新商品・リニューアル商品の顧客内訳推移
【図1】新商品・リニューアル商品の顧客内訳推移

定番化のポテンシャルが高い商品は、廃番にせずリニューアルにより、商品力を強化しつつ品揃えとして存続することになります。本指標により、新商品のみならずリニューアル商品でも、既存顧客が継続してリピートしてくれているのか、反対に新規顧客だけで既存顧客は離反してしまったのかといった、顧客からの支持が直感的に判断できるようになりました。ID-POSの活用により定番商品化プロセスが改善されたのです。



各店舗の品揃え改善点を見える化


各店舗に必要な品揃え・発注アクションとは、売れる余地のある商品カテゴリの品揃えを強化することと、その店舗のロイヤルカスタマーがリピートしているお気に入り商品を確実に発注することです。

前者に対しては、店舗クラスタリングという手法を用いました。具体的には、性・年代・来店時間帯といった客層の傾向と各商品カテゴリの売行きが類似した店舗をグルーピングし、そのグループ平均(つまり、類似した他店舗)と比較して品揃えの強み・弱みを明らかにする、というものです。個々の店舗の事情を考慮しつつ、品揃えを評価することができます。例えば(【図2】)のレーダーチャートであれば、各カテゴリの販売実績について個々の店舗と店舗グループの値をマッピングすることで、品揃えの弱み・強みを直感的に把握することができます。

【図】カテゴリ別強み・弱みチャート
【図2】カテゴリ別強み・弱みチャート

後者に対しては、各店舗のロイヤルカスタマーを抽出し、単品のリピート回数ランキングを提示するという、単純ながらID-POSでなければできない手法を採用しました。

これらの情報を毎月提示することで、各店舗での具体的な品揃えの改善アクションに結びつけることができました。

成果

判断やアクションに活用できてこそのID-POS分析

2年間にわたって支援してきたID-POS分析プロジェクトでは、本事例で紹介しきれないほどの指標や帳票の開発を行ってきました。その目的は、単に難しい手法を活用して分析してみる、というのではありません。「顧客に選ばれる店舗づくり」を実現するために必要な判断・アクションに直結する情報は何か、という原点に立った試行錯誤でした。

その結果、A社様からは「ID-POSデータに基づく仮説検証のノウハウや判断プロセスが社内に根付き、運用を確立させることができた。事業の生命線である商品開発や店舗指導の領域について、従来よりも一歩進んだステージに立つことができた」と評価をいただきました。

富士通総研では、分析の設計から業務運用の確立までを一貫してご支援し、ID-POSを活用した「顧客に選ばれる店舗づくり」に貢献致します。

  • 本事例中に記載の数値、社名・固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
安藤美紀

本記事の執筆者

流通・生活サービス事業部
シニアマネジングコンサルタント

安藤 美紀

 

通信会社を経て富士通株式会社に入社、2007年 株式会社富士通総研に出向、現在に至る。一貫してCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)領域のコンサルティングを専門とし、顧客の獲得・育成に関するICTを活用した仕掛けのコンサルティングに従事

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